中村直史 12年4月15日放送


Berliner Büchertisch
いつまでも素敵な女性/ハイデマリー・シュベルマー

そして、その女性は、一文無しになってしまった。
理由は、借金をつづけたからでも、事業に失敗したからでもない。
ただ、お金を持っていたくなかったから。

ドイツに住むハイデマリー・シュベルマー。
お金にふりまわされるこの世界はどうもおかしい、と、
ある日、持っているお金をすべて手放した。
家も手放し、年金も放棄。
市場で捨てられた野菜をわけてもらい、
スーパーの掃除をした見返りに果物をもらい、
友人宅を泊まり歩く。

 すべてがなくなったら、一気に開放された気持ちで、
飛びあがりたいほどうれしかった!

そうにこやかに語るハイデマリー。
世の中の人は言う。あなたのようには生きられない、と。
・・・でもぜひ話を聞かせてほしい!いつでも泊まりにきて!
そうやって、つぎからつぎへと、彼女の生活を支える人はふえていく。

一文無しになって14年。
お金にしばられた世界のおかしさを訴えつづけるハイデマリーの生き方は、
実は、世界がやさしい気持ちに満ちていることも、示している。

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