山本貴宏 19年12月22日放送



雪がふるとき ~雪まろげ~

18世紀前後の江戸時代は小氷期といわれ
現代より寒い日が続き、雪の量も多かった。

そこで流行したのが、
雪玉を転がして丸い大きなかたまりを作る「雪まろげ」という遊び。

さらにその雪の塊を積み上げ
縁起物の「達磨」を再現したことから、文字通り「雪だるま」が誕生した。
「雪だるま」はSnowmanの語訳ではなく、は日本古来の言葉だったのだ。

歌川広景による「江戸名所道戯尽」の一葉にも
供え物が置かれた雪だるまが描かれており、
本来の「達磨」と同じく縁起物であったと考えられる。

雪が降ると、
子どもたちが外で雪だるまを作る風景が思い浮かぶが
江戸時代には、
子どもの遊びというよりも大人が作り、
朝起きた子供たちを驚かせるのが目的であったという。
炭の塊で目を付け、ひげなどを墨で描いていたという
本格的なつくりであった。

サンタクロースが西洋から伝わってくる前から
冬の日の朝に子どもたちを喜ばせる親心は、
変わらず存在していたのだった。

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