石橋涼子 20年2月23日放送

2. 富士山のはなし 富嶽三十六景 

今日は富士山の日。
今月から新しくなった日本国パスポートも、
富士山のデザインになった。
各ページに、葛飾北斎『富嶽三十六景』のうち
24作品が印刷されているのだ。

世界的にも有名な葛飾北斎の「富嶽三十六景」は、
日本各地から眺めた富士山が楽しめる。

北斎は50代で江戸から西国(さいごく)へ旅して、
東海道の各宿場から富士山をスケッチしたという。
その後も構図を練り続け、
富嶽三十六景が完成したのは北斎72歳の時だった。

当時、あまりの人気のため、十景が追加され
富嶽三十六景は全部で46種類になった。

町人文化が花開き、五街道や宿場町が整ったとはいえ、
それでも旅に出られる人は限られていた。
庶民は旅への憧れも込めて、北斎の浮世絵を求めたのかもしれない。

遠い場所を思ってワクワクする楽しさは、
富士山の絵を眺めていた江戸の頃も、令和の今も、
きっと変わらない。

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