2018 年 7 月 のアーカイブ

仲澤南 18年7月28日放送

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海の舟 勝海舟

幕末から明治にかけて活躍した政治家、勝海舟。
日本が開国を迫られた時代に
世界と対等に渡り合うために力を尽くしたことで知られる。
1860年、軍艦「咸臨丸」による渡米も、彼の功績のひとつ。
幕府としては初めての、太平洋横断だった。

勝は、艦長として乗り込んだ。
しかし、およそ40日間に渡る航海のあいだ、
自分の部屋にこもりきりだったという。
理由は船酔い。さらに、伝染病の疑いまであったそうだ。

長い航海の間、衛生管理が行き届かず、
咸臨丸で伝染病が流行してしまった。
海の上では、逃げ場もない。
艦長の頼りない姿に、共に渡米した福澤諭吉は
ひどく呆れていたという。

海の舟と書き、海舟。
そう自ら名乗った男が、海の舟に酔ってしまうとは、、、
時代の荒波を乗り越えた幕末の英雄も、
本物の波は苦手だったらしい。



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村山覚 18年7月28日放送

180728-04 Photo by Masaaki Komori on Unsplash
海の底へ リンゴ・スター

イギリス北西部の港町で生まれ育った
ジョン、ポール、ジョージ、リンゴ。
言わずと知れた、ザ・ビートルズ。
彼らは海にまつわる曲を何曲か残している。

もっとも有名な曲は「Yellow Submarine」だろう。
リンゴ・スターによる優しくほのぼのとした歌声が
印象的だ。しかし今日ご紹介したいのは
リンゴが作詞作曲を手がけた「Octopus’s Garden」。
ユニークな歌詞と親しみやすいメロディで描かれる
“タコの庭”は、地上のどんな庭よりもハッピーで
居心地が良さそうだ。

解散直前の数年間、4人の仲はギクシャクしていた。
リンゴは一番温厚な性格だったそうだが、
ドラム演奏にケチをつけられて「やめてやる!」と
スタジオから出ていったことも。
そんな悩ましい時期、地中海でバカンスをしていたら
タコ料理が出てきた。“タコは小石や光るものを集めて
海底に庭を作る習性がある”と聞いた彼は、
Octopus’s Gardenに君と行きたいという曲を書いた。

人間関係に悩んだ時、海でひと潜りしてみれば
タコが出迎えてくれるかもしれませんよ。



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福宿桃香 18年7月28日放送

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海で暮らす オーシャンスクレイパー

海の家、といえばビーチにある小さな食事処のこと。
だが「海の中の家」のことはご存知だろうか。

それが未来の都市計画として発表されたのは2年前。
オーシャンスクレイパーと名付けられたその家は
半透明の巨大クラゲのような見た目をしている。
水深1000メートル近くまで縦に長く伸びることで、
なんと2万人が暮らせる空間になるという。

提案者であるベルギーの建築家ヴィンセント・カレボーによれば、
有機廃物を常にリサイクルし、バイオ燃料を生産することで
環境問題を解決。長期的な生活が可能になるそうだ。

この話は、少なくとも現時点では架空のもの。
だが、テクノロジーの進化に期待してしまうのは私だけだろうか。



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道山智之 18年7月22日放送

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ドン・ヘンリー ふるさと

イーグルスのドラム・ボーカルをつとめたドン・ヘンリー。
彼が3年前に出した最新のソロアルバム。
タイトルは「カス・カウンティ」。
自分が生まれ育ったテキサス州カス郡に想いをはせる。

イーグルスとしての華やかなツアーの合間に5年をかけて、
故郷に近いダラスやナッシュビルで録音。
数多くの地元のプレイヤーとともにつくりあげられた。

カントリーという原点を見つめながら、
ひとつのカテゴリーにおさまらない曲の数々。
そこで歌われるさまざまな「人生」は、
自分がどこから来て、今どこにいるのかを探しつづけてきた
彼の人生そのものに、聞こえる。

7月22日。
今日は、ドン・ヘンリー71歳の誕生日。
Happy birthday, Don!



