村山覚 13年12月29日放送



鬼が笑った話 パガニーニ

クラシック音楽史に
燦然と名を残すヴァイオリニストといえば、
ニコロ・パガニーニ。

今からおよそ200年前に、
そのずば抜けた演奏技術はヨーロッパ中の話題となり
「ヴァイオリンの鬼神」「悪魔に魂を売り渡した男」
などと言われていた。

ある国で演奏した際、国王がアンコール演奏を求めた。
しかし『パガニーニは二度繰り返さない』と断ったという。
自分の演奏を唯一無二だと自負していたパガニーニは、
作品が楽譜として出版されることも拒否し続けた。

またある時、求婚してきた女性に対して
『私のヴァイオリンをいつでもただで聴くつもりだな?』
と言ったというエピソードも残っている。

こんな鬼のような男が、表舞台から姿を消した時期がある。
ギターを弾く女性と同棲をして4年ほど姿を消していたのだ。
パガニーニが作曲したヴァイオリンとギターのための
二重奏曲からは、愛に溢れた生活が想像できる。

ヴァイオリンの鬼も、
愛する女性の前では屈託なく笑っていたのだろうか。

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