2012 年 12 月 23 日 のアーカイブ

薄 景子 12年12月23日放送


愛のはなし 夏目漱石と二葉亭四迷

夏目漱石が英語教師をしていた時のこと。
I love youを「我、汝を愛す」と訳した生徒に、
こう言ったという逸話がある。

『月が綺麗ですね』とでも訳しておけ。 それで日本人は分かるものだ。

二葉亭四迷は、トゥルゲーネフの小説を和訳するとき、
ロシア語のI love youを迷った挙句、こう訳した。

わたし、しんでもいいわ。

愛のことばは、伝える人の数だけある。
この冬、あなたはどんな言葉を贈りますか。


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石橋涼子 12年12月23日放送


愛のはなし スティーブン・コヴィー

アメリカの経済コンサルタント、スティーブン・コヴィーは
妻に対する愛がなくなってしまったという相談者に対して
ひと言、こうアドバイスをした。
「愛しなさい」
「だから、愛がなくなってしまったのです」
と反論する相談者に、コーヴィーは丁寧に説明した。

 愛するという行動が無い限り、愛という状態は生まれない。
 愛は具体的な行動である、と。


「愛してる」を言葉にする回数が多い夫婦ほど
互いに感じる愛情は大きいという。

愛は名詞ではなく動詞である、とも言う。
愛に関しては、とにかく行動した人の勝ちだ。

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小野麻利江 12年12月23日放送

KYR
愛のはなし 永六輔

「好きな人に告白する言葉を教えて」
小学6年生の女の子が、
あるラジオ番組に、そんなほほえましい質問を寄せた。
それに回答したのが、作詞家の永六輔。

言葉は一番大切です。
でも、好きな人に
「あ、この子好きだな」とか
「いい人だな」と思われるには、
「おなべをいっしょに食べて同じものをおいしいと思う」
「夕やけを見て、両方が美しいなと思う」
というような
同じ感動を同じ時点で受け止めるのが、一番効果があります。

そうすると、使いあっている同じ言葉に
ドキンとすることがあって、
それが愛なんです。

6年生の女の子に、これがどう響いたかはわからない。
しかし、このエピソードを紹介したインターネットの投稿は
またたく間に広まり、
多くの大人たちの心を震わせた。

いっしょに過ごす。いっしょに感動する。
「上を向いて歩こう」を生んだ作詞家が、
またひとつ、シンプルだけど忘れがちなことを
教えてくれた。

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石橋涼子 12年12月23日放送


愛のはなし トゥリア・タラゴーナ

ルネッサンス時代に生きた女性、
トゥリア・ダラゴーナはこう語る。

 「愛する」とはある意味で受け入れることです。
 私の考えでは、愛されるということばの方が、
 受動的ではなくて、能動的だと言えるでしょう。


彼女の職業は、芸術家や貴族を顧客とする高級遊女だった。
軽々しく愛を語る男の本心を試すような
魅惑的な女性だったのだろう。

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茂木彩海 12年12月23日放送

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愛のはなし 向田邦子と向田和子

たとえ家族でも、この世で出会えたことは奇跡だ。

昭和の時代、心の機微を描いた作家。向田邦子。
そんな彼女だからこそ、
身近な人に掛ける言葉は、その視線は、
とてもあたたかく、家族からも愛されていたという。

特に妹の和子は、邦子の一番のファン。

仲のよかった2人は、昭和53年、一念発起し
東京都港区赤坂で小料理屋「ままや」を開店した。

コンセプトは、「女性が一人でも気軽に寄れるお店」。

「鯵の干物とポテトのサラダ」や、「さつま芋のレモン煮」など
他のお店にはちょっとないような、
料理好きだった二人が楽しみながら試行錯誤してつくったお惣菜の数々が並んだ。

家族という一番身近な存在だったからこそ
なかなか伝えられないありがとう。

この2人だって、例外ではないけれど、
ある日、一緒に食事をした帰り道。
交差点で信号待ちをしている時に邦子は、和子にこう言った。

あなた本当にいいやつだねって、
私、ずっと思ってるんだよ。

照れながら、何気なく。
この冬こそ、身近な人に愛の言葉を。

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茂木彩海 12年12月23日放送

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愛のはなし イングリッド・バーグマン

最も偉大な女優50人に選ばれた
イングリッド・バーグマン。

21歳で結婚するも、映画監督
ロベルト・ロッセリーニの作品を見て
その才能に惚れこみ、仕事と家庭を捨てて愛に生きた。

そんな彼女の代表作。
「誰がために鐘は鳴る」の中にこんな台詞がある。

 私はまだキスした事がないのよ。鼻をどうするの?

恋愛だって受け身にならない。
いつの時代もいい女の定義は、きっといっしょ。

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熊埜御堂由香 12年12月23日放送


愛のはなし 太宰治の恋愛論

恋愛とは何か?
人間の普遍のテーマに作家・太宰治はこう答えた。

それは非常に恥ずかしいものである。

恥にまみれながらも、
愛さずにはいられない。
それは太宰の生き方そのものだ。

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熊埜御堂由香 12年12月23日放送

そのまんま狸
愛のはなし 100万回生きたねこ

作家・佐野洋子のベストセラー絵本
100万回生きたねこ。
主人公のねこはいろいろな飼い主に愛されながら、
100万回死んで100万回生きかえる。
100万回目の生で
はじめて恋をして愛することを知った。
野良ねこと結婚し、子どもをつくり、そして老いていく。
ラストの一文はこうだ。

 ねこは もう、けっして 生きかえりませんでした。

分かりやすいハッピーエンドではないのに
なぜか心が温まる。それは愛の一番美しい形が
描かれているからかもしれない。

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