2014 年 4 月 26 日 のアーカイブ

2014年のTCC賞はこれ(作品も見られます)

TCCグランプリ

澤本嘉光
「バカは強いですよ、お利口さんより、ずっと。」
(ソフトバンクモバイル/TVCM)

TCC賞

中治信博/古川雅之
「♪~彼女が黄ばんだ便器にサンポールで書いた『サヨナラ』の文字は白かった。」
(大日本除虫菊「サンポール」/WebMovie)

福里真一
「この惑星には、愛されるという勝ち方もある。」
(サントリーホールディングス「BOSS」/TVCM)

多田琢
「俺は家では野党だ。」
(大和ハウス工業/TVCM)

多田琢
「お前の夢は金で買えるのか。」
(LOTO7/TVCM)

小山佳奈
「女子やない。女や。」
(エイベックス・エンタテインメント「dビデオ」/TVCM)

Caleb Jensen/久山弘史/Andrew Miller
「宣誓。我々は、というか、僕に注目してください。」
(ナイキベースボール/TVCM)

福里真一/一倉宏
「TOYOTOWN」
「ハイブリットしなければ、こういうことにならなかった。」
(トヨタ自動車/TVCM他)

岩田純平
「それでも、前を向く。」
(日本たばこ産業「ROOTS」/ポスター他)

保持壮太郎/キリーロバ・ナージャ
「Sound of Honda Ayrton Senna1989」
(本田技研工業「インターナビ」/TVCM)

山口広輝
「ぜんぶ雪のせいだ。」
(東日本旅客鉄道「JR Ski Ski」/TVCM他)

秋永寛
「エラそうに新聞なんて読みやがって!!」
(ノーススターズピクチャーズ「北斗の拳30周年」/新聞)

hokuto

TCC審査委員長賞

松村祐治
「ちょっと飲んでみ 間接キッスしてみ」
(サントリー「ふんわり鏡月ゆず」/TVCM)

眞鍋海里
「CAUTION 雪道コワイ」
(オートウェイ「冬用タイヤ」/WebMovie)

TCC最高新人賞

山崎博司
「ボクのおとうさんは、桃太郎という奴に殺されました。」
(日本新聞協会/新聞)

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TCC新人賞

新志康介
「日本では、『事故で亡くなる』。海外では、『kill』という。」
(AICHI SAFETY ACTION/ポスター)

鈴木晋太郎
「その日の登場人物 1716人 だから、新聞は面白い。」
(読売新聞東京本社/TVCM)

境祐介
「日本人が一番好きな会議室は、居酒屋です。」
(東京都「東京遺産」/ポスター)

森昭太
「自由すぎる女神」
(タカラトミーアーツ/ネーミング)

吉岡由祐
「以上。市原悦子さんになりすまして、モノマネ芸人がお送りしました。」
(パナソニック「テレビドアホン」/ラジオCM)

田母神龍
「おれだってスーパーXシリーズなんだよ おれだって活躍できんだよ」
(セメダイン「スーパーXシリーズ」/WebMovie)

淺井勇樹「家族は面倒くさい幸せだ。」
(信濃毎日新聞社/WebMovie)

清松俊也
「野菜は、命を差し出している。」
(そらち南農業協同組合青年部「わけあり野菜」/ポスター)

大津裕基
「また来るぜ!と言ってたバンドが二度と来ない。」
(DLE「島根県×鷹の爪」/カレンダー)

秋田勇人
「風速80m。車がミサイルのように吹き飛ぶ。」
(東芝「SIENT」/ラジオCM)

久保馨
「お客様を待つ姿も、景観の一部になっている。」
(MKタクシー/Web広告)

佐久間英彰
「ネットの会社って聞いてたけど、こっちでしたか。」
(タキロン/ポスター)

武田さとみ
「まほちゃんには、ヒミツの計画があります。サンタさんに直接言いたいことがあるのです。」
(東京ガス/TVCM)

西村和久
「ポーン!この先、挫折します」
(パナソニック「カーナビ ゴリラ」/ラジオCM)

