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2014 年 8 月 9 日 のアーカイブ

飯國なつき 14年8月9日放送

140809-01 El Pelos Briseño
走る① ララムリ

走ることで、生きている民族がいる。
メキシコの険しい山岳地帯に住む、彼らの名は「ララムリ」。

彼らにとって、走ることは苦行ではないという。
「12時間でも14時間でも、夜を徹して走り続け、
誰がいちばん長く走れるか」
というゲームを楽しんでいるほどだ。

近くでウルトラマラソンが開かれると、
たくさんのララムリが参加し、上位を独占する。
ランニング専用のシューズやウエアを身につけた先進国の人々を、
ララムリは、わらじにスカートという普段着で、
軽やかに抜かしていくのだ。

ララムリに伝わる、こんなことわざがある。

 地の上を走り、地とともに走る限り、永遠に走ることが出来る。



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飯國なつき 14年8月9日放送

140809-02 flashcurd
走る② Runner

走るときに、音楽が大切な相棒になるという人は多い。
中でも人気のある曲のひとつが、
爆風スランプの「Runner」だ。

この曲は、爆風スランプのメンバー4人のうち、
ベースの江川ほーじんの脱退に際し作られた曲だった。

結成以来、苦楽を共にしてきた仲間が去ることになり、
しばらく放心状態だったサンプラザ中野。
彼がつづった歌詞からは、
感傷を振り切り、夢へと向かう強い決意が読みとれる。

 走る走る俺たち 流れる汗もそのままに
 いつかたどりついたら 君に打ち明けられるだろう
 たとえ今は小さく 弱い太陽だとしても



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蛭田瑞穂 14年8月9日放送

140809-03 Jimmy Walker
走る③ 村上春樹

作家村上春樹には旅先におけるひとつの習慣がある。
それは走ること。

ローマ、ハンブルグ、ホノルル、ボストン、ミコノス島。
ランニングウェアに着替え、ジョギングシューズを履き、
行く先々の町を彼は走る。

村上春樹は言う。

 旅に出て、その町を走るのは楽しい。
 時速10キロ前後というのは風景を見るには
 理想的な速度だろうと僕は思う。
 それぞれの町にはそれぞれの空気があり、
 それぞれの走り心地がある。
 僕はそういう町の表情を眺めながら
 のんびりと走るのが好きなのだ。




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森由里佳 14年8月9日放送

140809-04
走る④ 坂井義則

1945年、8月。
原爆が落ちた1時間半後のヒロシマで生まれた、坂井義則。

東京オリンピックで聖火リレーの最終ランナーに選ばれ、
大観衆の前で聖火を灯した。

日本が、被爆国という歴史を背負ったその日に生まれた坂井。
その彼が灯した、平和の祭典の幕開けを告げる炎は、
戦災からの復興を告げる、力強い赤だった。

坂井は、自分が選ばれた理由についてこう語る。

 無名の青年に、日本中の思いを、未来の平和を託したんだと思う。

オリンピックが再びこの国に戻ってくるまで、あと6年。
その聖火の色は、平和を守り続ける決意の赤に違いない。



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