2010 年 のアーカイブ

土居美由希 10年04月24日放送

02-hoshino

春の花  星野富弘

星野富弘が体育の教師になって2ヶ月め
24歳の春のことだった。
彼は肩から下がすべて麻痺してしまう事故に遭った。

9年に及ぶ入院生活のなかで
それでも彼は生きがいを見つける。

それは故郷・群馬の田舎に咲く草花を描くこと。

わずかに動かせるのは首から上だけ。
だから、筆を口にくわえて描いた。
描けることが嬉しくて、ひたすら描いた。

ぶどうの絵には、
こんな言葉も添えられている。

喰われてもよし
つぶされてもよし
干されてもよし
一番 甘くなって 枯れよう

事故から40年。
今日は星野富弘の64歳の誕生日。
草も木も、おめでとうと微笑んでいます。

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渋谷三紀 10年04月24日放送

03-1000

100回目の春

百歳にもなればその道が見えてくる。
人生も季節と同じで
過ぎてみてはじめて春夏秋冬があることがわかる。

こんなことをおっしゃっているのは
100歳のおばあちゃん、矢谷千歳さん、

終わらない冬はない。
けれど、春だって
いつまでも止まっていてはくれない。

ひとつひとつの季節を
噛み締め、味わって生きましょう。

04

与謝野晶子の春

こころが浮き立つのは
春だから。
理由なんて、それだけで十分。

歌人与謝野晶子の春の歌に
こんな一首がある。

清水へ祇園をよぎる桜月夜
こよひ逢ふ人みなうつくしき

月の美しさ、桜の美しさ
そして、夜桜を見に出て来た人まで美しく見えるのは
春だから、自分の心が浮き立っているから
そして、恋をしているから。

このとき、与謝野晶子は
大阪の老舗の和菓子屋の娘で
与謝野鉄幹の弟子のひとりに過ぎなかったけれど
心には消えることのない恋の灯がともっていた。

清水へ祇園をよぎる桜月夜
こよひ逢ふ人みなうつくしき

こころが華やぐのは
恋をしているから
理由なんて、それだけで十分。

京都は結婚前の与謝野鉄幹と晶子が
忍び逢った町でもあった。

05-sky

スヌーピーの春

世界一有名なビーグル犬、スヌーピー。

チャーリーブラウン少年の家に来るまえ、
別の飼い主に捨てられた過去があることは、
案外知られていない。

よく犬なんてやってられるね。
そんな問いにスヌーピーはこう答える。

配られたカードで勝負するしかないのさ。
それがどういう意味であれ。

現実から目をそらしたり、自分の境遇を嘆いたり、
人間みたいなことはしない。

上を向き続ける。それが人生のコツさ。

そうつぶやく犬小屋の上のスヌーピーみたいに、
空をながめてすごす春の一日も悪くない。

06-na

山村暮鳥の春

詩人山村暮鳥作、「風景」。
そこにはただただ同じことばが並ぶ。

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな

そこにはただただ同じけしきが広がる。

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな

ときにことばは、
どんなハイビジョンより
ほんものの春を映し出す。

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宮田知明 10年04月24日放送

07-phone

城山三郎と春

「そんな人は、うちにはおりません。」
作家・城山三郎に春を告げたのは、
妻のそんな声だった。

城山はそのとき風呂に入っており
玄関では妻が文学界新人賞受賞の電報を届けにきた配達員を
追い返そうとしていた。
妻は夫が城山三郎というペンネームで
小説を書いていることを知らなかった。

城山三郎が「輸出」という小説で
第四回文学界新人賞を受賞したのは1957年の春。
駆け出し作家の貧乏生活を支える妻は
夫のペンネームを知る余裕はなかったのだ。

けれど、その次の年。
直木賞発表の夜、妻はお風呂を湧かして知らせを待っていた。
新人賞のときは城山が入浴中に受賞の電報が来たので
縁起をかついだらしかった。
待っていた電報は来なかったけれど
近所の八百屋の電話が鳴って、直木賞受賞を知らせた。

そんな妻が亡くなって
城山三郎は一冊の本を書いた。
「そうか、もう君はいないのか」

それはスター作家城山三郎ではなく
本名杉浦英一の妻だった女性に宛てた恋文だった。

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LIVE4 チケット発売

チラシ裏面修正縮小

4月30日、午前0時から
Tokyo Copywriters’ Street LIVE4のチケットを発売いたします。
お申し込みはこちらのフォームからお願いいたします。
http://form1.fc2.com/form/?id=391659

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坂本龍一さんの意見

日曜日21時から、J-waveで放送中の東京コンシェルジュという番組の
森ビルのCMに坂本龍一さんが登場しています。
こちらからでも少々聴くことができます。
http://www.mori.co.jp/hillscast/

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チケットのデザイン

ticket

Tokyo Copywriters’ Street LIVE4 のチケットです。
まだ印刷ができておらず、デザインだけですが。

天才アートディレクター金井理明くんのデザインなので
多少遅くなっても、まあいいか…という観点ですすめております。
なんとか連休前には発売にこぎつけたいです。

発売前からチケットを申し込んでくださった皆さま、
すみません、もう少々お待ちください。
必ずご案内を差し上げます。

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中村直史 10年03月18日放送

1マーク・エイブラハムズ

イグノーベル賞/マーク・エイブラハムズ

ノーベル賞と同じノーベルの
名を持ちながら
全く権威のない賞がある。

その名を「イグノーベル賞」。
創設者、マーク・エイブラハムズ。

「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して贈られる賞だ。

権威がないといっても
あなどれない。
だって
世界で最も人を笑わせ、
考えさせてくれる研究って
気になるでしょう?

