2020 年 4 月 12 日 のアーカイブ

佐藤日登美 20年4月12日放送

VV Nincic
パンの話 クロワッサン

ミルフィーユ状に重なったサクサクの生地をかじると、
バターの香りがふわりと広がる。
クロワッサンはどのようにできるのだろう。

食感の要となる層を作るために、
大きなバターをそのまま生地に包み、何度も薄く伸ばして丁寧に折りたたむ。
成形したあとはオーブンの中へ。
生地の中のバターが熱で蒸発すると、パン全体がふわりと持ち上がる。

そういえば、映画『ティファニーで朝食を』では
主人公役のオードリー・ヘップバーンがコーヒーとともにクロワッサンを口にしていた。


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佐藤日登美 20年4月12日放送

Johannes Lietz
パンの話 バゲット

1920年代のフランス。
過酷な労働環境を改善するため、午後10時から午前4時の間、
パン職人が働くことを禁止する法が出された。

困った職人たちは、短時間でできるパンを考える。
それまで作っていた大きな丸い形では時間がかかるので、
生地を細長くし、30分ほどで焼きあがるように工夫した。
これがバゲットの始まり。

時間が限られている中でこそ生まれるものもある、
というのはいつの時代も変わらない。


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森由里佳 20年4月12日放送


パンの話 パンがなければ

「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」

マリーアントワネットが言ったとか言わないとか、
諸説あるこの言葉は、無知への揶揄として使われる。

ところが実際は、
フランス語を英訳したものを和訳したせいで広まってしまった誤りだという。

原文では、ケーキではなく、ブリオッシュ。
バターや卵を使う贅沢品とされるが、
等級の低い小麦で作ることもでき、
パンの代用品として半額ほどの価格で売られていたのだ。


2020年4月。
いろんな憶測が飛び交うこんな春だからこそ、
凛とした心を忘れずにいたい。


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森由里佳 20年4月12日放送


パンの話 家で楽しむ

朝、トースターからただようパンのにおい。
香りの五線譜をたどって深呼吸すれば、
胃袋がグゥゥと歌いだす。

そのままかぶりつくのもいいが、
とけたバターが滲み込んだ
こがね色を楽しむのもいいし、
鮮やかなベリーのジャムの
てらてらとした輝きを楽しむのもいい。

ゆっくりとふたつに割れば、
白いふかふかの生地から
もわりと湯気がたちのぼる。
朝の光に湯気を透かせば、
光にきらめく粒たちが
ゆらりゆらりと遊んでいる。

いつもより、ゆっくり観察してみよう。
家にいても、世界はけっこう、おもしろい。


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蛭田瑞穂 20年4月12日放送


パンの話 サンドイッチの定義

2006年、マサチューセッツ州のショッピングモールに
パネラ・ブレッドというベーカリーが出店した。

その際ベーカリーはサンドイッチの独占販売契約を結んだが、
ブリトーを販売するメキシコ料理店の出店が浮上する。

ブリトーはサンドイッチに当たるとして、
ベーカリーはショッピングモールを提訴した。

裁判で判事は「争点はパンの枚数」であるとし、こう述べた。

 1枚のトルティーヤで具材を包むブリトーは
 サンドイッチには入らない。



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蛭田瑞穂 20年4月12日放送

Herman Saksono
パンの話 ささやかだけれど、役に立つこと

アメリカの作家レイモンド・カーヴァーの作品に
『ささやかだけれど、役に立つこと』という短編小説がある。

作中、不慮の事故により悲しみを負った夫婦に、
パン屋の主人がこう語りかける。

 何か召し上がらなくちゃいけませんよ。
 よかったら、あたしが焼いた温かいロールパンを食べてください。
 ちゃんと食べてがんばって生きていかなきゃならんのだから。
 こんなときには、ものを食べることです。
 それはささやかなことですが、助けになります。

どんな時も、食べることは希望になる。


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星合摩美 20年4月12日放送

francisco.j.gonzalez
パンの話 焼きたての香り

焼きたてのパンの、甘く香ばしい香り。
この香りについてフランスの大学が、面白い実験を行なった。

内容は、焼きたての香りが漂うパン屋と、香りのない洋服屋の前、
それぞれで落し物をして、通行人の反応を調べる、というもの。

400回の実験の結果、
洋服屋の前では、落し物を拾ってくれた人が、
およそ52%だったのに対し、パン屋では77%だった。

焼きたてのパンの香りは、ちょっぴり人を優しくさせる。
確かにそんなことがありそうな、平和な香りです。


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星合摩美 20年4月12日放送

lazy fri13th
パンの話 変わらぬ美味しさ

創業78年。
浅草にある行列のできるパン屋さん「ペリカン」

作るパンは、2種類のみ。
ほんのり甘く、もっちりとした「食パン」と、
小麦の風味が豊かな「ロールパン」。
どちらも食べ飽きない、シンプルな味わいが魅力だ。

ペリカン2代目の店主は、こう語っている。

「もし、自分に10の力があるのなら、
 それで100のものをつくるよりも、1つのものをつくる。」


美味しさへのこだわりは、
4代目が切り盛りする今も、変わらず続いている。


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