© Mary Ellen Mark
その人になる ジョニー・デップ
愛してる、以外の告白の仕方。
映画『妹の恋人』で
風変わりな主人公のジョニー・デップが、
「愛してる、ジューン」
という場面がある。
それをジョニー・デップは
こんなふうに変えたかった。
「ジューン、僕はオネショするんだ」
彼の考えは、こう。
笑っちゃうほどバカっぽいけど、正直だろ。
オネショするなんて告白するのは
愛してる、というのと同じ。
ほんとうに愛してるからこそ、
誰にも言えないような秘密を告白するんだから。
でも、その提案は却下され、
ストレートな、愛してる、になった。
2014 年 3 月 29 日 のアーカイブ
名雪祐平 14年3月29日放送
名雪祐平 14年3月29日放送
その人になる ハーヴェイ・カイテル
映画『デンジャラス・ゲーム』で
俳優ハーヴェイ・カイテルが告白するセリフ。
「人を殺したいという衝動があったから
海兵隊に入った」
このセリフは海兵隊経験のある
ハーヴェイ・カイテルの本心だった。
人を殺したいと
思ったことがない人間なんて
信用できない。
人間の原始の感情を探求することこそ人生。
俳優として、
情感や考えを表現することについて
こう話した。
ぞくぞくする。
銃をとる以上に勇気がいることだ。
名雪祐平 14年3月29日放送
Jack Samuels
その人になる アル・パチーノ
映画『セルピコ』で新人警官を演じた
アル・パチーノ。
役作りのために、実在の人物と3週間、
生活をともにした。
ニューヨークの警察で、
組織の汚職、腐敗と独り闘う本人
に会ったとき、
その目の中に
心の広い一匹狼を見た。
と、アル・パチーノは言った。
もうひとつ、実在の男を演じた
『狼たちの午後』では
モデルの男には一切会わず、
独自の役作りに徹した。
この2つの映画、
どちらにも狼が、宿っていた。
名雪祐平 14年3月29日放送
c.United/Everett / Rex Features.
その人になる ロバート・デ・ニーロ
体重の話。
シャーリーズ・セロン +13kg
ラッセル・クロウ +20kg
クリアスチャン・ベール −30kg
ロバート・デ・ニーロ −15kg
そして、
ロバート・デ・ニーロ +27kg
俳優たちは役作りのために
自らの体重を見事に変え、化けてみせる。
映画の中の、その人になる。
デ・ニーロは撮影のために
歯まで矯正し、撮影後また改めて直した。
徹底したこだわりは
「デ・ニーロ・アプローチ」
という言葉まで生んだ。
この生身の人間の迫力。
コンピューター・グラフィックスで
再現できるだろうか。