三國菜恵 14年4月20日放送

140420-07
Karl Baron
先輩 石川さゆり

少女はある日歌い手になろうと思った。
小学一年生のとき、島倉千代子のステージを観たときに。

歌手・石川さゆり。
島倉千代子をリスペクトしつづけて歌い手になった。

自分がまだ何者でもなかった頃から
島倉は石川をはげましてくれた。

美空ひばり、島倉千代子、都はるみ、そして、さゆり。
あなたもこの先輩からの流れを自覚して頑張るんだよ。
そう言って、歴代演歌歌手のひとりとして扱ってくれた。

時にきびしく、言葉だけでなく、態度で鼓舞してくれたこともあった。
「先輩より早く仕事場に入ろう」と
石川が2時間前に現場に到着したら、
すっかり支度を済ませた島倉が彼女を待っていた。

いまはもう、島倉千代子という歌手はこの世にいないけれど、
石川の耳には彼女の「さゆり、しっかりしろ」という声が
聞こえるときがあるという。

いくつになっても、どんなかたちになっても、
先輩はすこし高いところから、
後輩を高めつづけてくれる。

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