渋谷三紀 19年2月9日放送



スキャンダル文学史 らいてう、理由なき心中

明治四十一年、
ある女性の捜索願いが出された。
平塚らいてう。
のちに女性解放運動家となる彼女。
栃木の塩原温泉に
森田草平といるところを発見され、
心中未遂として調べを受けた。

よくある男女関係のもつれかと思いきや
ふたりの間にそれはなく、
理由らしい理由も見つからなかった。

事態をおさめるため
森田の師である夏目漱石は二人に結婚を勧めたが、
その提案をらいてうは一蹴した。

ありきたりはいらない。
らいてうの中には一本通った筋があった。

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