保持壮太郎 09年10月31日放送

1030_1

河井寛次郎

河井寛次郎は
仕事に生きた人だった。


 暮らしは仕事。仕事は暮らし。

そう言いながら彼は
日々土をこね
木を削り
真鍮を磨き
あるいは筆をとり
そして
たくさんの作品をのこした。

ワークライフバランスなんて
言葉を握り締めて
月曜日の憂鬱と
金曜日の恍惚を
繰り返しながら生きる
僕たちに向けて、彼は言う。

 新しい自分が見たいのだ。
 ―――――――仕事する。

1030_2

カイル・マクドナルド

わらしべ長者は、
本当に可能か。
という問いには
すでに答えが出ている。

米国モントリオールに暮らす
カイル・マクドナルド。

彼はたった1個のペーパークリップから
14回の物々交換をへて
2階建ての一軒家を手いれた。

ペーパークリップなら
あなたのデスクにも
山ほどあるだろう。
可能性とはつまり
そういった類のもので。

さっそく明日から
億万長者を
めざしてみるのも悪くない。

1030_3

甲本ヒロト

はじめてパンクロックを
聞いたのは
14歳のときだった。
そのときの感想を
甲本ヒロトはこう語る。


 こんなの新しくもなんともねえ。

やがて彼は、
マイクを握り
ステージに立った。


 ♪
 僕が言ってやる
 でっかい声で言ってやる
 ガンバレって言ってやる
 聞こえるかい ガンバレ!

とてつもなく
新しいパンクが、
そこにはあった。

1030_4

タヴィ・ジェヴィンソン

ファッションウィークの
見ものはランウェイの
上だけではない。
フロントロウに陣取る
セレブリティの顔ぶれにも
毎年注目があつまる。

2009年
マークジェイコブスのコレクションで
フロントロウに腰をおろしたのは
まだ13歳のタヴィ・ジェヴィンソン。

彼女は、
女優でも、歌手でも、
スポーツ選手でもない。

ただ、数年前に彼女が始めた
ファッションブログが評判を呼び
フロントロウへと招かれた。

VOGUEの名物編集長
アナ・ウインターの横に座る
13歳のブロガー。

その鮮やかすぎるコントラストは、
ことしのコレクションの
一番のニュースとなった。

ハイ・ファッションとメディア。

寄り添いながら歩んできた
二つの権威は、今、変わりつつある。

1030_5

カール・ユング

僕らは
完璧な人間ではないから
たくさんの
コンプレックスと共に
生きていくことになる。

たとえば
完璧な人間がいたとしても
彼は彼で、
完璧であるという
コンプレックスを抱えている。

つまり僕らはもう
カール・ユングという人の言葉を
信じて生きるしかない。


 コンプレックス
 それは偉大な努力を刺激するものであり、
 そしてたぶん、新しい仕事を遂行する
 可能性の糸口でもあるのだ。


1030_6

ウォーレン・バフェット

世界で
もっとも成功した
投資家のひとり、
ウォーレン・バフェット。

彼を
世界一の金持ちへと導いた
投資のルールは
驚くほどにシンプルだ。


 ルール1:絶対に損をするな。
 ルール2:絶対にルール1を忘れるな。

簡単なルールほど実践するのはむずかしい。

1030_7

宮本茂

かつて
ポール・マッカートニーが
来日したとき。
まっさきにディナーに誘い
サインをねだった
一人のサラリーマンがいる。

宮本茂。

ドンキーコング
スーパーマリオブラザーズ
ゼルダの伝説
これらは
彼の仕事の
ほんの一部だ。

宮本は言う。


 アイデアとは、複数の問題を一気に解決するものだ。

最近彼が手がけた
Wii Fitというツールは、
体重計に乗ることを
ゲームにした。

なるほど
彼のアイデアは
わたしたちの健康問題まで
解決してくれている。

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