大友美有紀 17年6月4日放送

170604-08

「激情の人/ゴッホ」カラス

 どうにもならない!どうにもならない!

そうつぶやきながら、ゴッホは畑の間を歩き回っていたという。
鳥を追い払うため、と借りていたピストルで自分の腹を撃った。
その夜遅く、下宿先の夫婦は、ゴッホが脇腹から血を流して
ベッドに横たわっているのを見つける。
医師が呼ばれたが、弾丸を摘出することはできなかった。
翌日、弟のテオもかけつけた。

 泣かないでくれ、みんなのためを思ってしたことなんだ。
 
ゴッホは37年の短い生涯を終えた。
死の間際まで描いていたとされる「カラスのいる麦畑」。
何羽ものカラスが上空を舞う。
ゴッホの激情が出口を求めているかのようだ。

タグ:

«    »

topへ

コメントをどうぞ

CAPTCHA



login