佐藤延夫 17年10月1日放送

takuboku

住まいが語るもの/石川啄木

詩人、石川啄木は、
生涯、貧しさとともに暮らした。

啄木と妻、そして母の三人で
農家の住まいを間借りする生活。
二階の板の間が、彼らに与えられた
たったひとつの空間だった。
啄木の日記には、こう記されている。

「この一室は、我が書斎で、又三人の寝室、食堂、応接間。」

のちに上京し、新聞社の校正係に採用された啄木は、
本郷で六畳二間の部屋を借りて創作に励んだ。
もちろん、妻と母も一緒に暮らした。

当時一階にあった床屋は、
今もなお営業を続けている。

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