薄組・薄景子

石橋涼子 15年4月26日放送

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GetHiroshima
ねむりのはなし 水木しげるの睡眠至上主義

 睡眠を削って頑張るのを
 良しとする風潮が日本を覆っている。
 嘆かわしい。

こう語るのは、漫画家の水木しげる。

睡眠至上主義を標榜する水木氏は、
どんな怪我も病気も
睡眠で癒すことができると豪語する。
朝、妻がこどもたちを起こそうとすると、
寝ているのを無理に起こすのは
体に悪いと言って止めに入るほどだ。

好きなだけ眠らずして、何が幸福だ
と言って、仕事を減らしたともいう。

そこまでいくと、
睡眠もほどほどが良いのではと思ってしまうが、
休日の午後、
誰も起きてこないで家の中がシーンとしていると
満ち足りた幸福感を感じる

という水木氏の言葉を聞くと、
すこしひんやりした家の空気と
かすかな家族の寝息が感じられて
つい睡眠至上主義に賛同したくなる。

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小野麻利江 15年4月26日放送

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眠りのはなし 左甚五郎の「眠り猫」

日光東照宮をいろどる数多の彫刻の中でも
特に人気が高いのが、
江戸時代の名工・左甚五郎作と伝えられる
「眠り猫」。

作り手が謎に包まれているのと同様、
この猫は何を意味しているのか?と
見た者の好奇心をかきたて続けている。

諸説ある中でも一番よく言われるのが
猫の彫刻の裏で二羽の雀が舞う様子から、

 「猫が雀に襲いかからないほどの平和」
すなわち
 「徳川幕府によってもたらされた平和」

象徴しているという説。

もっとも、当の眠り猫は、
「知ったこっちゃない」という風情で
これからも梁の上で、眠りつづけるのだろうが。

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小野麻利江 15年4月26日放送

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DailyPic
眠りのはなし アリストテレスの「眠り」と人生

あと5分、あと10分。
早く起きなきゃという焦りと、
布団の気持ちよさとの間を
行ったり来たりな、春の朝。

でも、予定の無い日くらいは、
アリストテレスのこんな言葉を
言い訳にしてもいいかもしれない。

 勤勉なる者も怠惰なる者も、
 人生の半分は大差なし。
 なぜならば、人生の半分は
 眠っているからなり。

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薄景子 15年4月26日放送

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眠りのはなし 松谷みよ子の「もうねんね」

ひとりでねんねがむずかしい
小さな子どもたちを
やさしい眠りに誘ってくれる絵本がある。

松谷みよ子さんのロングセラー、「もうねんね」

 ねむたいよう ワン いぬもねんね 
 ねむたいよう ニャーン ねこもねんね
 めんどりも ひよこも くうくう ねんね
 モモちゃんも もうふも おにんぎょうさんも とろとろ ねんね 

心地よいことばのリズムが
おふとんの中でささやかれる時間は、
この世でいちばん安らぎに満ちているんじゃないかと思う。

この春、永遠の眠りについた松谷さん。
彼女が遺したたくさんの絵本たちは、
これからもずっと、日本中の親子の時間の中で
やさしくやわらかに生き続けるだろう。

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0歳8カ月の育児の話し。

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じろさん、生まれたての小鹿のように
つかまり立ちをしたり、しなかったりしております。
写真を撮ろうとすると座ってスマイルしてくれます。
それは求めてないのに。

そして相変わらずのずりばい。
ハイハイになりません…。

ナン語はだいぶ話すようになりました。
「まんまんま、ま、ま」
「ぱ、ぱ、ぱ~ぱ~ぱ~」
みたいな。
ここで多くのパパママが
「今、ママって言った!!天才か!!」とか
「初めての言葉は“パパ”だ!!ひゃっほう!!」とか
勝手に盛り上がって翻弄されるわけです。
なんらかを伝えようとする気持ちの発露なので
判断の難しいところですが、
わが家では生理現象というか、
まあ、ナン語だなーということで
無駄に喜ばないことにしています。

そうしないと両親祖父母間での争いに
発展しますから。
いわゆる、『この子の最初の言葉は私だ問題』です。
長いですね。
略して…、いや、うまく略せないからいいか。

ちなみに、寝がえりも勝手にマスターした実績を持つ
次男のじろさん、
長男に比べて手がかかりません。

昼寝の際、すーさん(長男)はベビーカーで転がすか
抱っこでおっぱいを飲ませるかしないと
眠れなかった王子さまでしたが。
じろさんは、な、なんと、
ひとりで勝手に遊んでひとりで勝手に行き倒れるのです。
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ラク!!

大抵、おにいちゃんの本棚を漁り疲れて
行き倒れるパターンですが、
たまに洗面所の引き出しからタオルを全部出して
燃え尽きたり、
キッチンの床に調味料やじゃがいもを散乱させながら
寝ているパターンも。

うーむ、アクティブ!!

