![110618-01alis](http://www.01-radio.com/vision/wp-content/uploads/2011/06/110618-01alis.jpg)
ルイス・キャロルとアリス
不思議の国のアリスは、
ひとりの少女のために紡がれた物語。
当時10歳の実在の少女アリス・リデルに
「何かお話を聞かせて」とせがまれて、
ルイス・キャロルは、思いつくままに話しはじめた。
目の前にいるアリスがはっと息をのみ、
ころころと笑うために。
ルイス・キャロルの想像力は広がっていく。
人間のような動物たちが、
不思議な物語をくりひろげていく。
その3年後、物語は本になり出版されたが
即興のストーリーを書き留めるように頼んだのも
アリスだった。
不思議の国のアリスは
最初の出版から150年にもなるが
いまだに音楽、絵画、文学など芸術の世界に影響を与えつづけている。
![110618-02romeo](http://www.01-radio.com/vision/wp-content/uploads/2011/06/110618-02romeo.jpg)
ロミオとジュリエット
ロミオとジュリエットは、もしかすると
悲劇ではないのかもしれない。
シェイクスピアの四大悲劇といえば、
ハムレット、オセロー、マクベス、リア王。
ロミオとジュリエットは、そこには入らない。
純粋なまま美しく終わる恋は、
悲劇ではないのかもしれない。
家族からの圧力や
すれ違いから生まれる亀裂で、
恋心が擦り切れていくほうが悲劇なのかもしれない。
ロミオとジュリエットのように
美しく終われない物語を、私たちは生きていく。
いつ終わるかわからない物語を、
ハッピーエンドにしたいと願いながら。
![110618-03chaplin](http://www.01-radio.com/vision/wp-content/uploads/2011/06/110618-03chaplin.jpg)
チャップリン
喜劇王とよばれたチャップリンは、
幼い頃はまさに悲劇の主人公だった。
芸人だった父は酒におぼれ、
女優だった母は精神の病を患う。
食べるものも乏しい家で、
母が披露してくれる芝居や朗読に、
チャップリンは魅了された。
やがて彼も、喜劇やものまねで、
笑いをとるようになる。
5歳で初舞台を踏んだ彼は、
12歳になると新聞で名子役と評されるほどになる。
悲劇を生きぬいたチャップリンは、
こんな言葉を残した。
人生は近くで見ると悲劇だが、
遠くから見れば喜劇である。
![110618-04elphant](http://www.01-radio.com/vision/wp-content/uploads/2011/06/110618-04elphant.jpg)
まど・みちお「ぞうさん」
誰もが口ずさんだ童謡、「ぞうさん」。
リズム感のいいやさしい言葉に、
詩人まど・みちおの想いが宿っている。
ぞうさん ぞうさん お鼻が長いのね
そうよ 母さんも長いのよ
小ゾウは、長い鼻をからかわれても、
大好きなお母さんの長い鼻を思い出して、
むしろ誇らしそうにする。
この歌は、
「ゾウに生まれてうれしいゾウの歌」だと
まど・みちおは語る。
違いがあるから素晴らしいのに、
人と比べて一喜一憂してしまうのは、
もったいない。
その想いから、「ぞうさん」はうまれた。
まど・みちおの童謡が心地よく響くのは、
しらずしらずのうちに、
その想いを感じているからかもしれない。
![110618-05sanpo](http://www.01-radio.com/vision/wp-content/uploads/2011/06/110618-05sanpo.jpg)
まど・みちお「散歩」
詩人まど・みちおは、ゆっくり歩く。
家からポストまで、
さぁっと歩けば20分ほどの距離を、
あっちを見たり
こっちを見たりしながら
一時間かけて歩く。
まど・みちおには、世界はこう見えている。
いつも通っている道、
見慣れた景色だと思っても、
もうほんとに驚くことばかり。
アリだってちゃんと
影を連れて生きてるのを発見したときは、
なんだか花束でももらったみたいな気分でした。
いつもの道を、ゆっくり歩く。
そんな贅沢を味わってみませんか。
せめて、お休みの日だけでも。
![110618-06hokusai](http://www.01-radio.com/vision/wp-content/uploads/2011/06/110618-06hokusai.jpg)
葛飾北斎
葛飾北斎は、
30回も名前を変えている。
自らの過去にとらわれない
新たな作品を世に送りだすために。
思うまま生きるために。
北斎は名前を変えていく。
美人画、風景画、漫画。
筆のおもむくままに、
湧き上がるものを表現するには、
30もの名前が必要だった。
明日は、日曜日。
仕事も本名もお休みにして、
新しい名前を使えるとしたら。
さて、何をしましょう。
![110618-07apple](http://www.01-radio.com/vision/wp-content/uploads/2011/06/110618-07apple.jpg)
白雪姫
白雪姫は、過ちを繰り返したから、
王子様に出会えた。
魔女が化けたお婆さんから、
ドレスを飾る美しい紐を買って、
胸をきつく締めあげられる。
毒のある櫛を使って、倒れてしまう。
小人に助けてもらっても、また騙されて、
毒りんごを食べて死んでしまう。
手を尽くしても生き返らなかった白雪姫を
七人の小人がガラスの棺に納めたとき
王子さまがやってきて
白雪姫は息をふきかえす。
過ちを3回も繰り返して、
やっと王子様に出会えた、白雪姫。
賢いお姫様だけが、
幸せになれるわけではないのだ。
過ちを悔いる夜は、きっと
白雪姫がなぐさめてくれる。