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中村直史 14年12月28日放送

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Se7en Summits
言葉2014 石川直樹

写真家であり、冒険家でもある、石川直樹。
彼の写真が特別な理由はシンプルだ。

 だれも行ったことのない場所で写真をとれば、
 だれも見たことのない写真になる。

でも、この世界に
だれも行ったことのない場所なんて残っているのだろうか?
インターネットでどんな場所のことも知ることができるこの世界で?
そんなギモンに、石川直樹は答える。

 世界を知ったつもりになると、とたんに世界はつまらなくなる。

毎日歩く駅までの道のりだって、
本当はまだ何も知らないのかもしれない。
毎日は冒険なのだ。

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中村直史 14年11月23日放送

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ぱちょぴ
鉄川与助と教会 その1

その若い大工は、西洋建築のことなど何も知らなかった。
ただ、一人のフランス人神父との出会いが彼の運命を変える。
長崎の小さな島に生まれた大工、鉄川与助(てつかわ よすけ)。

生涯仏教徒であったにもかかわらず、
フランス人のド・ロ神父から教わった教会建築に没頭し、
長崎を中心に、30を超える美しい教会を建立した。
それはまだ、日本に信仰の自由が認められて間もない頃の話。
彼が立てた教会の数々は、世界を驚かせた。

長崎の教会群は、世界遺産に登録されようとしている。

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中村直史 14年11月23日放送

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鉄川与助と教会

時は明治時代。
やっと信仰の自由が認められた日本で、
数々の教会を建立した長崎県五島列島出身の大工、鉄川与助。

ほとんどの教会は、貧しい信徒たちが出し合った資金で建てられたもの。
質素なものが多い。
けれど、彼がつくった教会には、華やかさがある。
自由に祈ることを許された喜びにみちているかのようだ。
彼のつくった教会にはどれひとつ同じものがない。
木造、コンクリート、石造り、バロック風、ロマネスク風。
信徒たちの祈る喜びが乗り移ったように、
鉄川与助の「つくる喜び」もあふれている。

教会は、100年の時をこえ、世界遺産に登録されようとしている。

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中村直史 14年8月31日放送

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あの人の夏 天正遣欧使節

海外への旅がほぼ死を意味した
戦国時代のことだった。

弱冠13歳前後の4人の少年が
ヨーロッパを視察するため
長崎の港を旅立った。

伊藤マンショ、千々岩ミゲル、中浦ジュリアン、原マルチノ。

2年半にも及ぶ航海の末、
4人は真夏のポルトガルに上陸する。
彼らの経験は想像を絶するものだった。
けれど、彼らの記録は日本から消し去られることになる。
4人が戻った日本は
キリスト教を許さない国になっていた。

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中村直史 14年8月31日放送

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あの人の夏 フェリペ2世

1584年夏。ヨーロッパに上陸した
天正遣欧使節団の少年4人は、
絶大な権力を誇ったスペイン国王フェリペ2世に謁見した。

驚いたのは国王のほうだったらしい。
少年らの着物に施された花や鳥の模様。
袴に差した大小の刀。
上から下へと書かれたキリシタン大名からの書状。

フェリペ2世はそのひとつひとつに近寄り
伊東マンショの履いていた草履は、
わざわざ手に取って、まじまじと眺めたという。

4人の少年が
当時のヨーロッパに与えたインパクトは
計り知れず大きかった。

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goto no hanashi (191)

なんかですねー、タイトル欄に日本語書き込むと変になるんですよね・・・
あと、写真の縦横比がうまくいかないんですよね・・・
もう見切り発車でアップします・・・

aokata

で、久しぶりに書きます、なぜかというと、
福岡から五島へ行く深夜フェリー「太古」が新船になったのです!
早く乗りたい!って思ってたんですが、
満席で乗れなかったりして、こないだやっと乗れました。

shimajima12 のコピー

で、ですね。

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船が新しくなったせいで航海が快適なんですよ。
快適さのせいか、夜明けとともにパッと目が覚めて、甲板に出ました。
太古は、五島列島を北端の宇久島から順に南下していくのですが、
夜明けの島々の景色が素晴らしいのです。

taiko_kyokai2 のコピー

上の写真をズームしてみると・・・山の中腹に教会が見えます。
島々の中にこじんまりとした教会が見える。
これも五島らしさ。
長崎県の教会群は世界遺産候補です。

hashi2

太古の船旅は、ただの移動ではないです。
こんな景色を楽しめるのだから。

kanpanback

ほら

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なんかね、いいんですよ

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いいぞー五島!って甲板から叫びたくなります。
恥ずかしいから叫びませんけど。

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船の中も快適です。

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そして何と船は新しくなったのに、運賃は値下がりしてました。
意味が分からない!

taiko_lobby

トイレはホテルみたいでした。

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新船、太古。
かっこいい。乗ってみませんかー!
そして、夜明けの甲板、出てみませんかー!

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中村直史 14年6月22日放送

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BlueRidgeKitties
雨の季節に モーリス・ラヴェル

古来より、
音楽家は自然現象を音で表現してきた。

しかし彼ほど
自然現象をまるで絵画のような
イメージでとらえた人はいなかった。

フランスの作曲家モーリス・ラヴェル。

彼が作曲した「水の戯れ」を聞いていると、
水はただ流れているのでも、
落下しているのでもなく、
はしゃいだり、たのしんでいるように聞こえる。
いや、そんな映像が目に浮かんでくる。

ラヴェルの音楽を知っている人は、
雨の季節を楽しめる人かもしれない。

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中村直史 14年6月22日放送

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雨の季節に 光源氏

雨がしとしとと降る夜。
あなたは、どんなことを思うだろう。

その夜も雨が降っていた。
大きな屋敷のとある部屋。

男四人が集まって話し始めたのは、
これまで出会った中で、
どんな女性がすばらしかったか。

源氏物語「雨夜の品定め」のくだり。

上流階級の女性しか知らなかった
若き光源氏は、
先輩たちが熱弁する
「中流階級にこそ、すばらしい女性がいる」
という説に感化される。

彼の幅広い女性遍歴は、
雨の降りしきるこの夜を境に、広がっていった。

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中村直史 14年4月20日放送

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emiton
先輩! 北杜夫となだいなだ

精神科医であり、作家であった「北杜夫」。
麻布中学を卒業し、慶応大学の精神科に勤務。
同人誌「文芸首都」からベストセラー作家になった。

まったく同じプロフィールの人がいる。
なだいなだ。
北杜夫の2年後輩にあたる。

2011年に北杜夫が亡くなったとき、
なだいなだは、その追悼文の中で、
自分を北の「二匹目のどじょう」と言った。

北杜夫のおかげで作家として売れることができた。
そして、北杜夫に敵わぬと悟ったことで、
自分らしい道を歩むことができたと。

先輩を2年後ろから追いかけた、なだいなだ。
北への追悼文をかいた2年後、この世を去った。

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中村直史 14年4月20日放送

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先輩! 遠藤順子と遠藤周作

遠藤順子さんは、
大学で同じ文学部の先輩に恋をした。

恋は実を結んだ。
夫となった先輩は病弱だった。
何度も手術を行い、
生死の境をさまよった。

夫は物議をかもす人でもあった。
社会的論争を起こす本を書いた。
夫は順子さんに言った。

いつか自分のことをわかってくれる人が出てくる。
その人のための「踏み石」になりたい。

夫の名は遠藤周作。
後輩である妻に支えられ、
どっしり強い踏み石になった。

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