厚焼玉子 11年10月23日放送


CMの音楽 1 剣と女王(サントリーローヤル「ランボオ」)

マーク・ゴルデンバーグのソロアルバム
「鞄を持った男」の8曲めを聴くと
なつかしいメロディが流れてくる。

1980年代にテレビを見ていた人なら知らないはずのないこの曲
「剣と女王」は
日本のウイスキーのテレビコマーシャルのバックに流れ
そのコマーシャルとともに一躍有名になった。

サーカスのジンタのようでもある。
ジプシーのダンスのようにも聞こえる。
強いて言うならば
ヨーロッパの湿った風土、
陽の当たらない土地の悲しみのようなものが
匂い立つ曲だ。

作者のゴールデンバーグは
この曲がおさめられているソロアルバム「鞄を持った男」を
作曲から演奏までひとりで制作したという。


「剣と女王」を使ったサントリーローヤルのCM




CMの音楽 2 夢街道(サントリーオールド「夢街道」)

日中平和友好条約が結ばれた1978年から
中国ブームがはじまった。

そこには見たことのない形をした山や川や砂漠と一緒に
日本が失ってしまったふるさとの風景があった。

1980年、あるウイスキーのコマーシャルで
中国のシリーズがはじまった。
シルクロードを夢街道と名付けたシリーズ。
そのテレビコマーシャルの音楽をつくったのが
服部克久だった。

赤い砂煙の町、ロバに乗る老人…
人々はテレビに写る初めての風景を目に焼き付け
流れる音楽を記憶に留めた。

あのコマーシャルの音楽は
日本人が思い描く中国そのものだった。


サントリーオールドの「夢街道」




CMの音楽 3 Boom(九州新幹線)

2011年3月9日、コマーシャルが放送開始。
そして3月11日、東北大震災

わずか3日の放送で自粛してしまったそのテレビコマーシャルは
大反響を呼んだ。
線路沿いに集まった人々が手を振っているだけなのに
どうしてこんなにうれしくなるんだろう。
こんなに泣けてくるんだろう。

わかるような気がする。
大勢が同じ喜びを共有している様子を見ることが
うれしいのだ。
そして、その雰囲気を盛り上げている音楽があるのだ。

コマーシャルは自粛しても
youtubeにアップされた動画のアクセスは増え続けた。
コマーシャルに使われた音楽も話題になり
問い合わせが殺到した。
その音楽は、マイヤ・ヒラサワの「Boom!」

そのとき
コマーシャルに使われた音楽はまだCDになっておらず
ファンをやきもきさせたが
5月18日の発売され
5月30日付けのBillboard JAPAN「Hot Top Airplay」で
早くも第一位になっている。
待ち望んでいたファンの気持が手に取るようにわかる。

Boom!


九州新幹線の開業CM





CMの音楽 4 ロミオとジュリエット(ソフトバンクモバイル)

テレビドラマ、フィギュアスケート
そしてあるCMでもさまざまに編曲して使われてから
一躍有名になったこの曲。

メロディはおなじみでも正式なタイトルをご存じないかたが
多いのではないかと思う。
バレエ「ロミオのジュリエット」の13曲め、
第一幕4場で流れるこの曲は「騎士たちの踊り」というタイトルがついており
その名の通り、舞踏会に集った騎士と貴婦人が
威圧的なダンスを繰り広げるシーンに使われる。

予想外でしたか?


ソフトバンク「予想GUY」




CMの音楽 5 ジタンの香り(ダーバン)

そのブランドの顔は全盛期のアラン・ドロンだった。
トップスターの日常を切り取るようなテレビコマーシャルを
長年にわたって展開していた。

美しい映像だった。
あるときはヨーロッパのセレブの世界を
そしてあるときは男同士の友情を
そして孤独な男のドラマを
映画のワンシーンのように見せてくれた。

そのコマーシャルを支えた音楽があった。
あの曲はきっとなにかの映画音楽に違いないと思った人も
当時は多かったが
実は日本の作曲家であり、なおかつ作詞家、タレント、歌手など
たくさんの顔を持つ小林亜星その人だった。

この曲は1977年の曲で
「ジタンの香り」と名付けられている。


ダーバンCM




CMの音楽 6  結詞(JR東日本「その先の日本へ」)

山形新幹線が開業した1992年、
そのコマーシャルの映像に乗って
テレビからはこの歌が流れてきた。

作詞作曲、井上陽水。「結詞(むすびことば)」

そのCMのためにつくった歌ではなかったが
あまりに映像のイメージに合っていたために
コマーシャルソングと思った人も多い。
それはたぶん
井上陽水が60秒のコマーシャルのサイズに合わせて
結詞を録音し直しているからだ。

おかげでこの歌は
60秒のCMにピッタリはまり、気持ちよく終る。


JR東日本「山形駅長」CM




CMの音楽 7 約束の地(資生堂 ’77年秋のキャンペーン)

コマーシャルがきっかけで
人気のでる曲やミュージシャンは多い。

1977年、化粧品会社の秋のキャンペーンに使われたこの曲は
リー・オスカーというデンマーク生まれのハーモニカ奏者のアルバムが
日本でヒットするきっかけをつくった。

リー・オスカーは、少年のころ
ハーモニカひとつをポケットに入れてアメリカに渡った。
そのときの高揚した気分から生まれたこの曲のタイトル「約束の地」と
コマーシャルのキャッチフレーズ「うれしくてバラ色」という
言葉と言葉がなんとなく結びつくのが面白い。


資生堂77年秋のキャンペーン





CMの音楽 8 cocoroni utao(ユナイテッドアローズ)

あるコマーシャルのバックに流れるこの曲が話題を呼んだのは
1998年のことだった。
CMソング?それともタイアップ曲?
タイアップ曲ならCDが発売されているはずだ。
でもCDはどこにもなかった。

この曲のCDがようやく発売されたのは2005年。
「ナカガワトシオ ソングブック」というそのCDには
中川俊郎のCMソングが14曲収録されており
知らずに聴いた人は、
耳慣れたCMソングのあれもこれも同じ人がつくったことを知って
ずいぶん驚いたものだった。

「cocoroni utao」というこの曲のタイトルは
アルファベットの小文字で記されており
はじまりはKではなくCだ。

シーオーシーオーアールオーの「こころ」は
見た目がそれはかわいらしく
はずむような、踊るようなオタマジャクシにも見える。

CMソングの天才中川俊郎は
さすがに人の笑顔を引き出すコツを知っている。


ユナイテッドアローズCM 「cocoroni utao」

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