2012 年 4 月 21 日 のアーカイブ

4月22日25時、東京タワーから送信する最後の番組Vision



写真はVisionの番組を放送しているJ-waveの窓から見た
東京タワーです。
1988年、J-waveはここから電波を発信しはじめました。
VisionはそのJ-waveの開局以来の番組です。

私たちのチームがVisionを担当したのは2009年からです。
もう3年、東京タワーにお世話になっているわけです。

今週の日曜の25時、日付けが変わっていますから
正式には2012年4月23日のAM1時(と、思いますが)
東京タワーから発信する最後の番組がVisionになりました。
そしてAM5時からは東京スカイツリーからの放送がスタートです。

東京タワーからの最後の放送とその電波が途切れる瞬間、
さらに東京スカイツリーから送信される番組が始まる瞬間を録音すべく
待機しているマニアのかたがたもおいでのようです。

チームVisionの皆さま
日曜の深夜、東京タワーから送信される最後の番組Visionを
お聴きになりませんか(玉子)

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蛭田瑞穂 12年4月21日放送


向田邦子のレシピ①

向田邦子は料理が好きだった。
「本当は板前さんになりたかった」と言う程の料理好きで、
執筆中気がつくと原稿用紙にお品書きを書いていることもあった。

「イワシの梅煮」
イワシは幅3センチぐらいの筒切りにする。
出し汁、酒、みりん、醤油を鍋で煮たてた後、
イワシとほぐした梅干しを入れる。
中火で10分煮たら、そのまま冷まして味をしみ込ませ、
器に盛ったらできあがり。


料理をつくっては人を招いた向田邦子。
その料理には温かなもてなしのこころが隠れている。




向田邦子のレシピ②

向田邦子は食べ歩くのが好きだった。
おいしい店を見つけると、その店の味を熱心に真似た。

自分の味にすると、次は独自のアレンジを加えた。
材料がなければ別のもので代用した。
意外な食材が組み合わさることで予想外のおいしさが生まれた。

「白身魚のマヨネーズ焼き」
塩コショウを振った白身魚をバターで焼き、火を通す。
シソの葉と玉ネギをみじん切りし、
あら切りしたリンゴと一緒にマヨネーズであえる。
白身魚にマヨネーズソースを塗って、オーブンで焼いてできあがり。


向田のつくる「白身魚のマヨネーズ焼き」も
グラタンをつくり変えたオリジナルレシピである。






向田邦子のレシピ③

向田邦子は海苔弁当が好きだった。
海外旅行から帰ってくると、
まっ先に食べたくなるのは決まって海苔弁当だった。

火鉢でぱりっと炙った海苔。
削るとぷうんと匂い立つかつお節。
薪でふっくら炊き上げた白いご飯。

良い材料を吟味してつくる海苔弁当は、
ほんとうのおいしさを知る、大人の贅沢な料理。

「向田流海苔弁当」
炊きたてのご飯を弁当箱の1/3ほどに詰める。
その上に醤油をまぶしたかつお節を敷き、
八つ切りした海苔をのせる。
それを3段重ね、最後に薄くご飯をのせる。
ふたをして5分ほど蒸らしてできあがり。


「最後の晩餐」に何を食べるかという友人たちとのおしゃべりで、
必ず話題にのぼったのも、ご飯と海苔とかつお節だったという。




向田邦子のレシピ④

向田邦子はスープが好きだった。
両腕を広げたほどもある大きな寸胴鍋を使って、
スープをコトコト煮込んでいた。

「ジャガ芋スープ」
ジャガ芋、ニンジン、玉ネギ、セロリをスープ鍋の中にすりおろす。
水、ローリエ、塩、ブイヨンを入れ、弱火で20分煮込む。
器に盛ったら、細かく切ったハムとパセリを散らし、
バターを落としてできあがり。


友人が病気と聞けば、小さな鍋で届けた向田邦子。
彼女のつくるスープはやさしい味がしたに違いない。




向田邦子のレシピ⑤

向田邦子は鶏肉が好きだった。
とくに鶏の酒蒸しはよくつくった。

どんな食材とも相性が良いため、鶏肉を好む料理人は多い。
ただ向田の場合、飼っていた猫の好物が鶏肉だったことも
多少の関係があるのかもしれない。
猫に買うついでに、もうちょっとという具合に。

「蒸し鶏とトマトの中華風」
胸肉に薄く塩を振り、酒を振りかけて蒸す。
冷めたら細く裂き、千切りのキュウリと混ぜたら
やや厚めのトマトの輪切りに乗せる。
出し汁、みりん、醤油でつくったつゆに酢とごま油を合わせ、
上からかけてできあがり。


向田邦子が溺愛した猫の名はマミオ。
向田がバンコクでひと目惚れし、帰国後飼い主に手紙を送り、
譲ってもらったというエピソードがある。




向田邦子のレシピ⑥

向田邦子は倹約が好きだった。
余った食材は捨てずに取っておき、次の料理に使いまわした。

食べものをたいせつにするというのは向田家の躾で、
小皿に残った醤油さえ、捨てるとずいぶん叱られたという。

梅干しの赤ジソやかつお節削りに残ったかつおの粉。
そんな食材とも呼べないような残りものを使って、器用に料理をこしらえた。

「梅ジソとかつお節の箸休め」
さっと水洗いした梅ジソをきつく絞って細かく刻む。
刻んだシソの葉にかつお節をまぶす。
最後に醤油で味を調えてできあがり。


食材を無駄にしない。それも料理の腕のひとつ。




向田邦子のレシピ⑦

向田邦子は旬の野菜が好きだった。
春、みずみずしい根三つ葉が青果店に並ぶと、
向田はうきうきしながらそれを買った。

「三つ葉のきんぴら」
三つ葉をざく切りし、サラダ油を熱したフライパンで炒める。
余計な水分を捨て、醤油をまわし入れて味をつける。
仕上げにゴマ油をたらし、器に盛る。
最後に白ゴマをかけてできあがり。


向田邦子の台所にはいつも旬の香りが溢れていた。




向田邦子のレシピ⑧

向田邦子は味つけご飯が好きだった。
とりわけ好んだのは小料理屋を営む妹がつくるニンジンご飯。
ニンジンと油揚げをたっぷり炊き込むニンジンご飯を
「食べ過ぎると眠くなっていけない」と言いながらおかわりしていた。

向田自身がよくつくったのはシソの葉を混ぜ込む青ジソごはんや
山ほどクレソンを入れた炒飯だった。

「クレソン炒飯」
冷やご飯をバターで炒め、パラパラになったら
塩、コショウ、酒で味を調える。
細かく刻んだクレソンを加えてひと混ぜして
お好みで醤油をたらしてできあがり。


一種類の具のみをつかって、おいしい料理をつくる。
その潔さがなんとも向田邦子らしい。

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