2018 年 5 月 のアーカイブ

渋谷三紀 18年5月26日放送

180526-03

絵本のひと 安野光雅

走るなメロス
と書いたのは、
絵本作家の安野光雅さん。

「走れメロス」のような
友情のための自己犠牲は、
物語として確かに美しい。
けれど、本当に正しいのか。

美談や教訓を疑う姿勢は、
戦争体験から来ているのだという。

生きることは単純じゃない。
書かれたことが正解じゃない。
自分の頭で考える自由は、
手放したくない。

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渋谷三紀 18年5月26日放送

180526-04
ha-suha
絵本のひと せなけいこ

絵本作家のせなけいこさん。
ある日、同居する娘さんが
子どもをしかる様子に目を奪われた。

「そんな悪いことするなら、おおかみさん呼びますよ。」
受話器をとり、「もしもし、おおかみさんですか?」と演技をつづける。
子どもはたまらず「いやーん。ごめんなさい。」

その傍らでほくそえんでいた、せなさん。
後日、「おおかみのでんわ」という絵本を描いた。

真剣だからおもしろい。
どの家の子育ても、
世界に一編の物語だ。

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渋谷三紀 18年5月26日放送

180526-05
Vintage Japan-esque
絵本のひと 石井桃子

絵本なんて子ども向けでしょ。
なんて思っている人には、
絵本作家の石井桃子さんが色紙に書いた言葉を
読んでほしい。

おとなになってから
老人になってから
あなたを支えてくれるのは
子ども時代の「あなた」です。

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澁江俊一 18年5月20日放送

180520-01
flickrohit
ジーンズの誕生日

今日はジーンズの誕生日。

ゴールドラッシュに沸くアメリカ。
人々はとにかく丈夫な作業着が欲しかった。
仕立屋ジェイコブ・デイビスは
生地屋のリーバイ・ストラウスから仕入れた
丈夫な布でズボンをつくり、
ポケットをリベットという小さな金具で補強する。
これはのちに本人も忘れてしまうほどの
些細な思いつきだった。

それがまさかの大ヒット。
アイデアを守るための
特許出願にかかる費用は68ドル。
しかしジェイコブにはこれが払えず
リーバイと折半して出願する。
特許が承認されたのが1873年の今日だった。

史上最大の発明ジーンズは
仕立て屋と生地屋の
偶然のコラボから生まれたのだ。

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澁江俊一 18年5月20日放送

180520-02
shio
ジョブズとジーンズ

今日はジーンズの誕生日。

労働者の作業着として
生まれたジーンズ。
やがてアーティストやミュージシャン
映画スターに愛されるようになり
今や大企業の社長までもが
こぞってジーンズを履いている。

国境も性別も職業も
あらゆる境界線を越えるジーンズ。

いつも同じ服しか着なかった
スティーブ・ジョブズもジーンズをこよなく愛した。
iPodもiPod nanoもプレゼン中の彼の
ジーンズのポケットから初めて登場した。

こんな遊びゴコロがある限り
人類がジーンズを履かなくなる日は、
きっと永遠に来ないだろう。

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奥村広乃 18年5月20日放送

180520-03

マリリン・モンローとジーンズ

今日は、ジーンズの誕生日。

丈夫で破れない。
ブルージーンズの始まりは、男性の労働着であった。

その実用的でしかなかったジーンズを、
女性のファッションアイテムに価値転換をした人。
それが、マリリン・モンローだった。

1961年。
映画『荒馬と女』でブルージーンズを履いたモンロー。

第二の皮膚のように、彼女にフィットしたジーンズ。
馬に乗って駆け回る時も、
寝そべって休憩する時さえも、美しい。
映画を見た当時の女性たちは、
そのジーンズ姿に魅了された。

