松岡 康 13年3月24日放送


別れとアパート

東京都渋谷区神宮前4丁目、
ファッションの中心として栄える表参道沿い。
2003年、そこに建っていたある建物が、街に別れを告げた。
同潤会青山アパートメント。

つたに覆われた外観に、
ケヤキ並木の影がおちる。
75年ものあいだ、
街にノスタルジックな表情を与えつづけた。

2006年。その敷地に建築家安藤忠雄による
表参道ヒルズが竣工した。
ケヤキ並木の高さを越えないようにおさえられたボリューム。
ガラスとコンクリートで
シャープに表現された、現代的な建築だ。

その片隅に、
まるで迷子のようにぽつりと建つレトロな建物。

人々の記憶に刻まれた景観を、継承したい。
そんな安藤の思いから、
同潤会アパートメントが部分的に復元されたのだ。

解体から10年。
今日もそのアパートは、かつての記憶を伝え
お客が足をよく運んでくれる一画になっている。


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