中村直史 12年3月11日放送


カマスキー
言葉・2011/立川志の輔

立川志の輔は重い気持ちだった。
毎年恒例のタイ・バンコクでの落語会。
が2011年の春は、日本を離れて落語をやることに
ぬぐいきれない罪悪感があった。
そんな気持ちをひきずったまま、タイにたどりついた。
そして、苦手な入国審査。
人の心や情を語り続ける落語家にとって、
人格を無視したような審査は大の苦手だった。
おそるおそるパスポートを手渡す。じろりと荒探しするような眼。
コンピュータを見て、スタンプを押し、パスポートを返す。ここまではいつもと同じ。
ただ次の瞬間、タイの入国審査官は、にっこりと笑みを浮かべると、
片言の日本語で「お気をつけて」と言った。

オキヲツケテ!

日本が大変な状況になっているいま、
自分たちにできることは何だろうとタイの空港職員たちは話し合い、
そして実行したのは「笑顔で一声かけること」だったという。

ちょっとしたこと。自分にできること。
何かを変えられるかもしれない、第一歩のこと。


cyber
言葉・2011/嶋基宏

東北楽天ゴールデンイーグルス選手会長、嶋基宏。
彼が行った2011年オールスターゲームでの
スピーチにはこんな一文が含まれていた。

僕たち野球選手の使命は、野球の魅力や、
そこから生まれるドラマを通じて、
「ヒトの生きる力」に貢献する事だと思います。

嶋選手の言葉を聞いて考えさせられた人は少なくないと思う。
「ヒトの生きる力」に貢献すること。
どんな職種の人だって、それが使命なのかもしれない、と。

タグ:

«    »

topへ

コメントをどうぞ

CAPTCHA



login