「ほんとうの魅力は、女らしさによって生まれるものよ。」

そう、モンローは言う。
彼女の魅力は、男性向けのジーンズを履いてもなお
隠れることはなかった。

魅力的なスタイルを保つために
運動を欠かさなかったモンロー。
ジョギングの時にも、ブルージーンズを履いていたという。

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奥村広乃 18年5月20日放送

180520-04
Sharon Mollerus
アンディ・ウォーホールとジーンズ

今日はジーンズの誕生日。

ブルージーンズに嫉妬した。
そんな、アーティストがいた。
ポップアートの教祖、アンディ・ウォーホール。

彼は、非常に高尚であった絵画の世界に
キャンベルスープ缶やマリリン・モンローなど
大衆文化を持ち込んだ。

その反逆スタイルは、
彼のファッションにも通じている。
黒いタキシードの上着に、
カジュアルなブルージーンズを合わせて
パーティに参加したのだ。

彼は著書で、こう語っている。

「ぼくもブルージーンズみたいなのを発明したかった。
 あれだけ大衆的で、人に覚えてもらうものをさ。」

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礒部建多 18年5月20日放送

180520-05

ジーンズで訴えた男

今日はジーンズの誕生日。

労働者の作業着として生まれたジーンズは、
1950年以降、強いメッセージ性を持つファッションへと変化する。
音楽の力によって。

1969年のウッドストック。
伝説と謳われた、愛と平和の音楽の祭典。

最終日に、トリとしてステージに現れたジミ・ヘンドリックスは、
美しいブルーのフレアジーンズ姿で、国歌「星条旗」を演奏し始めた。

最初は聞き慣れたフレーズが続いたが、
突然の変化に観客たちは驚いた。

まるで爆撃機の空襲音のようなノイズ。
人々の悲鳴のような弦の高鳴り。

激しく歪みながら鳴り続けるその狂気的な旋律は、
当時のベトナム戦争への痛烈な批判を表現していた。
そして、彼は観客へこう言い放ったと言う。

「愛国心を持つなら地球に持て。魂を国家に管理させるな。」

ロック史に残る、その圧倒的なステージ上の姿が、
ジーンズをも「反骨精神の象徴」へと変えていったのだ。

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松岡康 18年5月20日放送

180520-06

ジーンズを発明したかった男

今日はジーンズの誕生日。

労働者のための作業着として作られたジーンズだが
ファッション界において、それは特別な意味を持つ。

モードの帝王と呼ばれた天才デザイナー、イヴサンローラン。
彼は引退する時、自身でジーンズを手掛けなかったことが
唯一の心残りだと語ったという。

なぜモードの帝王が、大衆のファッションであるジーンズを愛したのか。

彼はジーンズの魅力についてこう語っている。

ブルージーンズ程、独創的で美しいものは無い。
しかも、それは実用的で、リラックスとカジュアルの空気を持っている。
そしてまた、ブルージーンズは主張と抑制とを併せ持っている。
それは簡素であると同時にエロティシズムをも放つ。
つまり、私がデザインしたいと思う要素を全て持っている。

天才がこれほどまでに評価するファッションは、
ジーンズのほかにない。

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松岡康 18年5月20日放送

180520-07
allenjaelee
インディゴとジーンズ

今日はジーンズの誕生日。

ジーンズの魅力を、その独特な色落ちにあるという人も多い。

なぜジーンズは色落ちするのか?

1880年、ドイツの化学者A.ボン.バイヤーが天然インディゴと
まったく同じ成分構造を持つインディゴの合成に成功。
ジーンズはほとんど、この合成インディゴで染色されている。

ただこの合成インディゴ、粒子が荒く、
染めあげる力は藍染などと比べてもはるかに弱い。

糸の表面に付着した状態で中まで色が浸透せず
何度も着ているうちに徐々に色が落ちていってしまうのだ。

だが、この染める力の弱さが功を奏し
世界でも類を見ない経年変化を楽しめる
ファッションアイテムが誕生したのだ。

世界中で10億着以上のジーンズが合成インディゴで青く染められてきた。
そしてそれらのジーンズには一つとして同じ色のものは無い。

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