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中村直史 13年10月19日放送



おいしい料理をつくるひと

史上最高のフランス料理人
ともいわれるフェルナン・ボワン。

彼の料理は世界中で称賛されたが、
彼自身、世界を驚かせようとは思っていなかった。

地元の食材をつかって、地元の人々のために、おいしい料理をつくる。
地元が、自分を育ててくれたのだから、
自分が学んだことは地元にかえしたい。それだけ。

ボワンはこんな言葉を残していている。

 若者よ、故郷に帰れ。
その町の市場へ行き、その町の人のために料理を作りなさい。

ボワンにとっての恩返しは、料理だった。
あなたが故郷にできることは何ですか?

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中村直史 13年10月19日放送



おいしい料理をつくるひと

料理人は、料理のおいしさで、腕前をアピールする。

けれど、そのシェフにとって、
料理のおいしさでアピールしたいのは
その食材を生んだ土地や人。

上柿元勝(かみかきもと まさる)。
日本のフランス料理界を牽引してきたグラン・シェフ。

彼の料理から伝わるのは、食材のすばらしさ。
その食材を生みだした土地と人間のすばらしさ。
言ってみれば、この世界のすばらしさ、である。

そんな上柿本の口癖は、

 素材に感謝、自然に感謝、生産者に感謝、
 食材業者に感謝、お客様に感謝、スタッフに感謝。

世界に感謝して、料理は生まれる。

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五島のはなし(188)

「五島」と「僕」は一心同体だな、と思うのです。
ということは、五島の応援をすることは、自分の応援をするのと同じです。
あなたが五島を好きになるのは、あなたが僕を好きになると同じです。
五島、好きになってください。いいやつなんです、五島。

そんな五島のよさを感じられる場所ができました。
あの「金印」が置いてあることで有名な福岡市博物館のすぐ近く、
百地(ももち)にある「TNC会館」の1階で、いま「五島マルシェ」がやっています。

五島、とくに下五島の物産がならんでいます。
五島フリークである僕も「へーこんな商品あるんだー」っていうのがありました。
で、なんといってもですよ、
五島のなにがいいかと聞かれれば、●きれいな海 ●おいしい魚 ●野良猫 ●へんな人 ●路地
とキリがないんですが、やっぱり「人」なんじゃないかと思うわけです。
で、この五島マルシェにいる人たちも、五島出身であるなしに関わらず、気持ちいい人たちでした。

店長さん!なんや餅を手にしてのニッコリです!いい人やった!

福江島のおみやげ店「ごと」から来てるナガヤさん。
中学と高校が僕と同じでした。

行ってみて!五島マルシェ。
あ、それからついでに、もういっそのこと、五島にも行ってみて!
いま、夕日がキレイやけん、五島行ってみて!
んで、道ゆく人に声かけてみて!たいがい、いい人やけん!

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五島のはなし(187)

五島の高浜海水浴場は、いま、夕日が旬です。
雲が少なく、太陽はよい位置に落ちていきます。
見ている人を意識しているのか、ゆっくり落ちていきます。
ひっこんだあと、アンコール!っていうと、もう一回顔を出してくれることもあるらしいです。
上は昨日の写真です。
砂の色、波の模様、光の変化、こりゃあただごとじゃないぞ、と思った次第であります。
ぜひ、行くべきです。

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五島ンはなし(186)

お彼岸でした。墓参りしたほうがいいのかな、と五島へ。
いたるところに彼岸花です。
こんなに咲いてたっけ、昔から。というくらい咲いている。

うちの墓にも彼岸花が咲いています。
その彼岸花は、死んだばあちゃんが、生前植えたものらしい。
でもばあちゃん死んだの、もう20年以上前です。
彼岸花って、一度植えたらずっと咲きつづけるものなんですね。

だとしたら、みんな生きてるうちに、
「花文字」ができるように彼岸花を植えたらどうでしょう。
彼岸花って整然と植えれば、文字がつくれるはずです。
子孫や島の若人にどうしても残しておきたい一言を彼岸花で残しておく。
「きょうだいゲンカすんな!」とか、
「元気ですかー!」とか、
「気にすんな!」とか、
毎年お彼岸になると、お墓に咲き乱れた彼岸花がそれぞれメッセージになっている。
そんな五島、いいと思うけどなあ。

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五島のはなし(184)

ずいぶん書いてませんでした。
いろんな事が急激に変化する時代ですから、五島にもいろんな変化がありました。
その代表格が、五島のジャニスがカフェをオープンさせたことです。

五島のジャニス、っていうのは、ずいぶん前にこの五島のはなしで書いた
ぼくの同級生です。ソウルフルでパッションのこもった発言をするので
五島のジャニス、と勝手に呼んでいます。彼女が五島にあたらしくカフェをオープンさせた、
しかも名前は「たゆたう」だと聞いて、そりゃもう、ヒッピームーブメントやな、
ドアを開けたら五島のジミヘンとか五島のジムモリソンが集ってるんやろうな、
と想像しながら、おそるおそる行ってみたら、、、

