angela n.
合衆国大統領の家
ペンシルベニア通り1600番地。
その住所こそ、アメリカ合衆国大統領の家。
ホワイトハウスだ。
初代大統領ワシントンのときに建設が始まった
築200年の物件なので少々古めかしいが、
リフォームや増築を繰り返し、
およそ1900平方メートルの居住エリアに部屋数は134。
ジムやプールはもちろん、
ボウリング場や映画館まで揃っている。
これほどの豪邸となると、
厄介なのは何年かごとにやってくる引越し。
次期大統領に質問状を送り、
それをもとにシャンプーや石けんのブランド、
カーペットの種類、
さらには枕の中身がスポンジか羽毛かまで
リストを作って準備する。
ちなみに安全上の理由で引越し業者は使えないため、
当日はホワイトハウス職員が総動員されるそうだ。
2017 年 7 月 22 日 のアーカイブ
藤本宗将 17年7月22日放送
藤本宗将 17年7月22日放送
United States Government Work
合衆国大統領の電話
2020年が近づき、人々のスポーツ熱が高まるこの頃。
誰もが携帯電話を当たり前のように使う時代。
実はいちばん電話を自由に使えないのは
アメリカ合衆国大統領かもしれない。
大統領は通常、執務室や専用車に設けられた
安全な専用回線を使って通話する。
携帯電話については
どんな端末なのか公表はされていないが、
かなり機能制限されたものを使っているらしい。
任期の終盤になってようやく
スマートフォンを支給されたオバマ前大統領は、
部下からこう言い渡されたそうだ。
「セキュリティの関係から写真は撮ってはならないし、
メッセージのやり取りもいけません。
電話も機能しませんし、もちろん音楽も聞けません」
もはや何ができるかさえわからない。
大統領のスマートフォンは、
お世辞にもスマートとは言えないようだ。
藤本宗将 17年7月22日放送
Anthony Citrano
合衆国大統領の飛行機
アメリカ合衆国大統領専用機といえば
「エアフォースワン」が有名だが、
もちろんいつも同じ飛行機に乗っているわけではない。
外遊などで航空機に搭乗するときには、
その機体の所属によって
コールサインが与えられることになっている。
エアフォースワンは空軍機だった場合のコールサインで、
基本的には専用機であるVC-25のことを指す。
VC-25は2機存在するが、
海外訪問時はトラブルに備えて2機一組で飛ぶ。
機体の所属が陸軍ならアーミーワン。
海軍ならネイビーワン。
海兵隊ならマリーンワン。
沿岸警備隊ならコーストガードワン。
そして民間機だった場合は、エグゼクティブワン。
ちなみに、大統領自身が大富豪で、
自家用機を所有していたとしたらどうなるか?
トランプ大統領には残念なことだが、
就任中は自家用機を使えないという規定があるそうだ。
藤本宗将 17年7月22日放送
合衆国大統領の別荘
アメリカ合衆国大統領がよく休日を過ごす場所が、
「キャンプ・デービッド」。
ワシントンから北西に約100km。
メリーランド州カトクティン山岳公園にある大統領専用の別荘だ。
正式な名称は海軍サーモント支援施設という。
面積は約50万平方メートル。
海抜550メートル地点にあるため
夏はワシントンより温度が5度ほど低くて過ごしやすい。
敷地内にはマスが住む池、散策路、屋外プール、
ゴルフ練習場とパッティンググリーン、
テニスコート、ボウリング場、
体育館などの設備が整っている。
来賓用の建物もあり、ここで首脳会談が行われることもある。
ちなみにデービッドというのは地名ではない。
もともとフランクリン・ルーズベルト大統領の
静養地としてつくられたときは、
理想郷を意味する「シャングリ・ラ」という名称だった。
それを、アイゼンハワー大統領が
自分の孫のデービッドにちなんで変更したそうだ。
理想郷で過ごすよりも、孫に癒されたい。
大統領も休日くらいは、
ひとりのおじいちゃんになりたいのかもしれない。
藤本宗将 17年7月22日放送
合衆国大統領のカバン
アメリカ合衆国大統領のカバン。
その中身は、もしかしたらこの世界で
いちばん物騒かもしれない。
通称「フットボール」。
核兵器を使用するための装置である。
フットボールはゼロハリバートン社製で、
黒い革のカバーで覆われたブリーフケースだという。
鞄の重さはおよそ20キログラム。
持ち手のところにはアンテナが伸びている。
フットボールには4つの物が入っている。
報復攻撃の選択肢を記した黒い手帳、
緊急時に大統領が避難できる極秘の場所のリスト、
緊急警報システムの手引書、
そして認証コードが書かれたカードだ。
世界中の人々の命運を握る。
世の中にこれほど重たいカバンはないだろう。
任期を終えるときまで
その重荷から解放されることはない。