野﨑賢一
「1ミリを大事にせんと、ええ電車はできん。」
(日立製作所/TVCM)

吉田聡史
「捨てた日も、散歩と思って よろこんで出かけて行った。」
(神奈川県動物愛護協会/ポスター)

佐藤朝子
「土日しか風邪ひかない子に育ちますように。」
(NPO法人ノーベル/ポスター)

竹田芳幸
「赤字は、財産です。」
(Z会/ポスター)

田中ことは
「日曜日、部活があるので早起きした。もっと早起きしてる人がいた。」
(東京ガス/ラジオCM)

森田一成 
「こんにちは、内田法子です。」
(三河屋製菓「えび満月」/ラジオCM)

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道山智之 14年4月26日放送

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KTR
紀貫之①

平安時代の歌人、紀貫之。
貴族としての地位には恵まれなかった天才歌人は、
こんな春の歌をのこした。

 袖ひちてむすびし水のこほれるを 
 春立つけふの風やとくらむ

夏の日、袖をぬらしてすくった水が
冬には凍ってしまった
その氷を、春になった今日のあたたかな風がとかすだろうか

一年間の風景を、つかのまの映像として見せる。
時間の流れをかるがると超える現代的な表現は、
こんな心象風景にも聞こえてくる。

「一度は凍りついてしまったのびやかな気持ちは、
 きっとまた戻ってくるさ」

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道山智之 14年4月26日放送

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紀貫之②

平安時代の歌人、紀貫之には、
こんな歌がある。

 影見れば波の底なるひさかたの 
 空漕ぎわたる我ぞわびしき

海に映る月の光を見ていると
水の底がまるではるかな天空のように思われて
私はひとり空をこぎわたるようなさびしさを感じる

貫之は、言葉の力で、
海底を空に、水面を海底に、かえてみせた。
その逆をゆく歌も詠んだ。

 さくら花散りぬる風のなごりには 
 水なき空に波ぞ立ちける

桜の花が散ってゆく風のなごり
そのとき、花びらの波が立って
空は海にかわった

どちらの歌でも貫之は、
ことばという自分だけのカメラをつかって
一瞬を永遠の風景にかえていた。

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道山智之 14年4月26日放送

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紀貫之③

平安時代の歌人、紀貫之。
30代にして最初の勅撰和歌集を編纂するなど
当代一の歌人として尊敬を集めた貫之。

しかし貴族としての地位は高いとは言えず、
59歳で土佐に赴任したのも、
経済的な必要に迫られてのことだったと言われている。

任期が終わり、京都へ戻る旅路のできごとを、
当時めずらしかったひらがな文で描いた名作「土佐日記」。
彼は役人であるという現実から自由になり、
大好きなひらがなと、やまとことばを自在にあやつるために、
作者は女性であるというフィクションを用いた。
自分自身は頑固な老人役で登場させている。

 男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。

親しく支えてくれた人たちを、
次々に病でなくした失意の時期に書かれた名文。
やりきれない人生の旅路をウィットたっぷりに描き出す彼の背中は、
きっとブルース・シンガーを思わせたにちがいない。

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道山智之 14年4月26日放送

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紀貫之④

平安時代の歌人、紀貫之。
65歳の頃書かれた「土佐日記」。
赴任していた土佐を離れるところから話ははじまる。
別れを惜しんで何日も船を追いかけてくる人たちを、彼はこう表現している。

 この人々の深き志は、この海にも劣らざるべし。

しかし、55日もかけて
さまざまな困難の末たどりついた京都の家は、見る影もないほど
荒れ果てていた。
隣の人に管理をまかせて、欠かさず贈り物もしていたのに。

お付きの者たちが「ひどい」と怒り出すのを
主(あるじ)の老人は制して、お礼だけはすることに決める。

なにがあっても、心が凍りそうになっても、
自分らしいのびやかさを忘れない。
彼の作品にはいつも、貫之という人間が垣間見える。

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