2013 年 9 月 15 日 のアーカイブ

五島のはなし(184)

ずいぶん書いてませんでした。
いろんな事が急激に変化する時代ですから、五島にもいろんな変化がありました。
その代表格が、五島のジャニスがカフェをオープンさせたことです。



五島のジャニス、っていうのは、ずいぶん前にこの五島のはなしで書いた
ぼくの同級生です。ソウルフルでパッションのこもった発言をするので
五島のジャニス、と勝手に呼んでいます。彼女が五島にあたらしくカフェをオープンさせた、
しかも名前は「たゆたう」だと聞いて、そりゃもう、ヒッピームーブメントやな、
ドアを開けたら五島のジミヘンとか五島のジムモリソンが集ってるんやろうな、
と想像しながら、おそるおそる行ってみたら、、、



きれいで、おしゃれなカフェでした。

清潔な店内で、気分がいいです。
店主である五島のジャニスも、もうなんだか、ジャニスじゃないです。
白いシャツに身を包み、さっそうと店内を歩いています。
さわやかな風が吹いています。五島のカーペンターズです。



みたいな感想をのべつつ、店主と久しぶりに話してみたら、
話す言葉はやっぱりソウルフルでパッショネイトでした。
店はさわやか、話せばジャニスです。

五島市のフェリー乗り場から近く、すぐ前には五島市の歴史資料館もあります。
店内には、五島市のキャラクター「つばきねこ」のぬいぐるみも売ってました。
あんまりかわいかったので、思わず一匹連れて帰りました。



五島のジャニスがやってる、ナイスなカフェ。たゆたう。
五島にお立ち寄りの際は、あなたも、たゆたいませんか。というか、たゆたうべきです。

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松岡康 13年9月15日放送

vinirusso
老いても踊る

舞踏家大野一雄。
103歳で亡くなるまで、現役を貫いた。

20代でダンスを志す。
32才で太平洋戦争に出征。
やっと帰国できたのが40才。
デビューは、43才の時だった。

生と死の意味にこだわる彼のダンスは、
技術や形(かた)にとらわれない、魂の表現だった。

90歳を越えても、彼は踊った。
足が不自由になっても、車いすに座り、手だけで踊った。
世界の人々が、老人のダンスに感動した。

大野はいう。
魂が先行して、最小限の肉体がついていく。
そういう踊りをやらなくてはいけない。

老いた身体にしかできない、ダンスだった。


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礒部建多 13年9月15日放送

IanJMatchett
老いても歌う

平均年齢80歳。
ご長寿ロック合唱隊、ヤング@ハート。
その中心で指揮を取るのは
一番の若手である59歳のボブ・シルマン。

歩行器や、呼吸器をつけながらも
クラッシュ、ボブ・ディランなど
ロックを力強く歌い上げる老人たち。
その練習に、ボブは一切妥協を許さない。


難しいパートでも、
常に高いレベルを求めて
徹底的に練習をさせる。
それでも出来ない場合は
担当のコーラスから外すこともある。

 老人だからと言って、特別扱いなんかしない。

そこには老人に対する、
ボブなりの尊敬の念が込められている。
だからメンバーは、体中の痛みを忘れるほど
歌うことに本気になれる。

ボブのその姿勢が、
メンバーに新たな生きがいを与えているのだ。


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澁江俊一 13年9月15日放送


日本のおじいさん

日本のおじいさんを演じたら
右に出るものがいなかった俳優。
彼の名は、笠智衆。

初めて老け役を演じたのは、なんと32歳。
小津安二郎監督作品「一人息子」だった。
以来、小津作品の常連になり、
後に山田洋次監督「男はつらいよ」で
柴又の住職、御前様を演じ続けた。
小津を敬愛する映画監督ヴィム・ヴェンダースは
映画「東京画(とうきょうが)」撮影のため
1983年、笠智衆にインタビューしている。

小津はなかなか笠の演技にOKを出さない。
同世代の俳優が息子を演じる現場で、
ひとり、おじいさん役を演じるのは
とてもむずかしかったという。
フィルムに映るすべてを計算しつくし、
偶然には何の期待もしなかった小津。
年も若く、熊本の訛も抜けない朴訥とした笠の演技に
小津は何を求めたのだろう。

