Uwe Hermann
新しい世界・女性リーダー
レネイ・ジェームス。
世界で10万人の従業員をかかえるハイテク企業インテルの社長。
2児の母でもある彼女は、
世界で最も影響力のある女性の一人に選ばれている。
若い頃なら、
ビジネス界で最も影響力のある一人でいいじゃないか、と怒っただろう。
しかし、今は、女性という枕詞がついてもいいと思っている。
自らがお手本となって、他の女性のためになりたいと考えているからだ。
ハイテク業界の特に、技術畑で働く女性は極端に少ない。
女性が技術者をあきらめる時期が2回ある、とジェームスは言う。
ひとつは、家庭をつくる時。
もうひとつは、中学生の時に訪れる。
女性に対する社会の期待を自覚するころだ。
そんな女性たちに彼女は、こうメッセージを送っている。
「女が頭が良くても大丈夫。それは、とてもステキなことなのよ」
2014 年 10 月 18 日 のアーカイブ
小林慎一 14年10月18日放送
小林慎一 14年10月18日放送
caseorganic
新しい世界・バイオニックアーム
ジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所の
マイケル・クロフリンは言う。
「このバイオニックアーム、我々はモジュール型義手と呼んでいますが、
本物の手ができることを、ほとんど何でもやれます」
重さは、普通の腕とほぼ同じ約4kg。
26の独立した関節があり、100のセンサーと、17のモーター、
そして、コンピュータを備えている。
例えば、腕を失った人が、このバイオニックアームをつけたとする。
腕の切断面から、神経を伝わる電気信号を読み取り、
できあがった不規則なパターンをコンピューターが認識して
バイオニックアームを動かす。
つまり、普通に腕を動かそうとすれば、その通りに動くのだ。
しかも、流れるように、滑らかに。
「私がつくっているのは、腕や手をなくされた皆さんの可能性です」
マイケルは、さらにこう付け加えた。
「そして、そう遠くない日に、ピアノを弾けるようになるでしょう」
小林慎一 14年10月18日放送
新しい世界・赤ちゃん
箱を開けようとしている人形を助ける、いいウサギ。
それを邪魔する、悪いウサギ。
赤ちゃんの90%が、いいウサギを選んだ。
クラッカー好きのネコと、シリアル好きのネコ。
クラッカー好きの赤ちゃんは、クラッカー好きのネコを選ぶ。
しかも、クラッカー好きのネコが悪さをし、
シリアル好きのネコがいいことをしたとしても、悪さをしたネコを選ぶ。
さらには、シリアル好きのネコに、親切な犬と、意地悪な犬では、
クラッカー好きの赤ちゃんは、意地悪な犬を選ぶ。
イェール大学「赤ちゃんラボ」の研究で
赤ちゃんは、善悪を判断でき、
意見が同じものを好み、違うものを嫌うことが分かって来た。
性善説か、性悪説か。
紀元前3世紀から続くこの論争に、終止符を打とうとしているブルーム教授はこう言う。
「道徳観を植え付けるのではなく、善の心の花を咲かせることが大切です。
私たち人間は、善と悪の両方の心を、生まれながらに持っているのですから。」
小林慎一 14年10月18日放送
Alessandra Kocman
新しい世界・ソーシャルネットワーク
いまだ接続できない50億人の人々のために
インターネットの通信網をひろげるプロジェクトが始まっている。
人口密度の低い場所には、人工衛星を使い
人口密度の高い場所は、太陽電池で飛ぶ新開発の無人飛行機を使う。
民間航空機の邪魔にならず、天候にも左右されない上空2万メートルを飛ぶ。
旗ふり役は、フェイスブック。
この巨額の費用がかかる壮大なプロジェクトには
フェイスブックが50億人ものあたらしい潜在顧客を獲得できる
という商業的な意味合いはもちろんある。
しかし、目的はそれだけではない。
人々が自由に情報や考え方を共有できる
ソーシャルネットワークを禁止している国は多い。
アラブの春以降、その数は増えている。
中国をはじめ、中東の多くの国ではフェイスブックもツイッターも使えず、
トルコも今年、ツイッターを閉鎖した。
政府が管理することのできない自由なインターネット網をつくる。
真意はそこにある。
どんな場所にも平等に、人々が望めば即座に、
インターネットの中からジャンヌダルクが現れる。
そんな世界をつくろうとしているフェイスブックのCEOザッカーバーグはこう言う。
「このサービスがはじまれば、世界中の人々が、インターネットを通じて、
自らが望む政府を自由に決定できるようになるでしょう」