2018 年 3 月 18 日 のアーカイブ

佐藤日登美 18年3月18日放送

180318-01

お金 マリリン・モンローとハリウッド

今もなお愛されるアメリカの女優、マリリン・モンロー。
彼女はハリウッドのことをこう評した。

 ハリウッドは、キスには1000ドル払ってくれるけど、
 人間性には50セントしか出してくれないようなところよ。

映画会社が儲かることばかりが優先され、
女優の気持ちは二の次にされていたハリウッド。
セックスシンボルと呼ばれた彼女だからこその、
皮肉っぽい、でもユーモアも交えた答え。
今のハリウッドを見ても、彼女は同じことを言っただろうか。

マリリンは、こんな言葉も残している。

 お金がほしいんじゃないの。
 ただ、すばらしい女性になりたいだけ。

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佐藤日登美 18年3月18日放送

180318-02

お金 太宰治と貯金

太宰治は、貯金がないことを
小説家という職業のせいにした。

 少し辯解めくけれども、
 私の職業は貯蓄にいくぶん不適當なのではあるまいか、とも思はれる。
 はひる時には、年に一度か二度、
 五百圓、千圓とまとまつてはひるのだが、
 それを郵便局あるひは銀行にあづけて、ほつと一息ついて、
 次の仕事の準備などをしてゐる間に、
 もう貯金がきれいに無くなつてゐる、
 いつのまにやら、無くなつてゐるのである。

その理由を、
自分は耳たぶが大きくないから福が足りないのだと言い訳してみたり、
いやでもあばらやにしか住んでいないのに、と卑下してみたり。
さまざま書き連ねたあと、こう綴った。

 結局、私は、下手なのである、やりくりが上手でないのであらう。
 再思三省すべきであらう。

貯金ができない理由は自分にあることは、自覚しているようである。

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蛭田瑞穂 18年3月18日放送

180318-03

お金 デヴィッド・グレーバー

貨幣はどのようにして生まれたのか。
アメリカの文化人類学者デヴィッド・グレーバーの研究によれば、
貨幣が生まれたのは紀元前約3000年のメソポタミア、シュメール文明。
貨幣は官僚によって発明され、都市に貯蔵される資材の管理や
物資のやりとりに使われた。
そして、その貨幣は金属ではなく、粘土板に刻まれた印だったという。

グレーバー教授はこう語る。

 物々交換から貨幣が生まれたのではない。
 わたしたちがいま「仮想通貨」と呼んでいるものこそが最初にあらわれ、
 硬貨はそれよりはるかにあとに出現したのである。

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蛭田瑞穂 18年3月18日放送

180318-04

お金 カネゴン

子ども向けの特撮番組「ウルトラQ」の脚本家山田正弘と
怪獣デザイナー成田亨が生み出した怪獣「カネゴン」。

頭はガマ口で口にはファスナー。
体は10円玉のような銅の色。
胸にはレジスターのカウンターがついていて、
食べたお金がカウントされていく。
カウンターがゼロになると死んでしまうため
絶えずお金を食べ続けている。

「ウルトラQ」の放送が始まったのは
高度成長時代真っ只中の1966年。

大人だけでなく子どもまでもが
お金お金と口にするようになった世の中に対する風刺から
怪獣カネゴンは生まれたという。

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蛭田瑞穂 18年3月18日放送

180318-05
Morgacito
お金 タックスマン

ビートルズが1966年に発表したアルバム
『リボルバー』に収められた楽曲『タックスマン』。
高額の税金を徴収する政府に対して、
ジョージ・ハリスンが強烈な皮肉を飛ばしている。

 お金の取り分について説明しましょう。
 あなたが1、私が19。
 なぜなら私は税務署の者ですから。
 5%では不服ですか?
 むしろ全部ぶんどられないだけ感謝すべきです。
 なぜなら私は税務署の者ですから。

ジョージが歌うように、当時のイギリスでは高額所得者に対し、
95%もの高い税率を課していたという。

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森由里佳 18年3月18日放送

180318-06
Jomjakkapat Parrueng
お金:買い物を拡げてくれる言葉

私たちは買い物をする。
必要なものや、欲しいもの。
お財布と相談したり、しなかったりしながら、
ほとんど毎日、買い物をする。
それは、うきうきする時間ばかりではないけれど、
買い物カートを押すその瞬間を、
人生をときめかせるスイッチに変える、
魔法の言葉を紹介します。

 人生って買い物カートみたいなものなの!
 私たちひとりひとりカートをもってる、そして世界はスーパーなの!
 世界はすばらしい物でいっぱい…
 あなたのカートを押して行くのよ、チャーリー・ブラウン!

こう言ったのは、黒髪の女の子、ルーシー

お店の棚から何かを手にとるたび、
彼女の声を思い出してみてください。

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森由里佳 18年3月18日放送

180318-07

お金 お金と幸せ

世界中で愛されるチャーリー・ブラウンの親友は、
ビーグル犬のスヌーピー。

あるときチャーリー・ブラウンは、スヌーピーにこういった。

「ぼくらのような友情は世界中のお金にも代えがたいね・・・」

すると、スヌーピーはこう思う。

「とは言え、ちょっとお金があったら、もっとクッキーが買えるのに・・・」

お金で買えない友情を思うチャーリー・ブラウンと、
お金で買えるクッキーを思うスヌーピー。
一見正反対に見えても、「幸せ」という意味では同じこと。

お金で買える幸せもあっていい。
そんな意見も、
チャールズ・M・シュルツにかかれば
こんなにチャーミングなひとコマになる。

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森由里佳 18年3月18日放送

180318-08

お金 お金と大人

チャールズ・M・シュルツの人気作“ピーナッツ”の中には、
魅力的な登場人物がたくさんいる。
黒髪のちょっといじわるな女の子、ルーシーもその一人。

大人には言いにくいことも、ルーシーは平気で言い放つ。
たとえば、

 私、このチャリンっていう冷たいキレイなお金の音が大好きなの!
 たまんないわこの音! チャリンチャリンって
 お金の音ってなんて素敵なの!

ルーシーが好きなのは、
お金じゃなくて、お金の音。
その音が生み出す楽しさだ。

美味しい!とか、幸せ!とか、楽しい!とか、
お金より、“お金が生み出すもの”のほうを大切に思う。
そんな人が送る人生はきっと、
本当の意味でゆたかになるのだと思います。

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