保持壮太郎 10年02月27日放送

01-miyamoto

宮本武蔵

天下無双の剣豪、
宮本武蔵。

勝利を追求しつづけた人生が
そこにはあった。

そんな彼によれば
恋愛にも
必勝法があるという。

師曰く、

恋をせば 文ばしやるな 歌よむな。
一文なりと銭をたしなめ。

恋をしたならば、
ラブレターなんて書くな。
歌なんぞ詠むな。
とにかく一円でも多く
お金をためなさい。

どうやら恋愛も、
勝利のためには、
手段を選んではいられないらしい。

02-mandera

ネルソン・マンデラ

期待をしない。
希望をもたない。
そんな人生も悪くない。

けれども
ネルソン・マンデラの人生は違った。
牢獄の中で27年間。
彼は自らの希望のために闘いつづけた。
そして国を動かした。

のちに彼は、
南アフリカ大統領の就任スピーチでこう語った。

 わたしたちが怖れているもの。
 それは自分が無力だということではない。
 わたしたちが最も怖れているもの。
 それは自分には計り知れない力があるということだ。

そこには不安がある。
失望への恐怖がある。
そんな人生のなんと素晴らしいことよ。

03-lee

リー・ストラスバーグ

リー・ストラスバーグの
名前は知らなくとも
彼の教え子の名前なら
あなたも知っているはずだ。

アル・パチーノ
ロバート・デニーロ
ジェームス・ディーン
ダスティン・ホフマン
ジャック・ニコルソン

数々の名優たちが
ストラスバーグの主催する
アクターズ・スタジオで
その演技を磨いた。

 主役なんてものは存在しない。
 人生には主役なんてない。
 誰もが登場人物にすぎないんだ。

そんな彼の教えは、
幾人もの魅力的な主役を
スクリーンへと送り出していった

04-halle

ハル・ベリー

女優、ハル・ベリー。

2001年、
アフリカ系アメリカ人女性として
初めてアカデミー主演女優賞を受賞。

けれども僕たちが
彼女の本当の偉大さを知ったのは
それから2年後のことだ。

その年、
不幸なことに
彼女の主演作が
最低な作品に贈られる映画賞
ゴールデンラズベリーアワードを
受賞することになった。

なかば冗談として行われたラズベリー賞の授賞式。

なんとそこには、
ハル・ベリー本人の姿があった。

そればかりか彼女は、
左手にオスカー像、
右手にラズベリー像を握りしめて
スピーチをし、
あげく涙まで流してみせた。

偉大なる女優の
すばらしい演技に
観客たちは万雷の拍手でこたえた。

05-itami

伊丹十三

男は、
51歳にして
映画監督になった。

彼は映画監督である前に、
俳優だった。
エッセイストだった。
雑誌編集者だった。
デザイナーであり
イラストレーターであり
CMプランナーでもあった。
ドキュメンタリー作家と
呼ばれたりもしていた。

だからだろうか。
伊丹十三が撮る映画は、
いつも
あちこち
普通じゃなくて
なんだかとても
おもしろかった。

06-yanagi

柳宗理

柳宗理のつくるやかんは、
やかんらしいカタチをしている。
けれどもそれはとても美しい。
やかんが美しいなんて
思ったこともなかった。
そんなことに気づかされるくらいに。

彼は言う。

 本当の美は、生まれるもので、つくり出すものではない。

柳宗理のつくるやかんは、
やかんらしいカタチをしている。
だからこそそれは
とてもとても美しい。

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