2020 年 3 月 28 日 のアーカイブ

藤曲旦子 20年3月28日放送


違いがわかる男
春の訪れ。

大昔、つくしは「つくづくし」と呼ばれ、
春の季語として、よく用いられていた。
かの有名な正岡子規も、こんな歌を残している。

「つくづくし摘みて帰りぬ煮てや食はん
ひしほと酢とにひでてや食はん」

なんと、「つくしを煮て食べようか
酢醤油に浸して食べようか」と歌っているのだ。

ちなみに正岡子規は、余程つくしが好きなのか、
俳句でも「家を出て、土筆摘むのも何年目」
「病床を三里離れて土筆取」などと、いくつも詠んでいる。

正岡子規を虜にした、春の風味。
味わえるのは、今だけですよ。

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藤曲旦子 20年3月28日放送



春の訪れ。

春になると、土手や野原
田圃や畑からニョキッと顔を出す「土筆」。
その姿が、筆を逆さにして、
土につき刺したように見えることから、
漢字で「土」に「筆」と書いて「つくし」と読む。

では、ここで問題。
英語で「つくし」は何と呼ばれているだろう。

答えは「horsetail(ホーステイル)」。
Horseは「馬」、tailは「しっぽ」を意味するので、
馬のしっぽに例えられているのだ。

ちなみにアメリカのつくしは、
日本のものより、4倍近く大きいようで、
食べるという習慣はないそうだ。

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藤曲旦子 20年3月28日放送

春の訪れ。

冬には、すっからかんとしていた
土手や原っぱも、少しずつ賑わい始める。
よく見ると、緑の葉っぱに混じって茶色い小枝のようなものが
1本、2本、3本・・とまっすぐ生えている。つくしだ。 
実はこのつくし、生える時期が2回あることをご存知だろうか。

1回目は、2月下旬〜3月中旬頃。
2回目は、3月下旬〜4月上旬頃。

つくしは食べることのできる植物だが、
2回目のものの方が、長く地面で栄養を蓄えた分、
美味しいのだとか。

桜が美しい季節である春。
つい目線を上に向けてしまいがちだが、
足元にひっそり隠れた春の訪れを探してみてはどうだろうか。

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川田琢磨 20年3月28日放送



いろんな科学者『ベルヌーイ家』

「勉強しなさい」
誰もが一度は耳にしたセリフではないだろうか。
だが、まじめに勉強したことが原因で、仲違いした親子もいたようだ。

ダニエル・ベルヌーイ。
親子3代に渡って、8人の数学者を輩出した天才一族「ベルヌーイ家」に生まれた、
18世紀の数学者。

そのダニエルの父、ヨハンもまた、優秀な数学者だったが、
有り余る息子の才能に嫉妬し、彼が数学を学ぶことに猛反対。
挙句の果てに、家から勘当してしまったという。

しかし、ダニエルはその後も研究を続け、
流体力学の礎となる「ベルヌーイの定理」を導いた。

どうやら勉強というものは、
親が口出ししたところで、あまり意味はないらしい。

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川田琢磨 20年3月28日放送



いろんな科学者『日曜作曲家』

「だったん人の踊り」で有名なオペラ「イーゴリ公」。
これを手掛けたロシアの作曲家、アレクサンドル・ボロディンは、
非常に筆が遅いことで有名だった。

1つの作品に5年や10年かけるのは当たり前。
イーゴリ公にいたっては、
19年もの歳月を費やした結果、
ついに未完のまま、その生涯を終えてしまった。

彼の本職は、実は作曲家ではない。
「ボロディン反応」という、
有機化学の教科書に載るほどの発見をした、科学者なのだ。

研究者として多忙な日々を送る傍ら、
仕事の合間を縫って、作曲をたしなんでいたボロディン。
彼は自らを、「日曜作曲家」と呼んでいた。

明日は日曜日。
私たちは、どんな新しい自分に出会えるのだろう。

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