2012 年 11 月 18 日 のアーカイブ

佐藤理人 12年11月18日放送



007シリーズ50周年① イアン・フレミング

ケンカが強くて頭脳明晰。
女性にモテモテなイケメンスパイが、
秘密道具とスーパーカーで世界を救う。

男なら誰もが一度は憧れる男。
007ことジェームズ・ボンド。

この荒唐無稽なスーパーヒーローは、
原作者イアン・フレミングが
第二次大戦中にイギリス情報部で監視していた
実在のスパイを元に作られた。

彼が007シリーズを書き始めたのは、
自身の結婚式前夜のこと。

43歳にして初婚という

 恐怖心への解毒剤

だったと言う。

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佐藤理人 12年11月18日放送



007シリーズ50周年② ショーン・コネリー

初めての仕事は牛乳配達だった。
やがて男は世界を救うヒーローになった。

世界最長の映画シリーズ「007」。
初代ジェームズ・ボンド、
ショーン・コネリーの人生は、
その華麗な役柄とは正反対だった。

貧しい家に生まれ、中学卒業と同時に就職。
第1作「ドクターノオ」で
ボンド役に抜擢されたのは1962年のこと。
様々な職を転々とした後、
32歳で初めてつかんだチャンスだった。

頭髪が寂しくなりかけたこの無名の新人を見て、
原作者イアン・フレミングは猛反対したと言う。

それから半世紀。
彼を超えるボンドはまだ出ていない。

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佐藤理人 12年11月18日放送


johanoomen
007シリーズ50周年③ ジョージ・レーゼンビー

世界最長の映画シリーズ「007」。
その最大のピンチは第6作「女王陛下の007」で訪れた。

マンネリに飽きたとショーン・コネリーが役を降りたのだ。

二代目ジェームズ・ボンドは、
オーストラリア出身のモデル、ジョージ・レーゼンビー。
演技の経験はなかったが、
軍で格闘技の教官だった経験を買われての起用だった。

スター気取りになった彼はギャラの上乗せを要求、
断られるとたった一作で降板した。後に彼は、

 若さゆえの未熟さ、傲慢さが自分にはあった。
 あの時私は、輝かしいチャンスと
 失われていくチャンスを同時に目の当たりにした。

と語っている。

数々のトラブルにも関わらず、
「女王陛下の007」はシリーズ屈指の名作になった。

理由はボンドが初めて恋に落ち結婚する
素敵なラブストーリーであること。

そして最高に悲しくて
切ないエンディングを迎える作品であるからだ。

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佐藤理人 12年11月18日放送



007シリーズ50周年④ ロジャー・ムーア

ジェームズ・ボンドのピンチを救ったのは、
別のジェームズ・ボンドだった。

3代目007、ロジャー・ムーアは、
持ち前のユーモラスな演技で前任者のゴタゴタを一掃。
第8作「死ぬのは奴らだ」以降、
歴代最多の7作品でボンドを演じ、
シリーズの長寿化に貢献した。

 ユーモアのないサディスティックな
 バイオレンス映画なんて考えたくもない代物さ。

荒唐無稽なキャラクターを茶化すような彼の演技は、
007を暴力的なアクション映画から
家族そろって楽しめる娯楽大作に変えた。

コミカルなボンドが人気を博した理由。

それは国際社会で次第に発言力を失っていく、
イギリスの悲哀の裏返しであった。

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佐藤理人 12年11月18日放送



007シリーズ50周年⑤ ティモシー・ダルトン

最高の007は、最低の007でもあった。

4代目ジェームズ・ボンド、ティモシー・ダルトン。
彼はシェイクスピア俳優らしいシリアスさでこの役を演じた。

故ダイアナ妃に

 最もリアルなジェームズ・ボンド

と評された第15作「リビング・デイライツ」は
それまでで最高のヒット作となった。

ところが次作「消されたライセンス」では
暴力路線に走りすぎ、最低売上を記録。
ダルトンはたった二作で降板してしまう。

さすがのジェームズ・ボンドも、
売上には勝てなかったらしい。

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佐藤理人 12年11月18日放送


Rita Molnár
007シリーズ50周年⑥ ピアース・ブロスナン

ベルリンの壁が崩壊し、ソ連は解体。
かつての敵が味方になった90年代。

冷戦後の世界に、007の居場所を見つけること。
それが5代目ジェームズ・ボンド、
ピアース・ブロスナンの使命だった。

今までの4人をミックスしたキャラクターと
ソ連崩壊後の権力腐敗を描いたストーリーで、
第17作「ゴールデン・アイ」は
最高収益を大幅に更新。

その後も巨大メディア王や北朝鮮など、
時代とシンクロした敵を設定し、大ヒットを連発する。

007は見事、超娯楽大作として職場復帰を果たした。

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佐藤理人 12年11月18日放送


Caroline Bonarde
007シリーズ50周年⑦ ダニエル・クレイグ

かつてロジャー・ムーアは
ジェームズ・ボンド役を降りる理由を聞かれて

 これ以上やったら殺されてしまうから

と答えた。6代目ボンド、ダニエル・クレイグの意見は違う。

 ケガなんて楽しみの一つさ

と、全身傷だらけになりながら、
ほぼ全てのスタントを自らこなしている。

金髪碧眼という従来のボンドとはかけ離れた容姿に、
当初はバッシングが続出。
作品のボイコット運動にまで発展したにも関わらず、
21作目「カジノ・ロワイヤル」は
007シリーズ史上最高の収益を記録した。

クール一辺倒でなく、あえて感情を前面に押し出した演技も

 ショーン・コネリーを超えた!

と絶賛された上、コネリー本人からも
ベストなキャスティングと評された。

クレイグの目下最大の悩みは、有名になりすぎて、
バーで倒れるまで酔っぱらえないことだと言う。

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佐藤理人 12年11月18日放送



007シリーズ50周年⑧ ジェームズ・ボンド

恐らくそれは、
イギリスの意地だったのだと思う。

世界最長の映画シリーズ「007」。
主人公ジェームズ・ボンドは
祖国が病める時でも常に

 イギリス紳士かくあるべし

という理想であり続けた。

原作によれば彼は
様々な生活習慣病を抱えており、
医者から長生きできないと忠告されている。

それから50年。
今日もボンドは世界の平和を守り続けている。

ステアせず、シェイクした
ウォッカマティーニを傾けながら。

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