小野麻利江 19年8月11日放送



太陽のはなし 太陽が光を奪われた年

「人類史上最悪の年」。
中世を専門とする歴史家によると、それは「西暦536年」。
「太陽が光を奪われた年」だという。

その年の初め、アイスランドで噴火が起き、
火山灰が、北半球中に撒き散らされた。
その火山灰が微小な固体の粒子・エアロゾルの幕となって、
太陽の光を遮ってしまった。

ヨーロッパ、中東、アジアの一部で霧が垂れ込め、
なんと18ヶ月にも渡って、昼夜を問わず暗闇が続いたという。

夏の気温は3度近く下がり、
中国では夏に雪が降り、
東ローマ帝国の3人に1人の命を奪う
「腺ペスト」の蔓延のきっかけとなった。

東ローマ帝国の歴史家・プロコピウスは、こう記している。

1年中、まるで月のように太陽の光から輝きが失われた

人間の営みに、太陽は欠かせない。
この先、さらに、科学が進歩しても。

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