小野麻利江 12年3月18日放送


Ted Abbott
動物と人 チンパンジーとジェーン・グドール

1960年。26歳のジェーン・グドールは、
類人猿のフィールド調査のため、
タンザニア・ゴンベのジャングルで、
野生のチンパンジーの群れの中に入り
共同生活をはじめた。

徐々に群れのそばまで近づけるようになり、
一頭一頭の顔と特長をつかんだジェーンは、
彼らに名前をつけていく。

だがそれは、当時の動物行動学の世界では、
厳しく禁じられていた。
「個性」や「感情」は人間特有のものと考えられ、
調査対象は客観的に、「番号」で呼ばれていた。

しかし、学位も経験も持たないジェーンは
そんなルールにとらわれなかった。

わたしは子どものころから動物に名前をつけ、
名前で呼んできた。

動物について多くを学んだのは大学ではなく、
犬のラスティをはじめ、代々飼っていた猫たちや
モルモット、ゴールデンハムスターたちからだった。

その後ジェーンは、一匹のチンパンジーが
小枝をつかってシロアリを釣りあげる様子を目撃。
「チンパンジーも道具を使いこなす」という発見は、
ヒトとチンパンジーの境界線にまつわる
通説を、くつがえした。

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