2014 年 10 月 4 日 のアーカイブ

佐藤延夫 14年10月4日放送

141004-01 mhaithaca
作家たちの隠れ家/マーク・トウェイン

アメリカ、ニューヨーク州の南部、
エルマイラという小さな街。
その中心部から3キロほど離れた、
丘のてっぺんにたたずむ八角堂が
小説家、マーク・トウェインの書斎だった。
ここで「トム・ソーヤの冒険」をはじめ、数々の名作が生まれた。

石炭のストーブがあり、
大きな窓が6つ、小さい窓がひとつ。
そして幅の広いドア。
朝の10時から、ランチをとらず午後5時まで籠もり、
天気がいいと、丘の頂上に立って夕焼けを眺めたそうだ。

マーク・トウェインは、その光景をこんな言葉で喩えた。
「日没の最後の奇跡」。


topへ

佐藤延夫 14年10月4日放送

141004-02
作家たちの隠れ家/チャールズ・ディケンズ

ロンドンから、東におよそ50キロ。
イギリス南東部ケント州ロチェスターという町に、
小説家、チャールズ・ディケンズの屋敷があった。

道路を挟んで反対側の森には、
彼が書斎として使った建物。
スイス風に装飾されたこの山小屋で、黙々と執筆を重ねた。
二階には6つの窓と、
等身大の鏡が据えられている。
窓の外には麦畑が広がり、さらに遠くには、テムズ川。
ディケンズは、机の脇に双眼鏡を置き、
ときどき外を眺めていたそうだ。

隠れ家からの風景は、きっと格別だったに違いない。


topへ

佐藤延夫 14年10月4日放送

141004-03
作家たちの隠れ家/ロバート・ルイス・スティーヴンソン

南太平洋の小さな島、サモア。
イギリスの小説家、ロバート・ルイス・スティーヴンソンは、
この牧歌的な国で生涯を終えた。
代表作「宝島」と同様に、
彼の生き方は、まさに冒険そのものだった。
一目惚れした女性を追いかけ大西洋をめぐり、
そのままアメリカ大陸まで渡ってしまうのだから。

44歳という短い生涯のうち、最後の4年間を過ごしたサモア島。
山の麓に屋敷を構え、しばしば山頂に登っては
あたりを見渡し、いつか葬られる場所を探したそうだ。

彼は地球の中で、最も幸せな隠れ家を見つけていた。


topへ

佐藤延夫 14年10月4日放送

141004-04
作家たちの隠れ家/アーネスト・ヘミングウェイ

ノーベル賞作家、アーネスト・ヘミングウェイ。
彼の仕事場は、作品が仕上がるたび、女との関係が終わるたび、変わった。

最初の書斎は、パリのホテルの最上階にある小さな部屋。
つましい生活を支えたのは、年上の妻、ハドリーだった。

二番目の妻、ポーリーンのころの仕事場は、
フロリダ州の最南端、キーウエスト。
「武器よさらば」がここで生まれた。

そしてキューバにわたり、
三番目の妻、マーサと暮らしたのは
ハバナ郊外、フィンカ・ビヒアの大邸宅だった。

しかし彼が最も愛した場所は、海の上。
「ピラー」と名付けられたフィッシングクルーザーが、
本当の隠れ家だったのかもしれない。
そこは仕事からも妻からも逃げられる、たったひとつの聖域。


topへ


login