もしかしたら小津は、
すでに日本から失われつつあった、
おじいさんという残像を笠智衆に
求めていたのかもしれない。


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奥村広乃 13年9月15日放送


老いらくの恋

人は、何歳まで恋ができるのだろう。

昭和23年の12月。
戦後間もない日本で、ある男が自殺を図った。
歌人、川田順。
恋に思い悩み、苦しみ、死をえらぼうとした時、
彼は68歳だった。

若き日の恋は、はにかみて
おもて赤らめ、壮士時(おさかり)の
四十路(よそじ)の恋は、世の中に
かれこれ心配れども
墓場に近き老いらくの
恋は、怖るる何ものもなし。

「老いらくの恋」という言葉は、
川田の詠んだこの歌からうまれた。

いくつになっても男と女。
これほどまでの大恋愛を、
うらやましく思う人も
少なくないのでは無いだろうか。





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澁江俊一 13年9月15日放送


反対する老人

1970年に40万枚を売り上げ
スマッシュヒットを遂げた不思議な歌がある。
タイトルは「老人と子供のポルカ」。

歌っていたのは
黒澤明映画の常連だった左卜全。
76歳という年齢は当時
史上最高齢の新人歌手として話題になった。
バックコーラスは劇団ひまわりの
子役からなる「ひまわりキティーズ」。
まさに、老人と子供だ。

♪やめてケレ やめてケレ やめてケーレ ゲバゲバ

この ゲバゲバ が、
2番ではジコジコになり、
3番ではストストとなる。

それは当時の社会問題だった
学生運動、交通事故、ストライキのこと。
子供と老人がいちばんの被害者だからこそ
不思議な歌詞と、とぼけた歌い方で
彼らがコミカルに歌うことで、大ヒットした。

あれから30年以上たった今。
当時では想像もできないくらい
いろいろなことが起きてしまった日本で
2013年の老人と子供は
何に対して、やめてケレ!と歌うのだろうか。


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礒部建多 13年9月15日放送


老いても握る

ミシュラン6年連続3つ星を獲得。
世界中の美食家に愛されてやまない
すきやばし二郎店主、小野二郎。

87歳にして、未だ現役の寿司職人。
現役を維持するために
毎日40分をかけて歩き、店に向かう。
外出時には、指を保護するために
手袋を欠かさない。

生涯の全てを、寿司に捧げてきた小野。
今まで仕事の不平不満なんてものは、
一切口にしたことがない。

 修行は一生終わらない。
 技を磨くことに人生を賭けなきゃ。


二郎は、今日も銀座で寿司を握る。
その腕は日を追うごとに、磨かれ続けていると言う。


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松岡康 13年9月15日放送


老いを描く

105歳まで生涯現役を貫いた日本画家、小倉遊亀。

彼女が70歳を過ぎてから
盛んに取り組んだモチーフが梅だった。

人間は年老いて
老醜のみじめさを味わわねばならないが、
梅は年老いて美にますます深みを増す。

遊亀の描く梅は、歳をとるたびに
よりつややかに、より美しくなっていった。

彼女は語る。

老いて輝く。
60代までは修行。70代でデビュー。

女として、画家として。
輝き続けた晩年だった。


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奥村広乃 13年9月15日放送

さちどん
老いることの物語

「死んだら、どうなるんだろ」

幼いときの、素朴な疑問。

湯本香樹実の小説『夏の庭The Friends』は、
町外れに暮らす老人の死を、
目撃しようとする少年たちの物語。
海外でも高く評価されている。

最初は、老人が息をひきとる瞬間を
心待ちにしていた少年たち。
しかし、交流をかさね、
心をかよわすごとに気持ちが変化してゆく。

もしかすると、歳をとるのは楽しいことなのかもしれない。
歳をとればとるほど、思い出は増えるのだから。

若いと楽しい事が多い。
老いると楽しい事は減る。
つい、そう思うときもある。
だが、自分自身の人生に「楽しさ」を
積み重ねていくことが出来れば、
歳をとることは楽しいと思えるのかもしれない。


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