長男には無い何かを、次男は明らかに備えています。
というか私、じろさんを放牧しすぎでしょうか。

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0歳7カ月の育児の話し。

この頃になると、ずりばいを完全にマスターしていました。
兄と比べて早い早い。
やはり体重の差が…(しつこいですね)。

そしてお座りもだいぶ安定してきました。
離乳食を食べさせたりお風呂で体を流すのが
ラクになり、ありがたし。

指先もどんどん器用になり、
おかあさんの髪の毛をひっぱったり、
くちびるやら肉やらをつまんできます。
とてもかわいいですが、
そこそこ痛いです。だいぶ痛いです…。

じろさんは「ぺしぺし」も好きなようです。
おかあさんが抱っこすると肩や首元をぺしぺししてきます。
はらばいになってフローリングをぺしぺし。
洗濯物の山をぺしぺし。
挙句の果てには、実家のマルチーズをぺしぺし。
犬も突然の襲撃に驚いてフリーズし何事も無かったのですが、
噛まれたりしたらと考えると、かあさんがフリーズしそうです。
本人はというと、すごく真剣な表情でぺしぺししています。
ぺしぺし叩くことで物の本質を捉えようとしているのでしょうか。
その姿は哲学的ですらあります。
ぺしぺしぺしぺしぺしぺし。
痛いっつーの。

そういえば次男ちゃっかり説を唱えている私ですが、
この頃、アグレッシブ且つちゃっかりと
長男のおもちゃを奪うようになりました。
大人が「じろさんのおもちゃ(赤ちゃん用・新品)でしゅよー」と
懐柔しようとしてもふり向きもしません。
とにかく、お兄ちゃんの手の中にあるおもちゃに夢中なのです。
そして不器用な長男。
つい、赤ちゃんに対して力いっぱいぐいーっとやってしまったり、
大声を上げたりしてしまうのですね。
そしておかあさんに怒られちゃうのですね。

その隙に、次男はおもちゃをちゃっかりゲットしちゃうのですね。

「赤ちゃんをぶっちゃダメでしょ」
と私に怒られて号泣しているすーさん越しに
優雅に兄のおもちゃをがじがじしているじろさんを見ると
なんだかなあ…という気分になります。
ずるいよなあ、次男。と。

が、がんばれ、すーさん!!

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薄景子 15年3月15日放送

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Alvesgaspar
旅のはなし ギュスターヴ・フローベールの言葉

旅するたびに、思うこと。

空は果てしなく続いているということ。
星は毎日、降り落ちそうなほど瞬いているということ。
一日のはじまりと終わりは、水平線がオレンジ色に染まること。

そして、日々、頭の中をいっぱいにしていた
あんなことも、こんなことも、
とてつもなくちっぽけなことだということを
旅は教えてくれる。

フランスの小説家、ギュスターヴ・フローベールは言う。

「旅は人間を謙虚にする。世の中で人間の占める立場が
 いかにささやかなものであるかを、つくづく悟らされるからだ」

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石橋涼子 15年3月15日放送

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旅のはなし メンデルスゾーンの旅する人生

作曲家のメンデルスゾーンは、
19世紀初頭、ドイツの裕福な家に生まれた。

幼いころから才能を開花させ
モーツァルトの再来と言われた。
20歳になると、実家の援助の元、旅に出る。
イングランド、ウィーン、フィレンツェ、ミラノ。
行く先々で刺激を受け、多くの名曲をつくった。

すべてに恵まれているように見えるメンデルスゾーンだが、
ひとつだけ、大きな不安を抱えていた。
彼の一族は突然死する人間が、とても多いのだ。

彼はこんな言葉を残している。

 旅を思い出すことは、人生を二度楽しむことだ。

彼は、38年という短い生涯の割に
多くの作品が残っている。
一日をいかに濃密に生きるかに賭けていたからではないだろうか。

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熊埜御堂由香 15年3月15日放送

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Bob Jagendorf
旅のはなし 桐島一家の長い旅

エッセイストとして活躍する桐島洋子さん。
3人の子どもをシングルマザーで育てた。
40歳目前をむかえたとき、一番下の男の子は8歳になったばかり。
忙しい毎日で、子どもと向き合えない苛立ちを抱えていた。

そしてふっと、決心した。
よし、この1年は静かな田舎町で、徹底的に子どもと向き合おう。
失業を心配するまわりには、こう返した。
この休暇は、私たち親子にとって最上の投資よ。

流れ着いたのは、アメリカのイースト・ハンプトン。
森の中で転げ回り、大雪の日には、かまどの火で家族で暖まった。
英語が全くできなかった子どもたちは、街の人気者になった。
旅先が、いつのまにか第二の故郷になり、
最後には、学校が終わる来年の夏まで帰らないと譲らなかった。
1年ですっかりたくましくなった子どもたちを前に
さみしくて、うれしいと洋子さんは思った。

末の男の子だった桐島ローランドさんは
その時をふりかえってこう言った。

 僕の母は、何も諦めないひとでした。
 僕たちも母に鍛えられ、悪くない育ち方をしたと
 思っています。

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石橋涼子 15年3月15日放送

150315-04
Dakiny
旅のはなし 星野佳路がすすめる旅

日本のある地方では、十五夜に綱引きをする。
ある地方では、ぜんざいを注文するとかき氷が出てくるし、
ある地方では、こどもたちが近所をねり歩いてお菓子をもらうのは
ハロウィンではなく七夕のイベントだ。

たとえ日本で暮らしていても、知らない日本はたくさんある。

星野リゾート社長の星野佳路(よしはる)は言う。

 日本の文化を知るには、
 旅をするのが最も味のある方法です。

ガイドブックと同じ景色を観るだけではつまらない。
からだ全部をつかって、旅しませんか。

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