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蛭田瑞穂 20年4月12日放送


パンの話 サンドイッチの定義

2006年、マサチューセッツ州のショッピングモールに
パネラ・ブレッドというベーカリーが出店した。

その際ベーカリーはサンドイッチの独占販売契約を結んだが、
ブリトーを販売するメキシコ料理店の出店が浮上する。

ブリトーはサンドイッチに当たるとして、
ベーカリーはショッピングモールを提訴した。

裁判で判事は「争点はパンの枚数」であるとし、こう述べた。

 1枚のトルティーヤで具材を包むブリトーは
 サンドイッチには入らない。



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蛭田瑞穂 20年4月12日放送

Herman Saksono
パンの話 ささやかだけれど、役に立つこと

アメリカの作家レイモンド・カーヴァーの作品に
『ささやかだけれど、役に立つこと』という短編小説がある。

作中、不慮の事故により悲しみを負った夫婦に、
パン屋の主人がこう語りかける。

 何か召し上がらなくちゃいけませんよ。
 よかったら、あたしが焼いた温かいロールパンを食べてください。
 ちゃんと食べてがんばって生きていかなきゃならんのだから。
 こんなときには、ものを食べることです。
 それはささやかなことですが、助けになります。

どんな時も、食べることは希望になる。


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蛭田瑞穂 20年3月8日放送

RhianonB
彼女に感謝 キャロル・ディシンガー

先月ロサンゼルスで行われたアカデミー賞の授賞式。

短編ドキュメンタリー賞を受賞したのは
『Learning to Skateboard in a Warzone (If You’re a Girl)』の監督
キャロル・ディシンガー。
この映画はアフガニスタンで少女たちに読み書きとスケートボードを教える
非営利団体「Skateistan」を追った映画。

オスカーを手にした監督は受賞のスピーチでこう語った。

私は2005年からアフガニスタンで働いています。
この映画はあの国の勇敢な少女たちへのラブレターなのです。

今日は国際女性デー。


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蛭田瑞穂 20年3月8日放送

Andy Newcombe
彼女に感謝 ヒルドゥル・グーナドッティル

先月ロサンゼルスで行われたアカデミー賞の授賞式。

作曲賞を受賞したのは『ジョーカー』の音楽を手がけた、
アイスランドの女性作曲家ヒルドゥル・グーナドッティル。
女性としての受賞は史上初めてだった。

受賞のスピーチを彼女はこう結んだ。

 女の子たち、女性たち、お母さんたち、娘たち。
 体の中に湧き上がる音楽を聴くみなさん。
 どうぞ声を出してください。
 あなたたちの内なる声を私たちは聴く必要があるのです。


今日は国際女性デー。


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蛭田瑞穂 20年2月9日放送

Ben Chen Photography
肉  A5ランク

高級牛肉の代名詞ともいえるA5ランクの牛肉。
ところで、A5とは何を指すのだろうか。

最初のアルファベットは「歩留まり等級」のこと。
食べられる部分の多さを示し、AからCの3ランクに分けられる。

次の数字は「肉質等級」。
これは霜降りの度合いや肉の色艶などの牛肉の見た目の基準で、
1から5の5ランクに分けられる。

そもそもこの等級分けは牛肉を市場で取り引きするためのもの。
牛肉のおいしさについての絶対的な基準ではない。

霜降りを好む人もいれば、赤みを好む人もいる。
好みは人それぞれ、ということ。


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蛭田瑞穂 20年2月9日放送


肉  シャトーブリアン

牛肉のシャトーブリアン。
ヒレ中央の肉質のよい部分の肉で
牛一頭から500グラム程度しか取れない希少な肉。
ところで、なぜこのような名称なのだろうか。

話は18世紀にさかのぼる。
フランスにフランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアンという作家がいた。
初期ロマン主義を代表する作家で、政治家としても活躍した。

彼が考案したのがシャトーブリアンのみをつかったステーキ。
好んで食したことからその部位を
シャトーブリアンと呼ぶようになったという。

肉と文学の意外な関係がそこにある。


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蛭田瑞穂 20年1月12日放送

Okinawa Soba (Rob)
和服  フライトアテンダントの着物

着物を着たフライトアテンダントがかつて存在していた。

1954年、日本航空が初の国際線となるサンフランシスコ便を就航させる。
その便ではファーストクラスを担当するフライトアテンダントは
機内で制服から着物に着替え、旅客をもてなした。

元旦のフライトではエコノミークラスにも足を運び、
お屠蘇を振る舞うサービスもおこなわれたという。

着物のフライトアテンダントはジャンボジェットの時代に至るまで
30年以上に渡って続けられたが、1990年に惜しまれつつ終了した。


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蛭田瑞穂 20年1月12日放送

時事通信社
和服  大発会の着物

東京証券取引所の年始最初の取引日を大発会と呼ぶ。

昭和の時代、大発会の日は、女性社員は晴れ着で出社し、
着物姿で伝票の仕分けなどをしていた。

人の手からコンピュータシステムに変わった今も
晴れ着を着る風習は続いている。

大発会には晴れ着を着た証券会社の女性社員が並び、
新年にふさわしい華やかさを添える。


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蛭田瑞穂 19年12月8日放送


こわい 幽霊塔

イギリス生まれの作家、アリス・マリエル・ウィリアムソンが
1898年に発表した小説『灰色の女』は
時計塔のある古い屋敷を舞台にしたミステリー。

これを明治の作家、黒岩涙香が『幽霊塔』という題名に変えて翻案した。

のちに江戸川乱歩が『幽霊塔』に独自のアレンジを加えて翻案、
さらに子ども向けには『時計塔の秘密』という作品に仕立てた。

『灰色の女』の流れを汲む作品はまだある。
『ルパン三世カリオストロの城』に登場する時計塔は
江戸川乱歩の『幽霊塔』に触発されたものだと宮崎駿は言う。



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蛭田瑞穂 19年12月8日放送


こわい 幽霊

江戸川乱歩の初期の作品に『幽霊』という短編がある。

富豪の男と彼に恨みを持つ老人。
ある日、富豪は老人が死んだという知らせを聞く。
ところが葬式から四日目の朝、
死んだはずの老人から手紙が届く。
怨霊になって祟ってやるという内容だった。

その後も富豪のまわりには
幽霊の仕業としか考えられない事件が立て続けに起こる。
幽霊は存在するのか、それとも周到に仕組まれた復讐なのか。

若き日の名探偵明智小五郎が事件の謎に迫る。



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