薄組・薄景子

小野麻利江 13年6月30日放送



プレゼントのはなし 薩摩藩からの大硯

安政3年。徳川第13代将軍・家定のもとに
薩摩藩島津家から、篤姫が嫁いだ。

挙式の際、薩摩藩からの贈り物の中には
ひときわ目立つ大きな「硯(すずり)」が。
長さ1.5メートル、幅90センチで、重さは108キロ。
上甑島(かみこしきじま)で切り出された天然の硯石に彫刻し、
大人4人がかりで、江戸まで運んできたという。

なぜこのような硯を献上したか。
篤姫の養父、薩摩藩主・島津斉彬は、
こう語ったそうだ。

「婚礼の品に関しては、全国の大名が
 金銀珠玉をちりばめ華美を競っているが、
 どの品もそれほど大したものではない。
 そのように絢爛豪華ではないが、
 雅の心だけは非常に深く込められている
 この大硯を献上することは、
 後世まで一つの語り草になるのではないかと思う。」

何をどう贈るか。贈り物も、またひとつの政治。

topへ

1歳1カ月の育児の話し。

連日の熱帯夜。
着々と成長する1歳児。
当然ですが、日に日に寝相が悪くなります。

すーさんは未だおっぱいっ子ですので、
寝た直後は当然ですが母と平行です。
フォーメーションは「Ii」です。
寝がえりをくり返すうちにじわじわと
カタカナの「ト」になったかと思うと
「T」になったり「⊥」になったり。
(縦が私です念のため)

夜中にふと目覚めて隣を見ると、すーさんがいない!
え?!どういうこと?!
慌てて起き上がると枕の向こう側に転がっていたり。
足元に突っ伏していたり。
なぜそこに?という場所にいます。

ちなみにこの頃はベッドで川の字に寝ていたのですが、
柱の関係で、ベッドのあしもとと壁の間に
ちょっとだけ隙間がありました。
(図1)

ある蒸し暑い夜、いつも通り寝苦しそうに
ごろごろ、ごーろごろ、転がっていたすーさん。
勢いがついて、ごろごろごろごろっと一気にベッド上を転がり
すぽーん!
壁とベッドの間に見事にはまりました。
(図2)

はまった瞬間に目が覚めたようで、
一瞬きょとんとしてから号泣。
おかあさんもビックリしたよ。

ビックリしつつも、珍しいもの見れたー
というくらいの気持ちでいたのですが、
それからしばらく経ったある夜。

「ぴにゃーー」
すーさんの泣き声で目を覚ますと隣にいない。
今日はどこだ?
と見ると、なんと、またしても例の隙間です。
しかも。今度は頭からすっぽり。
犬神家!!
(図3)

おおっ!
これにはかなりビックリしました。
慌てて引っこ抜き、慌ててベッドを封印。
慌てて布団に切り替えました。

小さなお子さまがいるおうちには、
やっぱり布団が良いですね。
って、多くの人は痛い目を見る前に
気づいていると思うけど・・・

topへ

1歳0カ月の育児の話し。

とうとうすーさん1歳になりました。
おめでとうっ!!

一年前に生まれた3780グラムの美少年が、
今では10キロ超え!(相変わらずでぶ)
さらに5秒くらいなら自力で立てるまでになったのです。
感動…!!

(しかし、人間のこどもの成長って本当にのんびりしてますね。
 大抵の動物は産まれた日に立ち上がりますものね。。。)

ちなみに自立できるのは5秒が限界なのですが、
つかまり立ちはだいぶ安定しております。
すると、何が良いかって。
オムツの交換がラクになるんです!

ハイハイや寝がえりができるようになると
オムツ替えのときに「くるん」っと逃げるので大変。
ですが。
つかまり立ちができるようになると
ソファなどにつかまらせて
オムツをさっと履かせることができるのです。
とってもラクちんなのです。
わーい。

という具合に調子に乗って
本棚につかまり立ちをさせた日のこと。
脱がした瞬間、
「ちー・・・・」
出た。出たよ。
し、か、も。
TCC年鑑のコーナーだよ。
(定価20000円だよ)

しかし年鑑は高価なだけあって、
はっ水性も良いのです!
ふきふき。
ほらね!大丈夫!

ちょっと香る気もするけど・・・大丈夫!

