2012 年 11 月 10 日 のアーカイブ

蛭田瑞穂 12年11月10日放送


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映画音楽のマエストロ①ルドヴィコ・エイナウディ

2011年のフランス最大のヒット映画『最強のふたり』。
今年の秋日本でも公開され、話題を呼んだ。

この映画の音楽を手がけたのが
イタリアの作曲家ルドヴィコ・エイナウディ。

1955年、トリノに生まれたエイナウディは
ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院を創業後、
現代音楽の巨匠ルチアーノ・ベリオに師事し、研鑚を積んだ。

伝統的なクラシック音楽をベースにしながらも、
ロック、ポップ、フォークなど、
さまざまな分野の音楽を取り込み、
音を構築するエイナウディ。

その旋律が映画の世界を豊かに彩る。

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蛭田瑞穂 12年11月10日放送


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映画音楽のマエストロ②マイケル・ナイマン

イギリスの作曲家マイケル・ナイマンは
英国王立音楽院とキングス・カレッジ・ロンドンで
学んだのちに音楽評論家として活動を始めた。

1982年、ピーター・グリーナウェイの映画
『英国式庭園殺人事件』の音楽を手がけたことで
作曲家として注目される。

そして1992年、ジェーン・カンピオンの
『ピアノ・レッスン』の音楽により
彼の名は世界中に知れ渡る。

リズムの反復を多用するナイマンの音楽は、
「ミニマル・ミュージック」と呼ばれる。
反復するリズムに乗せて美しい旋律を構築するナイマン。
理論家らしい音の設計である。

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蛭田瑞穂 12年11月10日放送


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映画音楽のマエストロ③フランシス・レイ

1966年、当時まだ無名の監督だった
クロード・ルルーシュが製作した
『男と女』は世界的にヒットし、
カンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドールと
アカデミー外国映画賞を受賞した。

音楽を担当したのは、
やはり当時無名の作曲家フランシス・レイ。
この作品のヒットにより、作曲家の名もまた、
世界中に知られるようになった。

フランシス・レイには曲を書き始めて以来
続けている習慣がある。
それは夜にしか作曲しないこと。

『男の女』のロマンティックなメロディーが生まれたのも、
そのためかもしれない。

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蛭田瑞穂 12年11月10日放送



映画音楽のマエストロ④ミシェル・ルグラン

フランスを代表する作曲家ミシェル・ルグラン。

ルグランの出発点はジャズだった。
第二次世界大戦終了直後のパリでルグランは
マイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーンと出会い、
ジャズの技法を身につける。

このジャズがやがて、ルグランと
映画監督のジャック・ドゥミを引き合わせる。
当時ヌーヴェル・ヴァーグの作家たちは
新しい音楽を欲していた。ジャズがまさにそうだった。

その後、ルグランとジャック・ドゥミは
『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人』でコンビを組む。
この映画の成功により、ルグランとドゥミは
映画界における地位を確立した。

数々の映画音楽を手がけ、
現在までに3度のアカデミー賞と
5度のグラミー賞を受賞しているルグラン。
今年の秋には生誕80年を記念して、
ジャパンツアーもおこなった。

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蛭田瑞穂 12年11月10日放送



映画音楽のマエストロ⑤ヘンリー・マンシーニ

オードリー・ヘップバーン主演映画の音楽を
多く手がけたヘンリー・マンシーニ。

彼はまた「ピンクパンサーのテーマ」や
「刑事コロンボのテーマ」も作曲している。

作品によって曲の色をがらりと変えるのが
ヘンリー・マンシーニの持ち味。
『ティファニーで朝食を』の主題歌
「ムーン・リバー」も「ピンクパンサーのテーマ」も
「刑事コロンボのテーマ」も、
同じ作曲家のものとは思えないほど曲の顔つきが異なる。

ヘンリー・マンシーニのメロディによって
映画を記憶している。そんな人もきっと多いはず。

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蛭田瑞穂 12年11月10日放送



映画音楽のマエストロ⑥バート・バカラック

20世紀最大のメロディメーカーのひとり、
バート・バカラックは多くの映画音楽も手がけている。

1966年、『アルフィー』では
主題歌を担当し、グラミー賞を受賞。
『明日に向かって撃て』の主題歌「雨にぬれても」でも
1969年のアカデミー主題歌賞を受賞している。

長年の功績を讃えられ、バートバカラックは2008年、
グラミー賞の「永年功労賞」を受賞した。

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蛭田瑞穂 12年11月10日放送


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映画音楽のマエストロ⑦エンニオ・モリコーネ

イタリアの映画監督セルジオ・レオーネは
生涯に渡ってアメリカへの憧れをもち続けた。

出世作『荒野の用心棒』は、
アメリカの西部劇をイタリアで製作した、
いわゆるマカロニ・ウェスタン。

この映画の音楽を始め、
レオーネ作品の多くの音楽を手がけたのが
小学校時代からの親友である、
作曲家のエンニオ・モリコーネ。

厚い信頼関係によって結ばれていたレオーネとモリコーネは
先にモリコーネがつくった曲に合わせて、
映画のシーンを構想することもあったという。

セルジオ・レオーネが生涯の最後に
アメリカに捧げたオマージュ、
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の
音楽ももちろんエンニオ・モリコーネが担当した。

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