大友美有紀 14年3月8日放送

140308-03

「ミツバチ」夏目漱石

3月8日はミツバチの日。

夏目漱石は「三四郎」のなかで、
田舎の素朴なくらしの象徴として
ミツバチを登場させている。

東京に暮らす三四郎は、九州の母から手紙をもらう。
小作人の新蔵からハチミツをもらって、
毎晩焼酎に入れて飲んでいる。と書いてあった。
新蔵が蜂を飼い出した時の事を思い出す。
どんなふうに蜂をつかまえたのか、
巣箱を増やしたのか、得意げに語っていた。

母からの手紙で
三四郎は三つの世界ができたと感じる。
ひとつは、遠くにある。母とミツバチと新蔵の世界。
第二は、苔の生えたれんが造りの建物がある、学問の世界。
第三は、明るい電燈のもとに美しい女性がいる世界。
でも、自分はそのどこにも属していない。
しかし、戻ろうと思えば戻れる世界はある。
それは、第一のミツバチのいる世界だった。

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