大友美有紀 12年11月17日放送


Francesco Gola
パウル・クレー「食卓の言葉」
フルッティ・ディ・マーレ

スイスで育った画家クレーは、海を見たことがなかった。
新鮮でおいしい魚介類を食べたこともなかった。
21才の時、ミュンヘンの画塾の友人と、イタリアへ旅立つ。
ヨーロッパの古典芸術を体感するためだ。
この時、彼は海の幸の数々も体感する。
婚約者のリリーにも、その感動を書き送っている。

 フルッティ・ディ・マーレは、ジェノヴァで食べただけ。
 赤みを帯びたタコのカタチをしたもので、油とお酢で
 味をつけた、とてもデリケートな味のするもの、
 船上でも食べましたが期待は裏切られませんでした。

 
フルッティ・ディ・マーレは、イタリアでは海の幸全般をさす。
クレーは料理名と勘違いしたのだろう。
しかしすっかり魅了された様子は伝わってくる。
この旅のあと、クレーの日記には
食事についての記述がたびたび登場する。

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