藤本宗将 12年12月29日放送



5番目のムーンウォーカー:アラン・シェパード 4

アポロ14号の宇宙飛行士アラン・シェパードによる
月面ゴルフ計画は、全米の注目を集めた。
テレビ局は”GOLF ON THE MOON !”というタイトルの特番まで組んだ。
人々の関心は、ただ一点。

重力が地球の6分の1しかない月では
いったいどれほどボールが飛ぶのか?

シェパードの6番アイアンの平均飛距離は150ヤード。
単純計算すると900ヤードのスーパーショットが生まれることになる。

用意したボールは3個。

世界が固唾を飲んで注目した1打目は、失敗。
しかし2打目、3打目は手応えがあったのだろう。
シェパードは無邪気に叫んだ。
「どこまでも飛んで行ったぞ!」(Miles and miles and miles!)

もっとも実際には月の砂埃がひどくて
肝心のボールの行方はまるで見えなかった。
後に試算したところ、どうも200〜400ヤードしか飛ばなかったらしい。

すべてをはっきりさせないほうがいいこともある。
特に、夢と呼ばれるようなものは。

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