2020 年 2 月 15 日 のアーカイブ

河田紗弥 20年2月15日放送



恋文のいろいろ。 〜歴史〜

ひらがなが誕生した平安時代。

女性も日常的に文字を記すようになると、
手紙が大ブームになった。

平安時代のラブレターで重要だったのが、
和歌のセンスはもちろん、
どのような紙に書き、結んで届けるかということ。

陸奥の国でつくられた陸奥紙(みちのくがみ)と呼ばれる紙が
貴族には人気であった。

それを木の小枝に結んで届けるのが一般的で、
白い紙を梅の花がついた折枝に結んだり、
青い紙を柳の折枝に結んだり、
色の取り合わせにも美意識を宿らせていたんだとか。

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河田紗弥 20年2月15日放送



恋文のいろいろ。 〜藤原実方〜

平安時代、20人以上の恋人がいたという
モテモテなプレイボーイ、藤原実方。

そのたくさんの恋人の中には、
あの清少納言もいたと言われている。

和歌の天才として知られる恋人に、
和歌にはかなりこだわりや向上心があったとされる藤原実方は
こんな歌を歌った。

 かくとだに えやは伊吹の さしも草
 さしも知らじな 燃ゆる思ひを

息吹山のヨモギのように燃えている私の心を
貴女は知らないのでしょうね。

さて、彼が燃やしていたのは、恋心?
それとも、お互いが得意とする和歌への競争心?

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河田紗弥 20年2月15日放送



恋文のいろいろ。 〜ナポレオン〜

フランスの革命家ナポレオン。

1796年27歳のときに
彼は貴族出身のジョゼフィーヌ・ド・ボアルネと結婚した。

ナポレオンは、彼女のことを非常に深く愛しており、
こんなラブレターを送っている。

 3つのキスを贈ります。
 一つは、ハートへ。
 一つは、唇へ。
 一つは、瞳へ。

しかし、そんなナポレオンの熱い想いは届くことなく、
ジョゼフィーヌが浮気をしてしまい、
二人は離婚することになってしまった。

その後、ナポレオンは後妻をもらったが、
死の直前に呼んだのはジョゼフィーヌの名だったそうだ。

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河田紗弥 20年2月15日放送



恋文のいろいろ。 〜坂本龍馬〜

 まことにおもしろき女

これは、坂本龍馬が、自分の姉である坂本乙女へ宛てた手紙の中で
自分の妻であるおりょうのことを紹介したときの言葉だ。

筆まめで知られる龍馬は、
残っているだけでも130通もの手紙を出していたとされる。

今でも、彼を題材にしたドラマや映画でも、
やたらと手紙を書くシーンが多いように思う。

そのときの時勢から人間関係、
金品の貸し借りなど、
なにからなにまで、詳細に書き記していて、
中には3メートルにも及ぶ長文の手紙もあったとか。

妻のおりょうにも多くの手紙を出しているが、
その手紙は、おりょうの死後、
遺言によりすべて処分されたと言われている。

龍馬の愛情が、文字から、文章から、伝わってしまう恋文を、
彼女は、誰にも見せず、独り占めしたかったのかもしれない。

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