2016 年 4 月 3 日 のアーカイブ

大友美有紀 16年4月3日放送

160403-01 Il Fatto Quotidiano
「アカデミー賞受賞!エンニオ・モリコーネ」初受賞

2016年のアカデミー賞作曲賞は、
タランティーノ監督「ヘイトフル・エイト」の
エンニオ・モリコーネが獲得。
その瞬間、観客全員がスタンディング・オベーションした。

 素晴らしいサウンドトラックには
 素晴らしい映画が無くてはいけません。
 クエンティン・タランティーノ監督に
 感謝をささげます。
 私を選んでくれてありがとう!

 
1928年イタリア生まれの87歳。
映画音楽界の巨匠、初の受賞だった。
同じくノミネートされていた、
「スター・ウォーズ」の
ジョン・ウィリアムズたちに敬意を示し、
最後に妻のマリアに賞をささげたい、と言った。


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大友美有紀 16年4月3日放送

160403-02
「アカデミー賞受賞!エンニオ・モリコーネ」マカロニ・ウエスタン

映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネは1928年、
イタリア、ローマで生まれた。
神童と呼ばれ10歳で音楽院に入学。
前衛音楽、ポップス、クラシックに親しみ、
在学中からラジオドラマの音楽アレンジを
手がけるようになる。
時計の音やタイプライターを楽器として使う、
破天荒なアレンジ。
それを気に入った映画監督セルジオ・レオーネが
「荒野の用心棒」に起用した。

 テーマ曲は「さすらいの口笛」。
 口笛とギターによる孤独でヒロイックなテーマ。
 孤高のトランペット・ソロ


イタリアやスペインで作られる西部劇を
マカロニ・ウエスタンと呼んだ。
モリコーネのテーマ曲は
多くのマカロニ映画に影響を与えた。
そして、自身も1970年代前半まで、
30本以上のマカロニ映画に関わり、
根強い人気を得ていった。


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大友美有紀 16年4月3日放送

160403-03
「アカデミー賞受賞!エンニオ・モリコーネ」セルジオ・レオーネ

2016年のアカデミー賞作曲賞を初受賞した
エンニオ・モリコーネ。
「荒野の用心棒」で監督セルジオ・レオーネに出会った。
それから、2人は、イタリア製西部劇、
いわゆるマカロニ・ウエスタンで、
何度もタッグを組む。
1972年公開の「夕陽のギャングたち」もそのひとつ。

 舞台はメキシコ。
 政府軍に追われる身となった主人公ジョンは
 「アメリカに行こう。
  どんな夢でもかなう国だ」と言う。

 
セルジオ・レオーネにとっても、
アメリカは、いつか映画を撮りたい憧れの地だった。
それは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」という
映画となって実現する。
盟友の夢にモリコーネがささげた曲は、
パンフルートのソロで始まる、
乾いた哀愁を帯びた渾身の叙情詩。
夢のアメリカを意識したディキシーランド・ジャズや
「アマポーラ」のカバーとともに話題となる。
夢はかなった。
が、セルジオ・レオーネ最後の作品になってしまった。


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大友美有紀 16年4月3日放送

160403-04 Il Fatto Quotidiano
「アカデミー賞受賞!エンニオ・モリコーネ」タランティーノ

今年、アカデミー賞作曲賞を受賞した
「ヘイトフル・エイト」の監督、
クエンティン・タランティーノは
エンニオ・モリコーネの熱狂的なファンだ。
「キル・ビル」シリーズ、「イングロリアス・バスターズ」、
「ジャンゴ 繋がれざるもの」など多数で
モリコーネの楽曲を使っている。
ただ、モリコーネの方は、
タランティーノにあまりいい印象はもっていなかった。

 一貫性を欠いた方法で映画の中で楽曲を使う。
 作曲家にとって、あるまじき扱いだ

 
しかし今回の「ヘイトフル・エイト」では、違ったようだ。
長年のタランティーノのラブコールが実を結んだ。
「感謝をささげます」という受賞スピーチを聴いた時の
タランティーノは、どんな表情をしていたのだろう。