2アイヴァン・シュワブとフィリップ・メイ

イグノーベル賞/アイヴァン・シュワブとフィリップ・メイ

なぜリンゴは地上に落ちるのか?

万有引力を発見した
ニュートンのように
科学における発見は
「よくよく考えてみると不思議」
を解明することでなされてきた。

そう考えれば、
人々を笑わせ、考えさせてくれる研究
に与えられる「イグノーベル賞」も
すばらしい発見を後押ししている、と言える。

2006年、イグノーベル鳥類学賞。
受賞者はカリフォルニア大学の
アイヴァン・シュワブとフィリップ・メイ。

研究内容は
「なぜキツツキは頭痛を起こさないのか」
だった。

3井上大祐

イグノーベル賞/井上大祐

人々を笑わせ、
そして考えさせてくれる研究に
贈られる偉大な賞
イグノーベル賞。

2004年には
日本人が「イグノーベル平和賞」を受賞した。

その人は、
カラオケの発明者
井上大祐(いのうえ だいすけ)さん。

授賞理由は、
「他人の上手くもない歌を聞かなければならないことで養われる寛容な気持ち」
を世界中に根づかせたこと。

受賞会場の観客はスタンディングオベーションで
井上さんを称えたが、本人はいたって謙虚で。


 僕へのスタンディングオベーションじゃなくて、カラオケに対してやと思いますよ。

井上さん、
受賞スピーチの後には
ちゃっかり歌も披露した。

4ジャック・シラク

イグノーベル賞/ジャック・シラク

人々を笑わせ、
考えさせてくれる研究に
与えられる「イグノーベル賞」。

1996年、その平和賞は
フランスのジャック・シラク元大統領に
贈られた。

受賞理由は、
広島への原爆投下から
50周年にあたる年に、
半年で6回もの核実験を行ったこと。

ときに強烈な皮肉を込めるのも
イグノーベル賞のやり方。

5アストルフォ・ゴメス・デ・メロ・アラウージョ<br /> ジョゼ・カルロス・マルセリーノ

イグノーベル賞/アストルフォ・ゴメス・デ・メロ・アラウージョ
ジョゼ・カルロス・マルセリーノ


世界の歴史は
アルマジロによって
書きかえられている。

そんなバカな、
とも言えない話らしい。

ブラジルはサンパウロ大学の
アストルフォ・ゴメス・デ・メロ・アラウージョと
ジョゼ・カルロス・マルセリーノのふたりは
アルマジロの活動が遺跡発掘現場において
いかに遺物の順序を滅茶苦茶にするか、
またそのことで
どのように人類の歴史が書き変えられてしまうか
を調査した。

この功績により、
2008年、イグノーベル考古学賞を受賞。

あなたが知っている
世界の歴史にも
あのノソノソした生き物が
関与している。

そう考えたらワクワクしませんか。



6渡辺茂・坂本淳子・脇田真清

イグノーベル賞/渡辺茂・坂本淳子・脇田真清

人々を笑わせ、
考えさせてくれる研究に
与えられる「イグノーベル賞」。

受賞した研究の数々を
「バカバカしい」と一蹴する人もいるけれど・・・

1995年のイグノーベル心理学賞を
受賞した渡辺茂・坂本淳子・脇田真清さんの授賞理由は

「ピカソとモネの絵画を見分けられるようにハトを訓練し、成功したことについて」

もしかすると
人間の、鳥に対する見方さえ
変えてしまうような
すごい話。

7中松義郎

イグノーベル賞/中松義郎

突拍子もない研究に
エールを送りつづける
イグノーベル賞。

突拍子もないといえば、
代名詞みたいな日本人がいます。
ドクター中松こと、中松義郎。

と思ったら
やっぱり受賞していました。

2005年、イグノーベル栄養学賞。

「34年間、自分の食事を欠かさず撮影し、
食べたものが脳の働きや体調に与える影響を
分析し続けたこと」に対して。

・・・恐れ入ります。

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引っ越しのお知らせ

4月下旬、このHPの改変にともない
URLがひとつになります。

いままで http://01-radio.sakura.ne.jp/guild/
上記からご覧になっていたかたは
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http://01-radio.com/guild/

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重要なニュース

今月の下旬、このVisionブログはひそかに引っ越します。
いままでふたつのURLから見ることができていたのですが
それがひとつになります。

http://01-radio.com/vision/

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五島のはなし(93)

昨夜、ぼくもとうとう
大人になってしまったのだな、
と思える出来事が。

どうも失禁してしまったらしいのです。
会社の先輩のお祝いの席で。
らしい、と書いたのは、いつそうなったか
まったく記憶がないからで、気づいたらそうなってたわけです。

大きくなっていろんな経験をしてきたけれど
失禁はなかった。もうこれでほんとの大人だ、と思ったですよ。

話は変わるけど、
ぼくの出身地である五島の酒の飲み方はけっこう激しいです。
「じゃあ、・・・に一杯やろかね」と言うと、自分のグラスを空け、
それを一緒に飲んでる ・・・さんに渡す。
渡された人は、そのグラスに酒をそそぐと、全部飲み干さなければならない。
という儀式が続きます。

五島に帰省しているときには、
久しぶりに帰ってきたということで
この「一杯やろかね」の対象となることが多いです。
元来酒に強くないので、べろんべろんになる。
それでも、失禁はなかった。

近ごろ、なんというか、
体と心のネジとかキャップがゆるんできている。
人間的に失禁してる。
(うまいこと言った気がする)

いっそこのままゆるみきって、
「あの人どうしようもないけど、まあしょうがないからほっとこ」
といわれる人間になりたい。
ゆるキャラになりたい。

そう願ってやまない37才の春。

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