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蛭田瑞穂 19年5月12日放送


風 風の強さ

気象庁が定める「天気予報等で用いる用語」の中には
「風の強さに関する用語」がある。

それによると、風の強さの表現は
「やや強い風」「強い風」「非常に強い風」と強くなり、
もっとも強い風が「猛烈な風」と呼ばれる。

逆にもっとも風が弱い状態は「静音」という。
風力が秒速0.3メートル未満の風で、
天気予報では「風が穏やか」などと表現される。

風薫る5月。
穏やかな風の心地よさを肌で感じたい。


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蛭田瑞穂 19年5月12日放送

星船
風 春の風

春はいつ終わり、夏はいつ始まるのだろう。

気象庁の「季節を表わす用語」では、
春は「3月から5月までの期間」、
夏は「6月から8月までの期間」となっている。

それに従えば、春はあと3週間ばかり。

風薫る5月。
その風は春に別れを告げる風でもある。


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蛭田瑞穂 19年4月14日放送

Photo by Alex Hockett on Unsplash
生まれるとき モロー反射

大きな音がしたり、体が傾いたり、
外から刺激が与えられると、赤ちゃんは体をビクッとさせ、
万歳をするように両手を広げることがある。

この動きは「モロー反射」と呼ばれる。
オーストリアの小児科医エルンスト・モローが発見した。

モロー反射は危険を感じた赤ちゃんが
とっさに母親に抱きつこうとする動作とも言われる。

しゃべることも、ひとりで食べることもできない赤ちゃんだが、
小さな体で必死に生きようとしている。


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蛭田瑞穂 19年4月14日放送

Amy Nguyen Photography
生まれるとき 把握反射

生まれたばかりの赤ちゃんの手のひらを指で押すと、
その指を赤ちゃんが握りしめることがある。

この動作は「把握反射」と呼ばれる、
新生児に備わる原始反射のひとつ。

新生児は親に感情を伝えることができない。
しかし、原始反射という無意識の動作によって、
親と子の間に強い結びつきが生まれると考えられている。

把握反射は通常、生後5ヶ月から6ヶ月で消えていく。
赤ちゃんらしいその動きがなくなるのは寂しくもあるが、
成長のたしかな証でもある。


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蛭田瑞穂 19年3月10日放送


吉村昭と東京大空襲

作家吉村昭は昭和2年荒川区東日暮里に生まれた。
18歳で終戦を迎えた吉村は
青春時代を東京という街で戦争とともに生きた。

太平洋戦争の末期、度重なる空襲にさらされるうちに
吉村の胸には奇妙な願いがきざした。
それは一日も早く家が空襲で焼けて欲しいというものだった。

東京から逃げ出し、他の地へ移りたい。
そのためには、家が焼ける以外方法がなかった。

青年の心に生まれた倒錯した感情が戦争の悲痛さを物語る。
今日3月10日は、74年前に東京大空襲があった日。


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蛭田瑞穂 19年3月10日放送


山田風太郎と東京大空襲

小説『南総里見八犬伝』の作者として知られる山田風太郎。
医学部の学生だった山田は昭和20年1月1日から12月31日までを日記に綴り、
のちにそれを『戦中派不戦日記』として発表した。

3月10日の空襲のあと、山田は荒涼たる東京の景色を目にする。
そして、こう綴る。

 鳥も鳴かない。青い草も見えない。
 ただ、舗道のそばに掘り返された防空壕の土に、砂塵がかろく立ち迷い、
 冷たい早春の光が虚無的な白さで満ちているばかりである。


今日3月10日は、74年前に東京大空襲があった日。


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蛭田瑞穂 19年2月17日放送


スープ オニオンスープ

ニューヨークの55丁目に、
「LA BONNE SOUPE」というフレンチビストロがある。

看板メニューは「オニオンスープ」。
焦げ目のついたグリュイエールチーズがカップをフタのように覆う。
スプーンで割って、スープをすくうと、
タマネギとフレンチバゲット、トロトロに溶けたチーズが糸を引く。
少し冷まして口に運ぶと、濃厚でコクのあるスープがたまらなくおいしい。

「LA BONNE SOUPE」とはフランス語で「おいしいスープ」。
そして「良い人生」という意味もあるという。

おいしいスープのある人生はたしかに、良い人生に違いない。


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蛭田瑞穂 19年2月17日放送


スープ ボーン・ブロス

ニューヨーク、イーストビレッジの一角に「brodo(ブロド)」という
テイクアウト専門の小さなスープスタンドがある。

この店のスープはすべてボーン・ブロスと呼ばれる骨の出し汁。
鶏ガラや牛骨からとられたスープは
さらりとして飲みやすく、お腹にも重くない。
それが紙のコーヒーカップで提供される。

この2月にマイナス16度を記録したニューヨーク。
街を歩きながら飲むスープが冬のニューヨークを少しだけ暖かくしてくれる。


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蛭田瑞穂 19年1月13日放送

190113-03 HAMACHI!
酒の肴 乙な味

「乙な味」という表現は、日本の伝統的な和楽に由来するといわれる。

和楽では高い音域の音を「甲」と書いて「かん」と呼び、
低い音域の音を「乙」と呼んだ。

一段低くしんみりとした乙の音。
そこから趣のある状態を「乙な」と表現するようになったという。

乙な味と聞いて思い浮かべるのは、カラスミやくさやなどの酒の肴。
珍味ともいわれ、好みが分かれるが、
酒飲みにとってはたまらなく「乙」なのだろう。


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蛭田瑞穂 19年1月13日放送

190113-04 The Travelling Bum
酒の肴 タパス

酒をメインにさまざまな種類の小料理を提供する日本の居酒屋。
居酒屋のような業態の飲食店は世界的に見ても珍しいと言われる。

唯一の例外ともいえるのがスペインのBAR(バル)。
バルではワインを片手に、タパスと呼ばれる小皿料理をつまむ。

アンチョビのオリーブオイル漬け、イベリコ豚の生ハム、
エビのフリッター、チョリソのワイン煮込み、スパニッシュオムレツ。

洋の東西を問わず、酒のうまさを知る人は料理のうまさも知っている。


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