渋谷三紀 16年8月27日放送

160827-03

いぬのはなし ビクターのニッパー

蓄音機のホーンを覗き込むフォックステリア。
日本ビクターのトレードマークとして
かつて街中の電気屋でよく見かけたキャラクター犬は、
ニッパーという実在する犬がモデルになっている。

ニッパーは1884年のイギリス生まれ。
マークという画家の愛犬として三年を過ごすが、
マークが病気で亡くなり、
同じく画家の弟フランシスにひきとられた。

ある日、亡き兄の声を蓄音機で流したところ、
ニッパーはホーンを覗き込み、耳を傾け続けた。
まるで主人を懐かしむようなニッパーの仕草に
胸を突かれたフランシスが描いた一枚の絵が、
巡り巡って日本の企業で使われることになった。

日本にはハチ公がいて、イギリスにはニッパーがいる。
人に尽くす忠犬の物語に、人は弱い。

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