熊埜御堂由香 12年11月04日放送



空のはなし 横尾忠則 天空からの視線

生まれてすぐに養子になり、
50代の両親にひとり息子として
大切に育てられてきた。
自分がいかなる星のもとに生を受けたのか
少年はよく空想した。

アーティスト、横尾忠則。
イラストレーター、グラフィックデザイナー、小説家など
自分から湧き出る表現の限りをつくしてきた。

70年代のはじめに
横尾は超常現象に深く興味をもつようになる。
UFOが見たい、そう心に決めて以来
何年もただひたすら空を見上げていた。
あるとき、やっとUFOが見えた。
見えだしたら、もうやたらと
見えるようになった。
友人が、僕もUFOを、探しているけど見えないな
とからかうと、横尾は真面目にこう返した。
1年や、2年じゃ話にならないよ、と。
祈りをこめたのか、無心なのか、とにかく横尾は空を見上げた。
この徹底的な繰り返しはのちに横尾の芸術スタイルにもなった。

そして現在76歳。
横尾忠則はこう言う

 ぼくは常に星からの視線を感じながら生きている。
 あの宇宙から出発してあそこへ還るのだなぁという実感である。

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