熊埜御堂由香 14年10月12日放送

141012-03
tamachanhaazarashi
陶芸のはなし 白洲正子

随筆家、白洲正子。
町田市の古い農家を買い取って
能や古美術を愛して生きた。
焼きもののコレクターとしても知られた正子。
その世界に深く惹かれるようになったのは、
美術評論家の青山二郎からいわれたこんな言葉だった。

誰がもっていても一流というのではなく、
自分が持っているから値打ちがある。
そういうものを目指したらどうですか?

名のある茶碗と、名のない茶碗。
両方とも元はといえばアジアの片田舎の生まれた飯茶わんなのに、
農家の台所に埋もれているものもあれば、
展覧会のガラスケースの中に収まるものもある。
その事実に、正子は、
世の中にこれほど自由な存在があるだろうかと
胸が躍ったという。

白洲正子はこう言った。

 焼きものは、すべて発見です。

陶芸とは、それを選ぶこと自体も
芸術たりえる、創作活動なのかもしれない。

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