村山覚 14年11月22日放送

141122-01

織田作之助・一枝との出会い

昭和の文豪、織田作之助は二十歳を過ぎた頃、運命の人に出会う。
織田が通っていた旧制高校近くのカフェ「ハイデルベルヒ」で
働いていた同い年の女性、宮田一枝だ。
すらりと背が高く、美貌の持ち主である一枝は近所で評判だった。
カフェに住み込みで働いていた一枝と同棲するために、
二階の部屋に梯子をかけて連れ出したというドラマチックな逸話も残っている。
織田の代表作『夫婦善哉』には、大阪から東京行きの汽車に乗って
駆け落ちするシーンが描かれている。もしかしたら、一枝を二階から
連れ出した時のことを思い起こしながら、書かれたのかもしれない。

  柳吉が梅田の駅で待っていると、
  蝶子はカンカン日の当っている駅前の広場を大股で横切って来た

女の決意を感じる名シーンである。

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