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大友美有紀 16年4月3日放送

160403-05
「アカデミー賞受賞!エンニオ・モリコーネ」ニュー・シネマ・パラダイス

今年、87歳で初めてアカデミー賞作曲賞を受賞した、
映画音楽の巨匠、エンニオ・モリコーネ。
1970年代、80年代の多忙の時でも
若手監督の演出を助けるような音楽を
好んで提供していた。
そんな中、出会ったのが
長編2作目という若者の、
初のオリジナル脚本だった。

 その名はジョゼッペ・トルナトーレ。
 その本は「ニュー・シネマ・パラダイス」
 感動したモリコーネは
 トルナトーレをすぐに自宅に招いた。
 その思いが伝わるような楽曲が出来上がった。

 
トルナトーレは、先に録音された音楽を撮影現場で流した。
彼もまたモリコーネの曲に感動していたのだ。
映画そのものであるような師弟愛がここにあった。


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大友美有紀 16年4月3日放送

160403-06 Olivier Strecker
「アカデミー賞受賞!エンニオ・モリコーネ」ジュゼッペ・トルナトーレ

2016年のアカデミー作曲賞を受賞したエンニオ・モリコーネ。
これまで450本以上の映画音楽を手がけてきた。
文芸作品からアクションまでジャンルにとらわれない
音楽的なキャパシティの広さと
巧みなメロディを生み出す職人的技術で量産を続けてきた。

「ニュー・シネマ・パラダイス」で出会った
ジュゼッペ・トルナトーレとは、映画監督と作曲家の
理想的な関係を築いている。

 2人とって音楽は、完成した映画を彩るものではなく、
 脚本と同じ段階で生まれ、物語を一緒に作り出すもの。


「海の上のピアニスト」では、
モリコーネは原作を読んで作曲を開始した。
たがいに意見を交わしながら、キャスティングが決まる前に
メインテーマを作り上げたという。
その関係の深さが、映画の深さを作り上げていく。


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大友美有紀 16年4月3日放送

160403-07 Basil D Soufi
「アカデミー賞受賞!エンニオ・モリコーネ」国連

2016年、初めてアカデミー賞作曲賞を受賞した
映画音楽の巨匠、エンニオ・モリコーネ。
87歳、キャリアは半世紀以上。
今年、2574番目のハリウッド殿堂入りも果たした。
そんなモリコーネは映画音楽だけでなく、
自身のオリジナル曲を年数作のペースで発表してきた。
2002年には9.11の同時多発テロを避難する
「沈黙からの叫び」を発表。
2007年2月に国連総会ホールで自ら指揮し、上演した。

 あなたの音楽は国連に似ている。
 ドラマに満ち、夢見る人々の
 物語を語るイリュージョンだ。
 いい奴、悪い奴、醜い奴も見せてくれた。


「いい奴、悪い奴、醜い奴」とは続・夕陽のガンマンの原題。
国連事務総長は、モリコーネの音楽が使われている映画のタイトルを
スピーチに取り入れ、会場を沸かせた。


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大友美有紀 16年4月3日放送

160403-08 Georges Biard
「アカデミー賞受賞!エンニオ・モリコーネ」名誉賞

87歳の映画音楽の巨匠、エンニオ・モリコーネは、
2016年のアカデミー賞作曲賞に輝いた。
意外にも今回が初めての受賞だ。
2007年のアカデミー賞授賞式で名誉賞を受賞している。
「壮大で多角的な映画音楽への貢献」と評された。
プレゼンテータはクリント・イーストウッド。
モリコーネがイタリア語で語ったスピーチを通訳した。

 このような栄誉ある賞を受賞したことのない
 アーティストたちのことを考えています。
 彼らは献身的にその才能を芸術につぎ込んでいます。
 いつの日か、彼らの作品が、今日の私のように
 評価を受ける日が来ることを祈っています。


モリコーネは、この受賞を終着点ではなく、
これまでと変わらぬ献身的な情熱を持って、
映画音楽に取り組んでいくための出発点だと考えています。
と、イーストウッドは続けた。
その出発点から9年、
初受賞というまた新しい出発点にたどりついた。


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