きれいで、おしゃれなカフェでした。

清潔な店内で、気分がいいです。
店主である五島のジャニスも、もうなんだか、ジャニスじゃないです。
白いシャツに身を包み、さっそうと店内を歩いています。
さわやかな風が吹いています。五島のカーペンターズです。

みたいな感想をのべつつ、店主と久しぶりに話してみたら、
話す言葉はやっぱりソウルフルでパッショネイトでした。
店はさわやか、話せばジャニスです。

五島市のフェリー乗り場から近く、すぐ前には五島市の歴史資料館もあります。
店内には、五島市のキャラクター「つばきねこ」のぬいぐるみも売ってました。
あんまりかわいかったので、思わず一匹連れて帰りました。

五島のジャニスがやってる、ナイスなカフェ。たゆたう。
五島にお立ち寄りの際は、あなたも、たゆたいませんか。というか、たゆたうべきです。

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中村直史 13年9月8日放送



変えようとする人たち 山口絵里子

「社会起業家」という言葉がある。
社会が抱える問題を、事業を通じて解決していく人。
そういう意味だ。

日本人の社会起業家として、よく取り上げられている人物に
「マザーハウス」代表の山口絵里子さんがいる。

アジアの中で最も貧しいとされるバングラデシュの
貧困問題をなんとかしたいと、現地にバッグのブランドを立ち上げた。

バングラデシュの人々が、バングラデシュの生地でつくりあげ、
世界中に販売し、外貨を得る。
社会を良くすることと、ファッションのもつ「かわいい」という
気持ちを両立することを目指す。

そんな山口さんは、自分が「社会起業家」と呼ばれることに
大きな違和感を感じている。

 なぜ「社会」と付けなければならないのかが、分からないんです。
企業は社会のためにあるべきだし、そうじゃない企業はマーケットの中で、
生き残るのが難しくなっていくと思います。

どんな会社だって、社会に役立つためにある。
そう考えると、だれもが社会起業家なのですね。

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中村直史 13年9月8日放送


kimama_labo
変えようとする人たち 杤迫篤昌

アメリカの移民をとりまく現状を変えたい。
杤迫篤昌(とちさこあつまさ)さんの切実さの裏には、苦い思い出があった。

若いころ、メキシコの友人宅に食事に招かれた。
帰り際、その家の子どもがいった。
「つぎはいつくるの?来てくれたおかげで、半年ぶりのお肉が食べられたから」
杤迫さんは答えた。
「あれ、肉なんかあったっけ?」
スープに浮かんだ小さな肉のかけらに気づいていなかった。

たったそれだけのやりとりが、何十年も気になっていた。

50歳で、長く勤めた銀行を退職。
「マイクロファイナンス・インターナショナル」をたちあげた。
アメリカの移民労働者が、
格安の手数料で本国へ送金できるようにした、
はじめての金融会社だった。

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中村直史 13年9月8日放送


Enid Yu
変えようとする人たち 山本繁

ニートや引きこもりの若者の役に立ちたい。
山本繁さんは、そんな思いから、次々とプロジェクトを立ち上げた。

漫画家志望の若者に格安の住居を提供したり、
「オールニートニッポン」というラジオ局で、
メッセージを発信したり。

活動を続けるうち、
ニートや引きこもりになるのを「防ぐ」ことが大切だと気がついた。
そこで「日本中退予防研究所」を設立。
大学や専門学校とタッグを組み、
日本の中退者の数を半減させようと奮闘している。

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中村直史 13年9月8日放送


m.joedicke
変えようとする人たち 工藤啓

やる気がない。働く気がない。
だから、ニートや引きこもりになる・・・
それは違う、と工藤啓(くどう・けい)さんは考えた。

人間関係に自信がない。働くための技術がない。
理由は、たぶん、ひとりひとり違う。
けれど、働きたくないわけじゃない。
社会への一歩を踏み出すための場所やきっかけがあれば、
きっと何かが変わるはず。

そんな思いから工藤さんが始めたのが、NPO法人「育て上げネット」。

いろんな「働く」を体験する、「ジョブトレ」をはじめ、
引きこもりの方の家族を支援するプログラムまで。
悩む若者たちが、どうやれば社会人とし自立していけるか
具体的なプログラムが、きめ細やかに用意されている。

「やりたいこと」を仕事にして、自己実現をしなければならない。
そんな風潮が嫌です。仕事してみたら、案外楽しかった。
そのくらいでいいと思うんです。

まずはやってみる。
その「まずは」という、なにげに大きな壁を、
工藤さんたちは壊そうとしている。

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