というかこの育児日記、下の話題が多くてすみません。

topへ

石橋涼子 13年5月19日放送


きんちゃん
緑のはなし 室生犀星の感じた緑

新緑が芽吹き若葉の香り漂う五月は、生命力溢れる季節。
しかし一方で、五月病というものにかかる人もいる。

新しい季節が発するハツラツとしたエネルギーに、
すこし腰が引けてしまうのかもしれない。

そんなときは、室生犀星の
「五月」という詩を口ずさんでみよう。

 悲しめるもののために
 みどりかがやく
 くるしみ生きむとするもののために
 ああ みどりは輝く

緑の持つエネルギーは、きっと、あなたの糧になる。

topへ

石橋涼子 13年5月19日放送


かずっち
緑のはなし フォーチュンの求めた緑

19世紀イギリスは、大航海時代とともに
庭園ブームがピークを迎えていた。
プラントハンターと呼ばれる人々が
まだ見ぬ植物を求め、はるか極東へやってきた。

アジサイやツツジなど色鮮やかな花に加え
彼らが求めたのは、「緑」だ。
冬の寒さ厳しいイギリスでは
一年中緑を絶やさない常緑樹が好まれたのだ。

アオキの苗を求めて日本へ上陸したプラントハンター
ロバート・フォーチュンは、こんな感想を記した。

 いや、まったく、
 これらの島々は庭園の趣というより
 むしろ自然の庭園そのものであった。

彼らにとって日本は
黄金の国よりもはるかに魅力的な、緑の国だった。

topへ

熊埜御堂由香 13年5月19日放送


akio長野
緑のはなし 丸山健二の田舎暮らし論

今年70歳になる、作家丸山健二。
文壇とはかかわりを持たず、
「孤高の作家」と呼ばれることもある。

東京で一時、サラリーマンをしていたが、
芥川賞を受賞したのち、
25歳で長野県の郷里に移住。
自然の中で暮らしながら、小説を書き続けている。

近年、丸山は、団塊の世代が
退職後に田舎に移住する
「田舎暮らし」現象について
深く憂えるようになった。

都会からの移住者の求める自然が
牧歌的で、優しい、うわべのイメージだけで
捉えられているからだ。
そうやって移住を決めて
挫折したひとを丸山はたくさん見てきた。

丸山が、田舎暮らしについての
思いを綴ったエッセイには、
こんなタイトルがつけられている。

 『田舎暮らしに殺されない法』。

自然の手ごわさを知っているからこそ。
丸山健二が描きだす緑は
厳しく、力強く、そして美しい。

topへ

茂木彩海 13年5月19日放送


the BCth
緑のはなし 小林崇がつくる緑

一日に何十回と木に登り、
ロープに吊られた状態でノコギリを使う。
大工は大工でも、生きている木の中に、家をつくる。

ツリーハウスの第一人者。小林崇。

緑にやさしく包まれて、風を頬に感じながら
寝転がったら、どんなに気持ちがいいだろう。

その心地よさを彼はこんな風に語っている。

 生きている木のうえに
 肩車みたいに乗せてもらっている感じ
 乗せてもらって、
 そこから景色を見ているというのがいい。

topへ

茂木彩海 13年5月19日放送


Roger McLassus
緑のはなし 関野吉晴が見た緑

探検家、医師、美術大学教授。
3つの顔を持つ男、関野吉晴。

アフリカで生まれた700万年前の人類が
どのように世界へ広がっていったのか、
その道すじをたどる旅「グレート・ジャーニー」を
約10年もの歳月をかけて達成した。

その旅の途中、関野はある光景と出会う。

アラスカを先住民と犬ぞりで移動していた時、
真っ白な雪景色の中に、一点の緑が見えた。

近づいていくとどうやら1本の木であるらしい。

その木の目の前まで来たとき、先住民たちがみな
おもむろに犬ぞりから降り、その木に向かって拝みはじめた。

薪にすれば体を暖めてくれること。
食べるためのトナカイたちを育てくれること。
過酷な雪から身を守るための家が建つこと、
生きるためのすべての源がこの緑であることを感謝していたのだった。

関野は言う。

 今、地球上に存在するすべての生命が奇跡なんです。
 そして、それを感じることができるのは人間だけなんです。

緑を全身で感じる。
それだって立派な奇跡のような出来ごと。

topへ

小野麻利江 13年5月19日放送


m-louis
緑のはなし マーシャ・ブラウンが見た緑

 さわやかな みどりのはっぱのうえの
 ちいさなみどりの いもむし
 つめたいみどりのあしで
 はっぱのはじに ぶらさがる

アメリカの絵本作家 マーシャ・ブラウン。
道ばたに生える、なんでもない草の葉っぱですら。
彼女の目を通して見れば、
かけがえのない存在をいつくしむ
ひとかけらの、詩に変わる。

彼女は語る。

 みることのレンズは
 ちいさいものを おおきくみせる・・・

5月の新緑に、目をやる時。
あなたなら、そこに何を見つけるでしょうか。

topへ

薄景子 13年5月19日放送


4510waza
緑のはなし 新川和江

言の葉と書いて言葉。
新緑の季節、木々の葉たちは
みずみずしい言葉を舞い落とす。

詩人、新川和江は
そんな一枚の葉を
自分にたとえてこう詠う。

 誰のまねでもない
 葉脈の走らせ方を 刻みのいれ方を
 せいいっぱい緑をかがやかせて
 うつくしく散る法を
 名づけられた葉なのだから 考えなければならない

topへ


login