2014 年 3 月 8 日 のアーカイブ

大友美有紀 14年3月8日放送

140308-01 Matthew T Rader

Photo by Texas Photographer, Matthew T Rader


「ミツバチ」ゲーテ

3月8日、今日はミツバチの日。
ドイツ人はゲルマン時代から
ハチミツを愛好していた。

ドイツ文学の第一人者ゲーテも、
ワイマールの庭の家、ガルテンハウスで
ミツバチを飼っていた。

ゲーテは当時の哲学者ヘーゲルの弁証法について、
白を黒と言いくるめるような詭弁であり、
それなら、自然を研究した方がよっぽどましだと言った。
ミツバチ研究のほうが精神衛生上健全だと。

ミツバチがなぜ、集団で蜜を探しに行き、
巣に戻ってくるのか、当時は謎とされていた。

 目に見えぬヒモにあやつられるようにして、
 あちらへいき、こちらへいきしている。
 しかしそのヒモの正体が何かは、
 私たちの知るところじゃない。

未知のものは未知のまま。
考える人間のもっとも美しい幸福だという。


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大友美有紀 14年3月8日放送

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「ミツバチ」トルストイ

今日はミツバチの日。
ロシアは古代から
ハチミツや蜜蝋の産地として有名だった。

トルストイもミツバチを飼っていた。
彼の生家、ヤースナヤ・ポリーニャ、
明るい林間の空き地という名の屋敷には
付属の養蜂場もあったという。

「戦争と平和」のなかで、
ナポレオンのモスクワ侵攻のとき、
ゴーストタウン化した町を
女王蜂を失った蜂群にたとえている。

そして後年「木の皮屋根のついた蜜蜂の巣の異なった二つの歴史」という
風刺小説も書いている。

雄鉢のから見た歴史と働き蜂から見た歴史。
支配階級と労働階級の二つの歴史だ。

帝政時代の厳しい検閲下では発表できなかった。

トルストイは、ミツバチに絶望と希望を見ていたのかもしれない。



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大友美有紀 14年3月8日放送

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「ミツバチ」夏目漱石

3月8日はミツバチの日。

夏目漱石は「三四郎」のなかで、
田舎の素朴なくらしの象徴として
ミツバチを登場させている。

東京に暮らす三四郎は、九州の母から手紙をもらう。
小作人の新蔵からハチミツをもらって、
毎晩焼酎に入れて飲んでいる。と書いてあった。
新蔵が蜂を飼い出した時の事を思い出す。
どんなふうに蜂をつかまえたのか、
巣箱を増やしたのか、得意げに語っていた。

母からの手紙で
三四郎は三つの世界ができたと感じる。
ひとつは、遠くにある。母とミツバチと新蔵の世界。
第二は、苔の生えたれんが造りの建物がある、学問の世界。
第三は、明るい電燈のもとに美しい女性がいる世界。
でも、自分はそのどこにも属していない。
しかし、戻ろうと思えば戻れる世界はある。
それは、第一のミツバチのいる世界だった。


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大友美有紀 14年3月8日放送

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「ミツバチ」みつばちマーヤ

今日はミツバチの日。

かつて「みつばちマーヤの冒険」という
アニメーション番組があった。
おしゃまな女の子みつばちが主人公のお話。

実は、この有名なお話は、
ボンゼルスというドイツの童話作家が書いたもの。
その物語全体を貫いているのは、
大自然への讃歌だ。

 桜と赤さんざしと、にわとこの花が、
 雲のように咲き乱れた中に、
 やすらっているかと見える、ある大きな庭園。
 その上に来かかったとき、
 マアヤは死ぬほど疲れきって舞い降りた。
 赤いチューリップの花壇の中へ落ちた彼女は、
 大きな花の一つにすがりついて、
 花びらにぴったり身を寄せると、
 深くうっとりと息づかいながら、
 その花のちらちら光るヘリごしに、
 輝くばかり青い空を眺めた。

ミツバチから見える世界の美しくしさに憧れてしまう。


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