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道山智之 18年7月22日放送

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ドン・ヘンリー 言葉

イーグルスのドラム・ボーカル、ドン・ヘンリー。
3年前に出したソロアルバム「カス・カウンティ」には
こんな歌詩がおさめられている。


 ひと息かふた息で
 君の大切なものなんてこわせるさ


 棒や石なら
 せいぜい骨を砕くことしかできない


 でも言葉なら
 君の心をほんとうに
 傷つけることができるんだ



これほど辛辣な言葉が、とびきりのやさしいメロディに乗っている。
もしかしたらこれはすべてを反語にする装置なのかもしれない。
君と私の立場も。見下ろす目線と切なる願いも。

 「言葉だけが、
  ぼくをほんとうにいやすことができるんだ」と。


7月22日。
今日は、ドン・ヘンリー71歳の誕生日。


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道山智之 18年7月22日放送

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ドン・ヘンリー 空

これまで2度のグラミー賞に輝いたアーティスト、ドン・ヘンリー。
彼の最新ソロアルバム「カス・カウンティ」は、
自分のふるさと、テキサス州カス郡のことだ。

アメリカ南部の小さな町。
南部と西部の音楽が出会う古きよき場所も、
気候変動に見舞われている現実。


7月の初めに辻風がうずまく
朝10時なのにもう37度
空には雲ひとつ見られない
 

勝利や平和や余生やゆるしを願っても
健康や幸せや富や名誉を願っても
雨がふらなかったらどうにもならない


古きよき日にひたってばかりいられない、
今おこっていることを正視しなければ。
美しいカントリーの調べとハーモニーにのって、
まったなしのメッセージを突きつける。

7月22日。
今日は、ドン・ヘンリー71歳の誕生日。


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道山智之 18年7月22日放送

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ドン・ヘンリー 友

アーティスト、ドン・ヘンリー。
彼は1971年、ギター・ボーカルのグレン・フライとともにイーグルスを結成し
ともに数々の名曲をつくりあげてきた。

おととし、グレン・フライの逝去が伝えられた後、
ドン・ヘンリーはコメントを出した。
「イーグルスは終わった」

ものごとには終わりがある。
かなしくも、潔い宣言。
出会って46年、
半世紀近くをともにした、かけがえのない友への深い尊敬を
ドン・ヘンリーらしくあらわしたようにも聞こえる。


7月22日。
今日は、ドン・ヘンリー71歳の誕生日。


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道山智之 18年7月22日放送

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ドン・ヘンリー 出会い

ミュージシャン、ドン・ヘンリー。
イーグルス結成前のまったく売れなかったころ、
歌手リンダ・ロンシュタットのバックバンドをいっしょにやらないかと
グレン・フライに声をかけられる。
そのバックバンドのメンバー4人が集まって、翌年「イーグルス」が結成されることになった。

ネイティブアメリカンの人たちには、
大地からの問いかけや願いを空に届けると信じられている「イーグル」。
その名前をつけた彼らは、その後半世紀近く、
音楽を通して人生とは何かを問いかけ続けてきた。

7月22日。
今日は、ドン・ヘンリー71歳の誕生日。


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道山智之 18年7月22日放送

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ドン・ヘンリー 孤独

イーグルスのドラム・ボーカルをつとめたドン・ヘンリー。
彼がグレン・フライとともに書き上げた名曲「Desperado」。


 壁の上からおりてきな
 そして扉をひらくんだ


 雨もたまには降るだろう
 でも君の上には虹がある


 愛されることを受けいれてごらん
 もどれなくなってなってしまう前に



西部開拓時代の強盗団をモチーフにしたこの曲。
語りかける相手はもしかしたら歴史上のギャングではなく、
自分の中の孤独ではないか。


7月22日。
今日は、ドン・ヘンリー71歳の誕生日。


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道山智之 18年7月22日放送

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ドン・ヘンリー 時間

イーグルスのドン・ヘンリーが、
盟友グレン・フライとともに書き上げたアルバム「Desperado」。
のちにイーグルスの代表作となるこの名盤は、
評価されるのに少し時間を要した。

70年代アメリカの変革期に、あえて西部開拓期の歴史をふりかえる。
内省的なこのアルバムに、わかりやすい派手さはなかった。
彼らは、世の中の矛盾や理不尽を前に、
自分たちは何者なのかという「問いかけ」をせずにはいられなかったのだ。

その後カーペンターズなどさまざまなアーティストからのカバーを受けて、
息の長い名曲として定着していく。

7月22日。
今日は、ドン・ヘンリー71歳の誕生日。


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