2017 年 5 月 13 日 のアーカイブ

厚焼玉子 17年5月13日放送

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5月の花 ゲンノショウコ

江戸時代から副作用のない民間薬として
親しまれてきたゲンノショウコは夏の花だが
5月の季語にその名を連ねている。
旧暦の5月はすでに夏だったのだ。

ゲンノショウコの学名、ゲラニウム・ツンベルギーは
江戸の末期に日本を訪れたスエーデンの植物学者
カール・ツンベルクの名前をいただいている。
ツンベルクは将軍に拝謁するために
長崎の出島から江戸への旅をし、
その道中で800種類を超える植物を採集して標本にした。

ツンベルクは日本の植物を研究した初めての西洋人だった。
日本の植物は、このときはじめて
近代分類学と出会ったのだった。


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厚焼玉子 17年5月13日放送

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5月の花 ウコギ

ウコギはウドやタラの芽と同じウコギ科の落葉樹。

江戸中期、
極端な財政難に陥った米沢藩を立て直した名君、上杉鷹山は
武家屋敷の生垣にウコギを奨励した。
ウコギは幹に棘があるために防犯に適しているが、
何よりもその葉が食べられるのがありがたかった。
当時、貧乏のどん底にいた人々は
春から夏にかけて、次々と伸びてくるウコギの若葉を食べ、
茹でたものを干して保存しては窮乏に備えた。

米沢の武家屋敷では今でもウコギの生垣が残り、
初夏には白い花を咲かせる。


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厚焼玉子 17年5月13日放送

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5月の花 牡丹

花の王さまといわれる牡丹。
島根県の宍道湖(中海)に浮かぶ大根島は日本一の牡丹の産地。
昭和の半ば頃は、島の女が背負い籠に苗木や鉢植えを入れて
行商に歩いた。

ひと月も家を空けるのは当たり前、
ときには半年も帰れない。
そんな様子を目にして逆転の発想をしたのが門脇由蔵(よしぞう)だった。
売り歩くのではなく、来てもらえるようにすればいい。

牡丹で観光客を呼ぶという由蔵の夢は、
息子の栄(さかえ)の手によって実現する。
昭和50年、一年を通して花が楽しめる牡丹の庭、
由志園(ゆうしえん)が完成。
今では年間30万人の観光客が訪れている。


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厚焼玉子 17年5月13日放送

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5月の花 マロニエ

マロニエの花は5月に咲く。
マロニエは5月の季語でもある。

「アンネの日記」を書いたアンネ・フランクは
ナチスに追われて一家で避難したアムステルダムの隠れ家の窓から
一本のマロニエの木を見つめていた。
毎日息をひそめ、外へも出られない生活のなかで
マロニエは季節の変化を教えてくれる大事な友だちだった。

マロニエはやがて
アンネ・フランクの木と呼ばれるようになった。

2010年、年老いて半ば立ち枯れていたマロニエは
強風で倒れてしまった。
けれども、その苗木は世界各地に送られ、
平和の象徴として大事に育てられている。


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厚焼玉子 17年5月13日放送

170513-05 nekonomania
5月の花 ひなげし

ひなげし。
別名を虞美人草。

明治40年の5月だった。
夏目漱石は上野から浅草を散歩した帰り道、
名前を知らない鉢植えの花に目を留めた。
植木屋に尋ねると虞美人草だという。
漱石はふた鉢を買い求めた。

花の重さに細い茎が撓む様子も
花びらの縮れ具合も
なまめかしく美しいと漱石は思った。

漱石の初めての新聞小説「虞美人草」の連載が始まったのは
それから一ヶ月後のことである。


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