2019 年 2 月 3 日 のアーカイブ

大友美有紀 19年2月3日放送


Owen Williams
それがオランダ チューリップバブル

今日は、オランダで「チューリップバブル」が崩壊した日。
1600年代、裕福な人たちの間で観賞用に
チューリップが流行していた。
チューリップは、球根にウイルスがつくと、突然変異で
花びらに美しい模様が入ることがある。それが高く売れる。
同じ品種でも模様の現れ方は、さまざま。
球根一個で一攫千金を狙える。
一般市民は球根を買いあさった。
ありえないほどの高値がつき、そうすると、
今度は「売れなくなるのでは」と不安になる。
そして1673年の2月3日、
「買い手がいなくなった」という噂が広がり、
突然価格が暴落したのだ。

SNSが登場する何百年も前から人は噂に踊らされてきた。

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大友美有紀 19年2月3日放送


Photo by Vishwas Katti on Unsplash
それがオランダ オランダはオランダ人が作った

「神は地球をつくったが、オランダはオランダ人がつくった」

オランダはヨーロッパの3つの大河、
ライン川、マース川、スヘルデ川の河口にある。
海抜の低い土地ばかり。国土の4分の1は海面よりもさらに低い。
堤防を作り、排水路を整備し、干拓して、国を広げてきた。
高い山はない。郊外に行けば、美しい田園風景がどこまでも続く。
どんなに狭い土地でも、治水を怠れば、
たちまち洪水に見舞われてしまう。
オランダ人は粘り強く自然と戦った。
風車も、跳ね橋も、ボートハウスも、
水との戦いの産物だ。

過酷な自然環境がなければ、
美しい風景は生まれなかった。

災い転じて福となす。
なるほど、
オランダは、オランダ人がつくったのだ。

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大友美有紀 19年2月3日放送


Uberprutser
それがオランダ 指の少年

オランダを救った少年のお話をご存知だろうか。
ある日の午後、ハンス少年は堤防に小さな穴が開いて、
水が流れ出ているのを見つけます。
この穴を放っておいたら、村は水びたしになる。
ハンスは慌てて穴を指でふさぎます。
穴は広がり、手首まで、腕の付け根まで使って
ようやく水は止まりました。
けれど、夕方になり、夜になっても誰も通りません。
ハンスは、腕を引き抜いたらオランダ中が洪水になってしまうと
必死でこらえました。
明け方になり、苦しみ呻く少年の声を聞きつけた大人たちが、
やってきて、ようやくハンスは助け出されました。

実は、この話、アメリカの女流作家の創作。
オランダ人にハンスの話をたずねると、
「指の少年だろ。アメリカ人が考える典型的なオランダ人さ」と答えるという。
そしてオランダのあちこちに堤防を守るハンスの像がある。

オランダでは、指の少年は特別英雄視されてはいない。
水と戦い、村を守るのは当たり前のこと。
ハンス像は、アメリカの観光客のためにあるのだ。

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大友美有紀 19年2月3日放送



それがオランダ オランダのバラ

ホールアンドオーツがデビューした時、
ミュージシャンの佐野元春は、その名を、
「ホーランド・ローズ」と聞き間違えたそうだ。
その意味は、オランダのバラ。

もちろんオランダにもバラはある。
バラが見ごろになる6月下旬、
アムステルダムで「オープンガーデンデイズ」という
イベントが開かれる。
運河沿いの30軒ほどのカナルハウスの庭園が公開される。
カナルハウスは、道路に面した部分は狭く、
奥に向かって長く作られている建物。
その最奥に庭園がある。
表通りからは見えない、美しい庭。
住む人が自分たちのために仕立てた、
バラや西洋アジサイが咲き誇る、秘密の花園。

オランダのバラ。
チューリップだけだと思っていた国の
ロマンティックな秘密のようだ。

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大友美有紀 19年2月3日放送



それがオランダ キューケンホフ公園

今日は、オランダのチューリップバブルが
崩壊した日。世界最初の経済バブルだった。
今でもオランダといえばチューリップ。
チューリップ栽培農家は、花が咲くと
すぐに摘んでしまう。球根を採るのが目的だからだ。
では、オランダでチューリップを見るには、
どこへ行ったらいいか。

それはキューケンホフ公園。
100種以上のチューリップの他に、
ヒヤシンスやラッパ水仙も咲いている。
もともとは球根業者が、新品種を展示する場だった。
総延長15㎞の歩道や小さな動物園もある。

訪れたいと思った人は気をつけて。
開園しているのは。
3月の下旬から5月の上旬、
たった2ヶ月だけ。

花の命は短いのだ。

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大友美有紀 19年2月3日放送


Jorge Royan
それがオランダ ダム

オランダの首都、アムステルダム。
アムステルダムには「ダム広場」がある。
そう聞くと街なかに巨大な水門が
聳えているかのように思える。
オランダ語の「ダム」は、堤防程度のものを指す。
アムステルダムの名は、
「アムステル川」を堰きとめるダムから来ている。
ロッテルダムの名も、堤防=「ダム」に由来する。

日本で「ダム」というと、
何年もかけて造りあげた、
頑丈なコンクリートの壁や、
広大な貯水湖がなど、
非日常の風景が思い浮かぶ。

オランダのダムは、
日常の当たり前の風景だ。
けれども、その当たり前は
何世紀もかけてかなえたのだ。

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大友美有紀 19年2月3日放送


Patrick Rasenberg
それがオランダ 名画の国

オランダは名画の国でもある。
レンブラント、ブリューゲル、
ゴッホ、フェルメール、エッシャー。
日本でも、行列ができる巨匠ばかりだ。

レンブラントの「夜警」は、
アムステルダム国立美術館に、
フェルメールの「真珠の首飾りの少女」は、
マウリッツハウス美術館にいる。
ゴッホ美術館やエッシャー美術館もある。

日本で何時間も並ぶなら、
ひとっ飛び、オランダまで行ってしまって、
名画を巡るのもいいかもしれない。

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大友美有紀 19年2月3日放送



それがオランダ フェルメールとミッフィー

オランダの画家、フェルメールは、
寡作な画家だった。
現存するのは35作品といわれている。
先日東京で開催されたフェルメール展では、
過去最大、9作品を見ることができた。

展示と同じぐらい人気だったのが、
「牛乳を注ぐ女」に扮したミッフィー人形。
すぐに売り切れてしまったらしい。
フェルメールもディック・ブルーナも、
なぜ、こんなにも
私たちの心をとらえるのだろう。

オランダのミュージアムにも
ミッフィーコラボがたくさんあるらしい。
惹かれる理由を確かめに行きたい。

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